少年サッカーの撮影 その19 [少年サッカーの撮影]
「デジタルカメラマガジン」という雑誌をご存知だろうか。デジタル一眼レフが売れている昨今では、この雑誌も人気があるようで、私も数年前から購読している。その2007年6月号に、少年サッカーの撮影法についての記事が載っている(P78~82)。著名なプロカメラマンが書いているので、私もほとんど同意なのだが、ちょっと[?]って思ってしまう記述もあった。今回はちょっと趣向を変えて、プロに突っ込んでみようかな、と。
>サッカーというスポーツは、ゴールにボールを入れる競技なので、ベストな撮影ポジションはゴールポスト裏のちょっと横あたりになります。
確かにゴールシーンだけを考えれば、そこがベストかもしれない。プロはそんなゴールシーンを撮り逃がさないことが最重要だろうが、アマチュアでは必ずしもそうではない。この記事は「わが子を撮る」という前提で書かれているが、何も攻撃的ポジションの選手の親ばかりではないだろう。ディフェンスやゴールキーパーの選手の親なら、そんなポジションはベストではないと思うのだが。
>このAFモード(AI SERVO)にすれば、動きの激しいサッカーでも、ほとんどピントを外すことなく撮影できます。
試合中のサッカー選手は、一定な動きをせず、相手選手との接触プレーもあるので、狙った選手にピントを合わせる、これ自体が難しい。自分の指定したAFフレームで、狙った選手をきちんと捕らえることが、まず難しい。ピントが背景に抜けたり、他の選手に合ってしまったり。また、それができても、機材の機能的なレスポンスの遅れで、ピントがしっかり来てないことも多い。AI SERVO AFにすれば、ほとんどピントを外さない、という表現は、誤解を招きそう。
>表情がきちんとわかるようにするために、撮影時の姿勢は座って、目線を低くすることをおすすめします。
撮影者が座ってしまうと、移動が難しくなる。プロの試合だと、試合中のカメラマンの移動はできないが、少年サッカーでは移動できるので、最適な撮影ポジションを求めてドンドン移動すべきだと思う。だから座っての撮影は、私はお勧めしない。また、確かに見上げる形の撮影なら、下向きがちな選手の顔も撮りやすいが、F値の暗いレンズだと背景もうるさくなりやすい、という点も考慮すべきでしょう。
>サッカーの試合では、シュート以外にも、絵になるシーンがたくさんあります。
ホント、そう思います。だからこそ、ゴールポスト横で、座って撮るのはNGだと思うのですが。
>この動作(親指AF)のほうが、動体を撮るときは、シャッターボタンを押しやすいはずです。
シャッターボタンの押しやすさは、シャッターボタンの位置・形状とカメラの持ち方だと思う。親指AFにしたからといって、シャッターボタンが押しやすくなる訳ではないと思う。また親指AFの方がAF性能が良くなるような誤解を招きやすいので、安易に薦めるのはどうかと思うが。
>ペナルティエリア内に入ってきたらタテで構えて、被写体をギリギリまで引き寄せる
前頁で、手振れを防ぐために一脚の使用を薦めている。試合中のタテ・ヨコの変更をするためには、自由雲台がなければできないことだが、それに関する記述がまったく無いのは、ちょっと不親切ではないか(三脚座のあるレンズは、この記事では薦めてないので、三脚座に一脚を着けることは想定外)。試合中、緊迫した場面でのタテ・ヨコの変更は、自由雲台を付けた一脚を使っていても、雲台はフリーの状態(レバーを締めて固定しない)で使わざるをえず、それでは一脚を使う効果がどれほどあるか疑問。タテ・ヨコの変更は、私も試合中にやるが、アイドルタイム中にやるべきだと思う。
とまあ、ツッコミを入れてみましたが、相手がプロカメラマンだからできる、大人げ無いことですね。まさか、Sカメラマンがこのブログを見る事もないでしょうが、大変失礼しました。
ジュニアユースさん、こんばんは
デジタルカメラマガジン、私も知っていますがROM専です。
Sカメラマンですか?先駆者の現場THE MOVIEに登場していますね。
シャッターフィーリングが違うと言う事で、カメラの構え方が他の人と違います。
確かに横位置にするときは速いかと思いますが・・・
先駆者の現場で検索してご覧下さい。
by KT (2007-06-19 19:49)
こんばんわ
その記事、私も読みましたよ(本屋で)
実際に、その撮影ポジションはNGなんじゃないか?って思いましたけど、まああくまでプロからの目線ですし、この特集での発言がもたらす効果ってやっぱりあるんだろうな~って思いましたね。
オトナの事情もあるでしょうし(笑)
by クロスポ (2007-06-19 21:08)
KTさん、クロスポさん、コメントありがとうございます。
「先駆者の現場」は、私も見ました。あんな場所で、Jリーグを撮りたい!って思いましたよね。あんなところへいけたら、気合はいるだろうな~。
櫻井さんは、好きなカメラマンですが、あの記事全文を櫻井さんが書いているんではないような気がしますね。櫻井さんの部分的な発言を、編集者が記事にしたような気が。オトナの事情ですかね。
でも、「プロカメラマンが言うことだから・・・」と、記事を全肯定して、鵜呑みにする読者もいるだろうな、と、ちょっとアンチテーゼを書いてみた次第です。
by ジュニアユース (2007-06-20 18:41)
茨城で少年サッカーを撮影している者です。アントラーズファンなのでSさんはよく知っております。
1つ気になったのでコメントさせてもらいます。
相手がプロであろうとアマチュアであろうと、撮影の仕方は千差万別なわけですから、あまり活字で大人げないやり方をしない方がいいのではないかと思います。
ブログに掲載されている作品が素晴らしいだけに、なんだか違和感を感じた次第です。
by guran blue (2009-10-18 22:56)
guran blueさん、コメントありがとうございます。
プロのSカメラマンの撮られた写真は何回か拝見したことがありますし、どれも素晴らしいものでした。さすがは凄腕のプロだなあ、と尊敬しております。
だからこそ、Sさんほどの人がこんな言葉足らずのことを言うわけない、と思って、大人げないと断りながら、書いてみたのです。この記事は、この雑誌のこの記事を担当した編集者に対するアンチテーゼのつもりで書いたつもりです。Sさんが本気で書けば、きっと本一冊になるような文章量になると思います。それを、手っ取り早く記事にするために、Sさんの言葉の端をつまんで記事にしてしまったような印象を受けます(上のコメントで「大人の事情」と言ったのが、そういったところです)。そういった意味を行間に込めて書いたつもりですが、上手く伝わらなかったようでしたら、ごめんなさい。
by ジュニアユース (2009-10-19 16:26)