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新生活 [日々の徒然]

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学校はもう春休みに入った。それが過ぎれば、新しい生活が始まる。
4月から新しいスタートを切る人も多い。「新生活フェア」と書かれたチラシやポスターを、電気店や家具店、ホームセンターなどで、この時期よく見かける。今までとは違うクラスで、学校で、職場で、新しい生活が始まる。住環境の変わる人もいるだろう。
マンションやアパートの前に引っ越し業者の車が並び、この地で新生活の一歩を踏み出す人を、何度も見かけた。真新しい家具を運び入れるその表情は、ちょっと不安気だけど、新天地での夢を持っているように見えた。親と一緒に新生活のための買い物をする光景を、何度も見かけた。自分の知識や経験や貯めたお金を、この子の旅立ちの少しでも役に立てれば、という親心が、その会話の中に溢れていた。
学業や仕事や様々な事情で、住み慣れた土地を離れて、新しい場所で生活を始める家族には、より一層の絆が必要かもしれない。不安と希望が入り混じった若者が、それまで生まれ育った家を出て、常に一緒だった家族と離れて、一人で社会と向き合うことは、もう一歩の成長が必要なのかもしれない。しかし、いつかは避けて通れないことだけど、それらを見送る側にも、一抹の不安や心配や寂しさが宿るのも避けられない。
自らの声や手の届かないところへ旅立つ子には、せめてできる限りの準備をしてスタートラインに立たせてあげる、それだけだ。親が親としてしなければならないことは、沢山あるのだけれど、できることは限られている。そして子供が旅立つ時に、実は時間も限られていたことに、ようやく気づく。だけど、住むところが違い、進むべき道も違っても、子を思う親の気持ちは、いつまでも限られることはない。子供の新生活への晴の旅立ちなのに、懐かしみを込めて胸から眼頭へこみ上げてくるものがあるが、せめて私の命が尽きるまで、お前の親でいたいと思う。その想いだけが、この寂しさを埋めてくれる唯一の良薬だと、今は信じている。
いつも一緒に囲んでいた食卓。一つ空席ができてしまった。子供が子供でいる時間は、思ったより短いと思う。





明日から、法事と娘の引っ越しのために、しばらく家を空けます。書き込みが数日できなくなるかもしれませんが、ご容赦ください。
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Pompoko

昨日、むすめのアパートに車を届けに行ってきました。
私の住む家からは300KM。東京を越えて行くのに5時間かかりました。
去年入学し生活に慣れ、今年からは田舎暮らしで車がないと不便ということで、嫁の軽自動車を譲ることに。
私は始めてむすめのアパートを訪れましたが、来る前に掃除したとかですが、こぎれいにしてたので、少し安心しました。
事故だけはしてくれるなと言い渡して分かれましたが、心配と寂しさでふとほろり。
上の息子はこの春卒業、社会人。
珍しく電話してきたのですが、思いもしなかった感謝の意を述べられて、ほろり・・・
春は楽しい季節でもあるけど、ほろりほろりの季節でもありますね。
by Pompoko (2008-03-30 08:25) 

Take_c

こんにちわ。
ジュニアユースさんのお宅も、今年は新たな出発の年だったんですね。まずは、娘さんの合格おめでとうございます。
うちは進学といっても中学&高校ですので、今回のエントリに書かれているような「新生活」はもうちょっと先のことになりそうです。
・・・でも、あまり考えたくないなぁ。寂しいよぉ!^^;

ちなみに、10年前に私が自宅を新築した時には、我が家は6人家族でした。その後数年のうちにヨメが去り、母が逝きました。食卓のテーブルの空いた席は、確かに寂しいんですよ。
あと数年もすれば子供たち2人も巣立って、ジーサンと俺の2人になっちゃうのかぁ・・・考えたくないなぁ。ほんと、寂しいよぉ!;_;

というわけで、今のうちにたくさんの思い出を共有し、その証拠を「画像」という形で残しておくための努力は惜しまない所存なオヤジであります。

by Take_c (2008-03-30 21:57) 

kuni8686

こんにちは。
娘さんの親もとを離れて暮らす新生活、応援と心配な気持ちとともに、寂しい気持ち、文面からすごく伝わってきます。胸に沁みました。
「命尽きるまで、私はずっと君の父親だよ」という気持ち、すごく良くわかります。
うちはもう少し先ですが、男なのでそれほど寂しくはないかもしれません。
でも子供は一人なので、愚息でも離れて暮らすとなると寂しくなるのかもしれませんね。父や母は、近くですが別居ですし、女房と2人きりになってしまうので、寂しいんだろうなぁ。
別の意味で、それが恐かったりしますが・・・・。


by kuni8686 (2008-04-01 19:55) 

ジュニアユース

みなさん、コメントありがとうございます。やっと、我が家に帰ってきました。

Pompokoさん、こんにちは。
私より少し年長のPompokoさんですが、娘を家から出す心情、同じですね。別に永久の別れではないと分かってはいても、毎日の日常から消えてしまうことを考えると、この間までの変わらない日々が、どうも懐かしく思えて、ホロリとしてしまいます。

Take_cさん、こんにちは。
男手ひとつで、お子さんを育てていらっしゃることは知っていましたが、私などでは想像できないような苦労があるのでしょうね。ウチにも男の子が二人控えていますが、この子たちが家を出る時は、こんな気持ちにはならないような気がします。やっぱり、男の子だからでしょうか。それでも、残された寂しさは感じるでしょうね。

kuni8686さん、こんにちは。
いつかは別れが来ると思っているからこそ、いろんな形で今を残しておこうと思っていました。そして、その時が来た時、そんな思い出が胸を詰まらせる材料になってしまうことに、気付きました。笑顔で送り出したかったのですが、残念ながらできませんでした。


春はいろんな出発がありますが、何だか桜が物悲しく見えたのは、これが初めてでした。
by ジュニアユース (2008-04-03 23:23)