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AFのピント その8 [カメラ]

AFのピントについては前回で終わるはずだったのだが、付録としてちょっと付け加えさせていただきたい。
下の写真は先日私が撮った、失敗写真。このブログでは大きな画像を載せることができないのでリサイズしてあるが、ノートリミングである。ちなみに撮影データは、
1D3+EF400mm F2.8 L IS  焦点距離   400mm  絞り優先Av  
F3.5   SS 1/1000   ISO 100   評価測光   露出補正 +1/3   AI SERVO AF   RAW
AFフレームは、縦位置にて中央より一つ上のフレーム一点を指定しているから、この写真の青ユニフォームの選手の胸のロゴマークあたり。3連写したが、どれも同じような失敗写真だった。
ピント 8-1.jpg

さて、どうしてこんな、一見して眠い失敗写真が撮れてしまったのだろうか。ブレではない。一脚を使用しての1/1000で、写っている地面を見るとピントの来ている部分もある。眠い画の原因は、被写体にピントが来ていないことであることが一目瞭然。しかし、指定したAFフレームは、しっかり狙った被写体を捉えている。機械的なピントのズレが原因だろうか。いや、静物撮影ではピンズレは出ていないし、他の動体撮影写真ではピンの来ている写真もあるから、機械的な不具合とは思えない。AF速度が被写体の動きに追い付かないのが原因だろうか。1D3+ヨンニッパは現在最強の組み合わせで、これでAF追従速度が足らないとは思えないし、これで足らなければどんなスポーツ写真も撮れないのではないか。指定したAFフレーム辺りがコントラストが無く、合焦を迷っているとも思えない。
原因は、撮影者の腕の無さ、である。この画は、レンズをサッと振って、被写体をファインダーで捉えた直後に連写を開始した画だ。指定したAFフレームを狙った被写体に合わせたので、合焦してくれるだろう、という仮定の下にシャッターを切った結果、このような失敗写真になってしまった。ファインダーで合焦したことを確認してからシャッターを切れば、こんなピンの来ていない失敗写真にはならなかっただろう。
ではそうしていたら成功写真になったかといえば、そうでは無いと思う。それではこの被写体はボールを蹴った後で、足元からボールの消えた写真になっていたはずだ。では成功写真にするためにはどうすればよかったかといえば、この被写体の選手をもっと早くファインダーで捉えていて、しっかりピントを合わせられる「タメ」を取りつつ、構図を考えながらシャッターチャンスを待つ余裕があれば、きっと成功写真になっていたと思う。サッカーなどの動体撮影に於いて、早く被写体を捉えるとは、一瞬先を予想する、予想しながらカメラを振るということで、何気なく振ったレンズでは、たとえAFフレームに被写体を合わせたところで、ジャスピンの成功写真とはならないことが多い。撮影者が集中し、動きや構図の変化を予想し、意図し、AFに頼りすぎず、AFに仕事をさせて、確認し、そして成功写真が撮れるのである。
こんな写真が撮れたからといって、カメラやレンズの不具合やAF能力の低さを疑うばかりではなく、撮影者の力量も同様に疑うべきと思う。撮影者の私に言い訳を書かせていただければ、暑さで集中力が一瞬欠如したために、何気なく撮ってしまった、ということだろう。何気なく撮った写真に、満足できるものは少ない、ということの例だ。
機材の名誉のために、この写真の10分後に撮った写真を以下に載せて、この話を終わりにしたい。
ピント 8-2.jpg

上の作例
1D3+EF400mm F2.8 L IS  焦点距離   400mm  絞り優先Av  
F3.5   SS 1/1600   ISO 100   評価測光   露出補正 +1/3   AI SERVO AF  RAW
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ぴんさん

こんばんは
予測し難いサッカーでは、こういうことはあるのでしょうね
私も鳥を撮っていて、同様のことが良くあります
「レリーズ優先」で連写が切れるように設定しているので
ピントが合っていなくても連写されます
やはり、ピントが合ってからシャッターを切ればいいのでしょうが
シャッターチャンスを逃してしまいます
この「予測能力」は経験とその日のモチベーションによるところが大きいのかなと感じます
どんなに機材の性能が高くなっても、我々の技術が試される場面は出てきますね
被写体は、撮っている人がプロかアマかなんて考えませんし^^
でも、そこが挑戦し甲斐のある写真の「面白み」だと私は思うのです
研鑽を重ねて、良い写真を撮っていきたいと思います
by ぴんさん (2008-08-09 20:28) 

ジュニアユース

ぴんさん、コメントありがとうございます。
キヤノンの取説には、AI SERVO AFは動いている被写体にピントを合わせ続ける、と書かれています。これには言葉足らずの面があって、最初にしっかり被写体にピントを合わせないと、その後の動きに追従し続けてくれません。ただこれも原則論で、AFフレームをしっかり被写体に合わせ続ければ、その後にピンが来ることもありますし、逆に最初にピンが来て連写しても、ごく僅かなAFフレームの変動でピンがずれることもあります。こうした状況を、事細かに取説に書くのは、物理的にも責任的にも無理でしょうし、私が現在のAFが100点満点ではない、という所以でもあります。徹底解説などというムック本に、こうした詳細な解説を期待したいところですが、そういった記述はまだ見たことないですね。
おっと、長くなってしまいました。とにかく、何でも機材のせいにしたがる某掲示板の記述に対するアンチテーゼのつもりで書いてみました。ただ、ぴんさんの言われる「面白み」には、至極同意しますね。
by ジュニアユース (2008-08-09 21:02) 

くまおさん

お久しぶりです
某掲示板・・・私も踊らされつつある身としては耳が痛いです(^_^;)
が、一線を越えないように、ひどい時は忠告を発したりしているつもりです

今日の題は丁度気になっていた事なので食いつきました
最近キリッとした作例を見る度に「はぁ・・・」とため息をつく日々です。
動いているモノから止まっているモノまで何か霞が掛かっているような
眠たい画が撮れます(T_T)
絞りを数段絞ってみてもSSを早くして手ぶれを防いでみても
三脚に載せても一貫して眠たいのです
撮像素子に薄墨がかかっているのでは?と思いたくなります

実際に馴染みのカメラ屋さんに撮った画を持って行ったのと、
その場での試し撮りでやはりちょっと眠いかなという感じでした
展示のデモ機と撮り比べもしました
今はお盆時期なので何とも身動きが取れないとの事で休みあけに
メーカーとも相談してみますとの事でした

最近はキリッとした画を撮るにはどうしたらいいかと思い悩む日々です
たとえ機材に問題があったとしてもこの行為は無駄にはならないはず

1.腕のせい? 
2.機材のせい?
3.見る目が肥えた?

3番めがかわってくると更に高等な1番を要求され、
それに応えるように2番も気になるようになり堂々巡りになってしまう
というのが、今の状況かなと思っています

ただ撮っていた時からすると色々考えながら撮影している今の方が
趣味としては楽しいですね
しかし、一期一会のシャッターチャンスを逃した悔しさも人一倍です

カメラの性能を使いこなす・・・
一番手軽に出来る事ですね
意識しながら次の撮影に臨みたいと思います

長々失礼しました
by くまおさん (2008-08-10 07:42) 

cr450

こんんちは~
ピントの話は~奥が深く~みなさんなやんでいるんではないでしょうか。
私も~失敗写真を連発しつつ~思考錯誤の繰り返しです!~
まさに、この記事のとうりだと私も思います~ファインダーでピンを確認してレリーズする!ホントに基本中の基本だと私もおもいます!!!!!
私のmk3は、ファインダー像とピント位置が?だったため調整してもらいました~それからは~快適に自信をもってファインダー像を信用できるようになりました!

っで、ですね~
カメラは写真を写す道具に過ぎません!!
必ず撮れる~魔法の機械ではないですよね~
道具をよく使い~特性を体に~しみこませ~使いこなしが~必要かと~思います。
もうひとつ~
動体撮影では~ファインダーでピンが来てから~レリーズしても~ピンズレになることが多々あります!
それは~目で確認してからレリーズするまでと~レリーズしてから撮影されるまでの~タイムラグから来ます~そうです~被写体は絶えず動いている場合1秒にも満たないコンマ何秒の間でも大きくピント面から動いてしまうのです。
ですので~被写体の動きの推測ができないと~ピントも来ないとおもいます!(ピンが来る~と推測して~レリーズすることも必要なときもあるかと~)
カメラは決められたピントを合わせる動作しかできません。ですので~それを~体で覚えて~カメラがピントを合わせられるようにしてあげることが~撮影者の仕事だと~おもいます。
道具ですから~カメラが壊れていてピンが来ないことも~もちろんあります。
自分の道具ですので~おかしいと思われる時は~遠慮せずにメーカーでみてもらった方が~いいと思います。
(メーカーもよく見ていただいて~よく説明することが~必要かと~思います。)

って、えらそうなこと書いていますが~自分でもまだ~できていません~
失敗写真の連続で~納得のいく写真を撮ったことが~ないのです~
難しいので~思考錯誤や工夫していく面白さがあると思います。


by cr450 (2008-08-10 13:24) 

ジュニアユース

コメントありがとうございます。

くまおさん、こんにちは。
どのようなレンズをお使いなのかわかりませんが、いろんな試写やトライをしてみても、
>撮像素子に薄墨がかかっているのでは?と思いたくなります
ということでしたら、一度メーカーに調整に出すことをお勧めします。私も一度経験があります。ピントの問題では無いと思うのだけど、調整に出したら見違えるようになって帰ってきたことがありましたから(逆に、まったく変わらなかったこともありました)。たとえ有料になったとしても、精神衛生上良いと思いますし。

cr450さん、お久しぶりです。
このピントの件で自分の思いを活字にするのは、本当に苦労しました。動体撮影では、刻一刻と状況が変わっていきますから、それに対処しながら自分なりの好みの画を模索するのが常套でしょう。それを、こういった場合はこう、という断定的な書き方は難しく、長文になってしまいますし。
おっしゃるとおり、ファインダーでピンが来ているのを確認してからシャッターを切るようでは遅い場合もあります。ただそれを予測しながら撮る、私の言う「AFに仕事をさせる」ということをしないと、ヒット率はなかなか上がらないでしょうね。
偉そうなことを書いてますが、私もまだまだ試行錯誤の連続です。この暑さで撮影モチベーションが上がらない時は、被写体追従敏感度を上げると逆効果になることが分かりましたし。

by ジュニアユース (2008-08-10 23:07) 

kotodaddy

こんにちは。
私の場合ブログにカワセミの写真をupさせています。upさせている画像については当然ジャスピンに近いものを選んで載せていますが、その影にはかなりの数のボツ画像があります。実際ボツ画像の方が多かったりしますが(笑)。
最近になっての話ですが、かなり追えていると思ってもピンが来て無かったりするのが気になってきています。カワセミの飛び出す瞬間なんかは、相当精神を集中させていないと、とても追えるものではないんですけども、それでも偶然に数十回に一回、ファインダーの中央でキッチリと追えたと思える時があって、それを見返してみても「?」だったりするんです。一度でいいですから完璧に調整された1Dmk3で試してみたいと思っているんですが、それもなかなか難しいですよね。やはり一度メーカーに持ち込んでみるというのも必要なんでしょうかねぇ・・。
それと一つ伺いたいんですが、「中央より一つ上のフレーム一点を指定」「胸のロゴマークあたり」とありますが、顔の位置にAFフレームを持ってこないのは何か理由があるのでしょうか。
by kotodaddy (2008-08-11 13:20) 

ジュニアユース

kotodaddyさん、こんにちは。
カワセミのように絶対的に小さくて、しかも動きが素早い被写体は、ホント大変でしょうね。集中力と反射神経、それと経験でしょうか。私が鳥撮りができない所以です。それゆえ、うまく決まった時はすごい感動なんでしょうし、AFに対する要求もシビアになるのでしょうね。ゴーヨンも購入されたことだし、不安な点があるようなら、一度キッチリ調整に出すのもよいかもしれませんね。

>顔の位置にAFフレームを持ってこないのは何か理由があるのでしょうか

最近の縦撮りでは、ココを使うことが多いです。理由は最大公約数的に、最も顔付近にピンがくると思われるので。この写真では、もう一つ上のフレームを指定すれば、選手の顔付近に来ると思われます。が、常にファインダー上で、この大きさで被写体を捉えられるわけではありません。単焦点レンズを使っていると、どうしてもファインダー内で選手の大きさが変化しますから、平均的に胸から顔を捉えやすいフレームが、私の場合ココですね。もちろん、作図的に必要なら、試合中に変更もしますが。

by ジュニアユース (2008-08-11 19:36) 

ラグビーママ

いつもの事ではありますが、ピントが来てない~と思いながらも良いシーンが来て、そのままシャッター切って、見てみたらやっぱりピントが来てなくて、あえなくボツった写真は数知れず。
そういう時こそ、良いポーズだったりするんですよね。
私は視力が悪いので、望遠鏡代わりにレンズ覗いてるんですが、この頃はいつ良いシーンが来てもいいように、しょっちゅう半押ししてピントを合わせて、ピピピピ言わせてます。これが良いのか悪いのかわかりませんが・・・。

先日、雨の日の暗い写真でピントが甘かったので、どうかなーと思ったけど、シーン的には面白いと9月号に出してみました。
JYさんは、もう出さないんですか?また見て見たいです。
by ラグビーママ (2008-08-18 21:47) 

ジュニアユース

ラグママさん、お久しぶりです。
そうですよね、良いシーンというのは一瞬ですから、それを逃さないために、集中して合焦させ続けることが大切ですよね。私もそれを心がけています。
雑誌のフォトコンはずいぶんご無沙汰していますね。ご存知かもしれませんが、秋に締切のフォトコンがいろいろ有るので、今は撮りためている状態です。って、今年のキヤノンフォトコンに応募作品を、本日郵送してきました。昨年はよかったのですが、今年はダメでしょうね。ラグママさんもいかがです? 今月末が締切ですよ。

by ジュニアユース (2008-08-18 23:11) 

ラグビーママ

先の写真、佳作に入賞しました♪ダメ元だったんで嬉しい。
私はDCMにしか投稿したこと無いので、他のコンテストは全然しりません。
キヤノンフォトコンの応募要項見て見ましたが、プリントしてからなんですね。
なんでデータじゃダメなんだろう、面倒くさい(^^;;;
とりあえず選ぶのも間に合いそうにない(^^;
今回は見送ります~
JYさん、去年入賞されてますね。今年もどうでしょう。楽しみにしています。
自分、DCMは8枚ぐらい投稿して3枚入賞って割と部率良い?と思ったんですが、よく考えるとその後ろに、とても投稿に及びつかない4万枚ぐらいの没写真があるんだった(^^;
なにか発掘して、他のフォトコンも応募してみようかしらん。
どこか入賞されたら、ココかあそこで教えてくださいね♪

by ラグビーママ (2008-08-23 08:09) 

ジュニアユース

ラグママさん、入選おめでとうございます。これで3度目ですか、もうすっかり常連ですね。雑誌のフォトコンは、その雑誌の傾向とか選者の好みもありますから、いろんなところに出してみて、自分と合うところを見つけるといいですね。それでも、選者が変わったらサッパリ、ということもありましたが。
キヤノンフォトコンは一年に一度ですが、歴史もあって、もっと大規模ですから、挑戦し甲斐がありますよ。賞品も凄いですしね。スポーツ関係のフォトコンは少ないですが、ここにはちゃんと、その部門もありますし。プリントにて応募ですが、これはプリント技術も含めて審査します、という意味です。色の表現などは、データだけでは判断できないこともあるそうですから、そういう応募方法は珍しくないです。
by ジュニアユース (2008-08-23 23:00) 

357

週末の6年最後の試合の写真を見ながら「あ~!これピントさえ合っていれば~!」と天を仰ぐような写真の連発にこのままではイカン、と「聖書」を読み返しに戻ってきました。毎度ながら、奥の深く、しかし分かりやすい文章に感動です!ほんとうにありがとうございます。
by 357 (2011-02-14 21:27) 

ジュニアユース

357さん、こんにちは。
小学年代最後の年というのは、私も経験ありますが、子供も保護者も力が入りますよね。そしてそれを、何とか思い通りの形に残しておきたいという気持ちも、充分ご察しいたします。ウチもそんな画は、貴重な宝となっていますから。お互い頑張りましょう。

by ジュニアユース (2011-02-26 10:01)