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7D ファーストインプレッション その3 [カメラ]

随分、間が空いてしまったようですが、引き続き7Dのインプレを続けていきたいと思います。

注目のAF性能についてだが、結論から先に言うと、1D3と持ち替えてサッカー撮影してみても、条件が良好なら、違和感なく撮れる。ということは、1D3とほぼ同程度のAF能力だと言えるかもしれない。ただ詳細に見ていくと、微妙に違うところも感じられ、1D3を超えている、という思いは、今の私には無い。あくまで私の「感じ」の部分なのだが。

下の作例
7D+EF300mm F2.8 L IS  焦点距離   300mm  シャッター速度優先 ゾーンAF
F3.2   SS 1/1000   ISO 400   評価測光   露出補正 -1/3   AI SERVO AFⅡ  RAW
ファーストインプレ3-1.JPG
AI SERVO AFを中心に、もう少し詳しく見ていくことにする。まず目を引くのは、AFフレームの色だ。1D3では指定したAFフレームは赤く表示され、これで狙った動体を追い続けるのだが、7Dでは黒色になってしまった。これがどうも違和感が拭えない。確かに7Dのカスタムファンクション(C.Fn3-8)の設定如何で、合焦した際に赤く光らせることはできるのだが(赤く光った時にファインダー全体に赤く残光が出るのも不快)、常時フレームを黒から赤に換えることはできない。Kiss DXでもフレーム表示は黒で、合焦した際に赤く光る、という方式なので同じと言えばそうなのだが、動く被写体を追う動体撮影においては、どうも赤の方がやりやすいと私は思うのだが、慣れの問題だろうか。この点を、キヤノンに問い合わせてみたら(お客様相談窓口へメールにて)、以下の様な回答を得た。

AFフレームを黒色とした理由といたしましては、大変恐縮ではございますが、
AFの高速化のための設計上の都合でございます。
また、AFフレームにつきましては、赤色へ変更することができないものとなります。
ご希望に添えぬ回答となり申し訳ございません。

AF高速化のためということは、このたび発表された1D4でも、そうなのだろうか。7Dが採用した「透過型液晶デバイスによるインテリジェントビューファインダー」(これによって、水準器の表示やスクリーンを交換しなくても格子型グリッド表示ができるようになった)の影響もあるのかもしれない。暗部でのターゲット捕捉に優位な、常時の赤表示を、個人的には望みたい。
従来のキヤノンAFには、全AFフレームを使っての自動選択と、1点を指定してのAFに大別される。1D系にはそれに「領域拡大」という機能を付加するかどうかだ。7Dはこれに、「スポット1点AF」と「ゾーンAF」という2つの選択肢が加えられた。スポット1点AFは、従来のAFフレーム1点でもフレームが大きすぎる、といった場合を想定して、AFフレームをもっと狭めて小さい部分でのみピント合わせをするもの。こうした極めて小さい目標物でもAFで撮ろうというためのものらしいが、私はこれはMFで撮るべきもの、という印象が強く、そのためのキヤノンお得意のフルタイムマニュアルフォーカス機能だったのでは、と思ってしまう。ファインダー上で、通常のAFフレームでも大きすぎる、という極めて小さい被写体、これが静物ならまだしも、動体撮影でこのモードを使う自信が私には無い。私はこのAFをセレクトしないだろうし、それゆえこれ以上のコメントは差し控えたい。
ゾーンAFは、考えてみればそれほど高度なものではなく、全AFフレーム(7Dの場合は19個)を使うのではなく、作動するフレームを4~9個に限定する機能。言わば、部分AFフレーム自動選択、だ。自動選択なので、撮影者の意思と反するフレームが使われる場合もあるのだが、反して動体捕捉範囲が広がることによって、捕捉しやすさが向上するメリットもある。たとえば、大変小さいのに動きが素早い被写体などでは、1点指定のAFでは、スキルが無いとなかなか捕捉できなかった。AI SERVO AFでは一度捕捉しないと追従はまず無理なのだから、まず捕捉するという点では、随分やりやすくなるかもしれない。しかし、作動AFフレームを限定したとはいえ、自動選択であることは変わりなく、撮影者の意図しないフレームを使って、意図しないところにピントを合わせる危険性が有ることは事実。被写体を、ある程度の面で捉える、という設計者の意図はよく分かるのだが、それが有用かどうかは、背景の状態や被写体の大きさなどに影響されやすいだろうし、やっぱりこれはケースバイケースで、撮影者自身が判断して選択していく必要があると思う。
ところで、AFモードの選択肢が増えることは好ましいことなのだが、その切り替えに7Dではツーアクション必要なところ(デフォルト設定では)が、とっさの撮影では面倒に思えることがあった。動画撮影ボタンなどの代わりに、ダイレクトにAFモードを切り替えれられるボタンの方が有り難かったのでは、と私などは思ってしまう。ただこれは、カスタマイズ設定などで解決できる問題かもしれないので、今後使い込んだ後に研究してみようと思っている。
ファーストインプレ3-2.JPG
上の作例
7D+EF100-400mm F4.5-5.6 L IS  焦点距離   320mm  シャッター速度優先 ゾーンAF
F6.3   SS 1/1000   ISO 200   評価測光   露出補正 ±0   AI SERVO AFⅡ  RAW

上記の作例は、いづれもゾーンAFで撮影したもの。両方ともノートリミングなのだが、DPPでどのAFフレームが選択されたのか、示したのが下の画像。
ファーストインプレ3-3.JPG
ファーストインプレ3-4.JPG
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こぶ平

こんばんわ。
ぎりぎりまで(実は今でも)中古のMarkIIIか7Dか迷った自分としては
AFの比較は待ちに待っていたところです。
良条件という但し書きがついたとしても、ほぼ同等というのは
なるほど、ちょっと意外な部分ですが
MarkIII超えていないというのは、使っていない自分からしても同感です。
自分の場合は逆説で40Dとの印象からなのですが。
あくまでも精度って点においてです。

あのファインダー全体が発光するのは勘弁して欲しい部分ですね。
特にデフォルトは暗いと自動発光しますので、
全体が赤く光って、ちょうど集中力が落ちてきているとやや目障りで。

絞り込みボタンと(レンズに装備の)AFストップボタン?でしたっけ。
こちらの押しっぱなし状態に任意のAFモードが割り付けられますので
ダイレクトに切り替えるモードに近いかもしれません。

ただ、自分の望遠レンズだと、AFストップボタンはなく
また、望遠レンズ装備の場合、
撮影中に絞り込みボタンを操作するのは
ほぼ不可能でした・・・。
by こぶ平 (2009-10-25 23:45) 

ジュニアユース

こぶ平さん、こんにちは。
あのファインダー全体が赤く光るのは、まあ暗い時なのですが、何だか赤外線撮影しているんじゃないか、って最初思ってしまいました(笑)。
カスタマイズについては、私はまだ全然で、もう少しじっくり使ってから、いろいろ試してみようかな、と思っています。というか、予想より早く1D4が発表されてしまったので、どうもそちらに目が行ってしまい、落ち着いて7Dを使えないんですよね。

by ジュニアユース (2009-10-26 18:22)