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EF100-400は本当にダメか? その2 [カメラ]

下の作例
1D3+EF100-400mm F4.5-5.6 L IS   焦点距離   320mm  絞り優先AE
F6.3   SS 1/400   ISO 320   評価測光   露出補正 +1/3   AI SERVO AF  RAW
EF100-400 2-1.jpg

AF速度、ISの利き具合に関しては、EF100-400の発売開始から11年以上経過している事を考えれば、この間の技術進歩によって、もしリニューアルされれば、この点は確実に良くなると思われる。AF速度はレンズ側の性能だけでなく、ボディとの組み合わせで得られるものだが、そのボディ側の測距技術はデジタルが主流になってから確実に進化していると思われるので、大いに期待できると思う。ISに関しても、キヤノンは年々この性能アップに努めてきたし、最近では「ハイブリットIS」なる新技術も発表(2009年7月)しているので、こちらの点でも性能向上は間違いないであろう。
次モデルでは防塵防滴仕様も期待されている。ズーミングで大きく体積が変わる直進式ズームでは、なかなか難しいのではないか、と思っていたのだが、EF35-350 LISがEF28-300 LISにモデルチェンジされた時に、同様の直進式ズームを採用しながら、防塵防滴仕様にしてきたことを考えると、充分可能だと思われる。ただ、このモデルチェンジで、かなり価格アップされたことがちょっと気になるが。
 ちょっと余談になるが、EF35-350がEF28-300に替わった時、直進式ズームを継承したのは正解だったと思う。こうした高倍率ズームで、一気に画角を変えられるメリットは大きいと思うから。しかし、なぜ焦点距離を広角側にシフトしたのかはちょっと疑問。APS-C機で使うことを重視してのことだろうか。それならば、同じ10倍のズーム比でも、もっと広角寄り(18-200mmなど)にした方が良かったと思える。このレンズのコンセプトが、コンパクト&軽量よりも、Lレンズとしての画質を保ちつつ高倍率を可能にする、ということなら、逆に望遠側に焦点距離をシフトした方が(40-400mmや50-500mm)、ニーズが広がったのでは、と思えてしまう。その後発売されたEF-S18-200のように、1本で済ませられる便利なレンズではなく、三脚座を標準装備するほどの大柄で重いレンズなのだから。
 さて、以上のように考えるなら、もしEF100-400がリニューアルされれば、総合性能で現状を上回ることは確実で、僅かな価格アップなら、充分売れる商品になると思うのだが、それがなかなか出ない。その理由は、勿論メーカー関係者しか知らないことだし、ズブの素人の私では推測するだけだが、
(1)もう既に出来上がっているが、ライバルメーカーの出方待ち
(2)価格アップは避けられないが、それをユーザーに納得させられる性能が未だ得られていない
(3)基本技術は確立されているが、製品としてのコンセプトの迷い
といったところだろうか。
(1)に関しては、ニコンの80-400(これも発売開始から年月の経ったレンズ)がリニューアルされれば、即座に対応できる状態にあるという意味。ソニーから、70-400mm F4-5.6 SSM(定価262,500円)が発売された時(2008年1月)、対抗して出されるかな、とも思ったが、そうはならなかった。やっぱりこうした長焦点レンズのユーザーはニコン・キヤノンユーザーが多いということだろうか。
(2)に関しては、分からない。メーカーのキヤノンには、このレンズのリニューアルを望む声は届いているはずだし、EF70-200のような性能を400mmで実現させて欲しい、というユーザーの希望も理解していると思う。それに対して誰もが納得できる明確な回答(価格も含めて)が、まだなのかもしれない、ということ。
(3)に関しては、直進式ズームを継承するかどうか。直進式と回転式ではメリット・デメリット両方あると思う。先述のソニーは回転式ズームで出してきた。シグマも同様。直進式は現状、数が少なくなりつつあるが、根強いファンがいることも事実だ。どちらの方式を採用するか、私的には注目しているのだが、案外メーカー自身が迷っているのかも。
以上は、あくまで私の勝手な想像にすぎないが、この400mmクラスのズームレンズが、キヤノンレンズ群から無くなることはないと思う。それなら将来、確実にリニューアルされると思われるが、それがいつ、どのようになって登場するのか、興味は尽きないが、現ユーザーとしては懐の痛い話でもあり、なかなか複雑な想いだ。
 さて、リニューアル予想になってしまった話を、元に戻そう。

EF100-400 2-2.jpg
上の作例
1D3+EF100-400mm F4.5-5.6 L IS   焦点距離   310mm  絞り優先AE
F6.3   SS 1/800   ISO 160   評価測光   露出補正 +1/3   AI SERVO AF  RAW
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kotodaddy

飛行機撮影に行くたびに欲しくなるのが100-400です。
やはり1本で400mmまでカバーできるというのは強みですね。
一方で、実際のユーザーの方から「ちょっと眠い」と聞いたのも事実ですが、
この辺が次回の記事で触れられるのでしょうか。
単焦点と同一に語るのはナンセンスだと思いますが、私としてはLの称号を
持つ100-400ですし、やっぱりヌケの良い描写なのではないかと思ってます。

by kotodaddy (2010-02-27 18:53) 

kuni8686

私もこれを愛用している1人なのですが、キヤノン純正で400mm域を使いたいとなると、100-400か456か428か400DOになるわけですが、428や400DOまでは予算が無いとなると、100-400か456となるわけですね。で解像感や抜けの良さはやはり単焦点の456にはかないませんが、100-400はズームの利便性があるわけです。私も456と100-400は両方使用した事がありますが、予算の関係上2つ持てないので、今は100-400を残してあります。予算が許せば456も残しておきたかった。性格の異なるレンズですので。さて100-400はやはり廉価の高倍率ズームに比べたら、やはり「L」でしてテレ端の甘さの度合いが、廉価の高倍率ズームとはハッキリ違います(使えるんです)色ノリも良いし。ただやはり古さは否めないところでして、防滴ではないので雨の日等はボディが1Dでも躊躇してしまいます。
やはりサッカー撮りの究極は428LISですね。
by kuni8686 (2010-02-28 21:42) 

ジュニアユース

コメントありがとうございます。

kotodaddyさん、こんにちは。
kotodaddyさんは、このレンズをお持ちではなかったですか。私はこのレンズを手にして6年になりますが、今手持ちのレンズのなかでは、最も難しいレンズと思っています。まさにLレンズだと思うのですが、そういう画を常に得るには腕が必要なレンズのような気がしています。

kuni8686さん、こんにちは。
私も456と100-400、持ち出す際に、さてどちらにしようかな、と迷うことは有ります。でも大抵は、便利なズームになってしまいます。このレンズ、やっぱりLだと思うのですが、なかなか難しいレンズのような気がしています。なので、kuniさんのように、このレンズで素晴らしい画を撮っておられるかたは、間違いなく凄腕だと思います。

by ジュニアユース (2010-03-01 11:19) 

tm-engineering

こんばんは。
泣いても笑っても、このレンズが今のスポーツ撮影のメインレンズです。最近70-200 2.8Lと併用することで、切れという意味で少し差があるのかなぁ、と感じる事がありますが、それ以上に自分のレベルの低さを痛感しております。70-200に1D2を、100-400に7Dの組み合わせでは、圧倒的に70-200の方が歩留まりがいいですが、同じ100-400の比較では、1D2で得られる歩留まりと7Dとでは差があります。(1D2の方がいい)
800万画素ではごまかせた物が、1800万画素とより望遠になる事でアラが出ている感じです。なので、レンズ云々よりも自分のレベルアップが先です。
とはいいつつ、単玉欲しいです…
by tm-engineering (2010-03-02 19:50) 

ジュニアユース

tm-enginneringさん、こんにちは。
確かに7Dの1800万画素は、アラが目立つことがある、と最近私も感じています。また機会がればこのブログで書きますが、やっぱりスポーツ撮影には1D系が一番のような気がしますね。そして、1D3+単焦点で撮っている私は、随分楽をさせてもらっている、とEF100-400を使うと思います。

by ジュニアユース (2010-03-02 21:56)