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少年サッカーの撮影 その78 [少年サッカーの撮影]

このブログをご覧の皆さんで、サッカーを撮られている方は、下のような画はあまり撮っていないと思います。

サッカー78-1.jpg

先日某掲示板にて、またピントのズレに関する書き込みがあった。そしてその方の撮っている画を見てみると、被写体があまりに小さい。ファインダー上で小さい被写体を狙うとなると、いくらAFフレームを1点に指定したとしても、フレームに対して被写体が小さいので、正確にピントを合わせるのは難しい。ましてや、それが動体となると尚更で、手持ち撮影だと更にそれが加速する。これを以って、機械的なピントのズレがあるのではないか、と推測するのはまず無理であろう。
狙う選手が遠ければ、撮影者と被写体との間に介在する空気量も多い。真冬の澄んだ空気ならば影響は少ないかもしれないか、これから夏にかけては、それは無視できない場合も多くなる(特に照り返しのある人工芝グランドでは)。AFで何とか捉えても、エッジの立ったキリッとした画にはならないことも多い。これを以って、テレ端の画が甘い、と断を下すのは、なかなかレンズにとっては厳しい評価だと思う。
上の写真は中学生サッカーで、タッチライン沿いから向こう側のタッチライン沿いの攻防を撮っているので、おおよそ被写体との距離は70mほどあると思われる。人工芝グランドだが、曇天のおかげで照り返しも少なく、真夏の陽炎のような熱気の影響も無いので、それほど悪い条件ではない。けれど、どの選手を狙って撮っているのか分かりにくく、もちろんこの画をトリミングしたとしても、見栄えがするような画になるとも思えず、結局は使い道が無い画になりがちだ。こういう画(私は「サッカーをやっている風景」と言っている)を撮っていて、カメラやレンズのせいにするのは酷のように思える。
縦横に不規則に動くサッカーの場合、それをしっかり捕捉すること自体が難しいことではあるが、私はこれまで、被写体である選手をなるべく大きく撮ることを、ここで書き続けてきたつもりだ。それはつまり、必要な焦点距離のレンズを用意しなさい、ということでもある。けれど、長焦点距離のレンズは概して高価になるもので、誰もが手にできない場合もあるだろう。それならばいっそ、撮っても無駄になると思われるようなシーン(上の写真のような)は、スッパリ諦める、ということをお勧めしたい。

サッカー78-2.jpg

小学生サッカーならまだしも、中学生以上となると、大人と同じ広さのピッチで試合を行う。こうした状況で、Wズームキットの望遠レンズ(200mm程度)などでは、全てのプレー、全ての選手をキリッ撮るのは難しく、無駄打ちになることが多い。デジタルだから、万が一を期待して撮っておいても良いじゃないか、という反論も出よう。だが、得てして「何でも撮ってやろう」とすると、大事な場面、貴重なチャンスの場面が巡って来た時に、上手く対処できなかったりするものである。
チーム撮りをしている方からは、なるべく出場選手全員をまんべんなく撮りたいので、小さくても押さえておかないといけない場合もある、という反論が出るかもしれない。けれど、「まんべんなく」撮りたいのであれば、まずはそう撮れるポジションを撮影者自身が工夫するのが先決ではないだろうか。だがどうも、そういった工夫や努力をする光景を見ることは少ない。

サッカー78-3.jpg

初心者の方で、まずはWズームキットから、と言われる方は多い。仕事と違い、生活がかかっているわけではない。趣味なのだから、今後どこまで自分が熱中できるか分からないものに、最初から高額な投資が出来ない、という気持ちはよく分かる。実は私も、最初はそうだったから。誰しも無限の予算がある訳ではない。限られた機材の中でサッカー撮影に挑むのなら、まずは全てを撮ろうとせず、撮れるところからしっかり撮る、ということから始められてはいかがだろう。予算が限られるなら、撮る範囲も限る、というわけだ。そして慣れてきたらその範囲を、少しづつ広げていくことをお勧めしたい。長焦点レンズが手に入らないのに、無理に遠くの選手を撮って不満を募らせるより、届く範囲の選手のプレーに集中する撮り方をした方が、よりよい結果がより多く得られると思う。
しかし、言うは易し、これは実は決して楽なことではない。

サッカー78-4.jpg

サッカー78-5.jpg

少年サッカー78-7.jpg


1枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF100-400mm F4.5-5.6 L IS
焦点距離 200mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F5.0 評価測光
露出補正 +1/3  ISO 640  AI SERVO AF  RAW
2枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F5.6 L
焦点距離 400mm 絞り優先AE シャッター速度 1/400 絞り F5.6 評価測光
露出補正 +1/3  ISO 200  AI SERVO AF  RAW
3枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/800 絞り F3.2 評価測光
露出補正 +2/3  ISO 1250  AI SERVO AF  RAW
4枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F3.2 評価測光
露出補正 +1/3  ISO 160  AI SERVO AF  RAW
5枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F4.0 評価測光
露出補正 +1/3  ISO 160  AI SERVO AF  RAW
6枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F4.0 評価測光
露出補正 +-0  ISO 250  AI SERVO AF  RAW

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yasu

大きな大会になると、時々サッカー撮影会場にもプロの写真家が来ていて、そのチームの写真を販売するんですね。まあ、結構な値段で。
まあ、プロは商売でやっているわけですから、なるべく多くの人に買って欲しいと考えるのは自然なことだと思いますが、私的にはこれらの写真のほとんどがNGなんです。
何しろ、一人一人が写っているのはいいんですが、プレー中の写真が写っていない、ボールが入っていなくて、とりあえず一人一人はアップ等で写っているわけですが、私はこれもフィールドに立つ、ユニフォームを着たサッカーの試合の風景写真の範疇に入るととらえています。
・プレー中の躍動感の伝わる写真を撮りたい。
・プレーヤーをなるべく画面いっぱいにとらえたい。
・ボールをなるべく入れたい。
・プレーヤーの表情が分かるような写真を撮りたい。
これらのことはいつも頭の中にありますね。
どうしても選手全員を撮りたい場合、しかも試合が1,2試合しかない場合にはズームも使いますが、単焦点の描写力とレスポンスの良さでで決定的な場面を撮りたいと言う気持ちが、サッカー撮影を重ねるたびに強くなってきました。
今回の話題とは直接関係ないかもしれませんが、ちょっと思うことを書かせていただきました。
後篇も興味深く拝見させていただきます。
by yasu (2010-05-04 00:06) 

ジュニアユース

yasuさん、こんにちは。
小学生のサッカー大会には、結構そういったプロの方が撮りに来ていて、販売していますね。やっぱり小学生だと、親が記念に買うことが多いからでしょうね。高校生サッカーでは、あまり見ませんから。
そんなプロの方の写真は、私は買ったことがほとんどないのですが(一枚数百円します)、なかなか、と思えるものもあれば、え~っ!と思えるのもありますよね。いきなり来て、予備知識無くいろんなチームを撮らなくてはならない大変さも分かりますが、やっぱりプロの方には、我々アマチュアの撮れないような写真を、たくさん撮っていただきたいものです。
by ジュニアユース (2010-05-05 23:26)