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デジタルカメラ [カメラ]


世の中、写真・カメラが流行っている。火をつけたのが携帯電話。過激な競争を繰り広げる携帯電話業界が、付加価値の一つとして、カメラを携帯に付けたのが当った。しかもデジタル。何枚撮ってもランニングコストがかからない。気軽にパチパチ撮って、気に入ったものだけ、残すなりプリントするなりすればいい。パソコンの普及率が高くなった背景もあるだろう。プリントといっても、家のプリンターでできるのだから、これもランニングコストは安い。おまけに、失敗写真でも修整できるし、加工もできる。
フィルム写真しかなかった頃は、一々カメラ店に現像に行かなければならなかった。そして、撮ったものは、失敗作であれ、成功作であれ、全てプリント。加工や調整は自分ではできないし、コストもばかにならない。で、失敗しないように慎重に撮影しなければならない。コンパクトタイプのカメラなら、失敗の可能性は低いが、一眼タイプとなると、操作や設定が多岐にわたり、失敗するんじゃないか、失敗したら無駄になる、コストがかかる、慎重に撮らなきゃ、難しい、となって、一眼は敷居の高いものだった。フィルムも最高で36枚しか撮れなかった(ハーフサイズというのもあったが)ので、撮影枚数を気にしなくてはならなかった。
しかし、デジタルになると、そんな不安は一掃される。その便利さ、気軽さ、コストの安さにみんな気がついた。一眼レフタイプでも、失敗を気にせず撮れるとなると、そう敷居の高いものでもなくなった。更に、メディアの価格がドンドン安くなったことも追い風。フィルム時代はネガの収納場所に困っていた人も多いのではないだろうか(私もその一人)。デジタルならCD-RやDVD-Rにかなりの枚数を保存できる。場所も取らずに、簡単に。
というわけで、デジタルカメラはグングン普及し、今や誰でも持っているものになってしまった。そう、カメラは趣味のものではなく、生活家電になってしまった。だから、カメラは趣味のものではなく、カメラ店でしか買えないのではなく、家電店でも買えるのだ。正月やお盆、旅行など、家族の記念行事や記録を撮っていたお父さんも、1年で100枚くらいしか撮らなかったフィルムカメラを、デジタルカメラに変えただけで、1年で1000枚以上も撮るようになった、とどこかで聞いたことがある。確かに、安くなったとはいえ、デジタルカメラはフィルムカメラより高価。そんな高価なものを買ったのだから「元をとる」という気持ちもあるのかもしれないが(更に高価なパソコンを買っても、元をとってない人が多いのは皮肉かな)。
我が家もフィルムカメラはデジタルカメラに駆逐されてしまった。私も最初はフィルムから始めた(もう30年ほど前だが)。ある程度のブランクがあって(ブランク期間は動画のビデオカメラがメイン)、再度デジタルスティルカメラに戻ってきた一人だ。ウインドウズ95が発売され、パソコンが一部のマニアから一般に普及し、頭打ちになったように、デジタルカメラも、それより勢いよく普及し、次第に頭打ちにになるであろう。
「それにしても」と思う。日本人は写真を撮るのが好きな民族だな、と。何のために写真を撮る? 記録のため、記念のため、今しか撮れないから、後で見たいから・・・。今という瞬間を物にして残し、数分後、数日後、数ヵ月後、数年後の未来に、過去を振り返って、確認したいから、懐かしみたいから、思い出したいから、浸りたいから・・・。日本人はWETな民族なんだ。そして、その道具として、気軽で、便利なデジタルカメラを選ぶことも、実に日本人らしいのかもしれない。


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