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サードパーティ製レンズ [カメラ]


サードパーティ製レンズとは、カメラ本体を作っていないメーカーが、他社製のカメラボディ用に作ったレンズで、代表的にはシグマやタムロンが知られている(シグマはボディも作っているが、他社用レンズがメインなので)。
メーカー純正レンズあるのに、どうしてこういったレンズが存在し、売れて、営利を上げられるのか、それはカメラメーカー純正のレンズより安価で、焦点距離やF値、重量などの面で差別化を図った商品展開をしているから。カメラメーカーとしても、全てのニーズに合致したレンズラインナップを揃えることは、主にコストの面で有利とは言えず、こうした小回りの利くレンズメーカーがそれを補っているのが現状だ。勿論、ソニーのように、タムロンのOEMで補っている場合もあるが。
自分のニーズがはっきりしている場合で、メーカー純正レンズがその要望に合わない場合は、こうしたサードパーティ製レンズは、大変助かる場合もある。同じような仕様でも、だいたい純正レンズより安価だし、その面でも助かる。私も以前、SIGMA APO 100-300mm F4 HSM というレンズを使っていたが、この仕様の純正レンズは無いし、このレンズ自体かなり高性能で満足できる画を得られたので、大変助かった。自分がどの程度熱をあげるか、どの分野へ、どのような被写体を追っていくのか、はっきりしない場合、初期投資を押さえる意味で、安価なサードパーティ製レンズで様子を見る、という選択もありかもしれない。性能も、純正と同等のパフォーマンスを示すレンズもあり、価格を考えると、コストパフォーマンスに優れたレンズも少なくない(もっとも、その逆の「安かろう、悪かろう」レンズもある)。
しかしデメリットもある。ボディとレンズが別々のメーカーだと、不具合が有った場合は調整に苦労することが多い。ボディとレンズ、どちらに原因が有るか分からないと、最悪には罪の擦り付け合いになることも。AFにおけるピントのズレなどが、よく言われるが、自社製品には責任を持って対応できても、他社製品までは調整してくれない。最新のボディと古いレンズの組み合わせだと、マウントできても相互通信がうまくいかず、レンズ側のROM交換が必要なこともある。そう、今のレンズやボディは電子部品の塊なのだ。これが、ボディ・レンズともに同一メーカー品だと、両方をメーカーに送って最適に調整してもらえる。私が現在、キヤノン純正レンズしか使っていない最大の理由は、これである。
レンズを手放す際も、サードパーティ製は、かなり安く買い叩かれる。中古レンズは程度により価格は様々だが、オークション市場では純正レンズが(付属品など完備の状態で)、市販価格(定価ではない)の70~80%で売買されているのに対し(Lレンズの場合は80~90%ということも)、サードパーティ製レンズは、人気があるタイプでも50~70%、人気が無かったり、モデルチェンジ後の旧型だと30~60%ということも。カタログ写真では分かりづらいが、実物を手にとって見ると、やはり純正の方が高級感もあり、造りがしっかりしているのが分かる。その結果が、こうした中古価格に反映してくるのだろう。また、純正に比べてモデルチェンジも早いので(純正レンズは7~10年はモデルチェンジしない)、購入時期を考えないと、すぐ旧型になってしまい、これも中古価格に跳ね返る。そんな手放す時の事を心配してレンズ選びはできない、といわれる方もいるだろうが、趣味の世界である。その時は納得して買っても、隣の芝は青い、の諺もあるように、他人の持ち物がよく思える(自分の腕は棚に上げて)。それに今や、カメラやレンズは一生ものではない。ドンドン進歩開発されていく、精密電子機械なのだ。
こうしたメリット・デメリットをよく踏まえた上で、レンズ選びをすることをお勧めする。確かに、メーカー純正レンズだけじゃ、面白くない世界だし。


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