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少年サッカーの撮影 その1 [少年サッカーの撮影]

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昔から比べて少なくなったと言われる子供たちに、親が掛ける期待は変わらない。いや、少子高齢化が叫ばれて久しい日本では、子供の数が減ったからこそ、注がれる愛情と金銭は増えているのかもしれない。我が家は3人の子に恵まれたが、周りの多くの同級生と同様に、この成長期に何かスポーツでも、というのは極めて自然なことだったのだろう。長男は何時の頃からか既にサッカーをやっていた。それを真似てか、二男もボールを蹴りだした。
そうしたことに無頓着を装っていた私は、それでも練習の送迎や試合のお供に駆り出されることが増えてきた。元よりサッカーは好きな競技だ。あいにく事情により、自分自身はサッカー選手にはなれなかったが、子供の成長記録に、と始めたビデオ撮影は、いつの間にか試合後の反省用になってしまった。そうしてサッカー場を転々として見ていると、子供たちの実に活き活きとした姿が目に映る。家の中でテレビを見て笑っている姿ではない、ゲーム機の画面を真剣に見つめている姿ではない。大空の下、仲間と共に走り、叫び、蹴る。時に、試合に出れない悔しさで拳を握りしめ、時に、勝利の歓喜の輪の中に飛び込む。そして、何とかコレを形にして残したい、コレこそが残すべき成長の記録ではないか、という想いが沸々と湧き上がる。
そんな私の気持ちを、大きく後押ししてくれたのが、デジタル一眼レフカメラの普及だ。フィルム時代に一眼の経験は有ったし、当初はフィルム一眼で撮り始めた。しかし、試合ごとに万札が飛んでいく様は、なかなか苦しい。フィルム用のスキャナーで対処しようとした事もあったが、撮影枚数の多いサッカーでは手間と時間がかかる。何より、途切れることなくプレイが続くサッカーで、フィルムエンドを気にしながら連写することに躊躇するようでは、素人の未熟な腕では当初の目論みは到底果たせない。私が撮りたいのはサッカーチームの集合写真ではない、ユニフォーム姿の愚息ではない、ただ走っている姿ではない。ボールと格闘し、相手選手と競り合い、一瞬見せる歓喜の笑顔やや苦渋の涙、そんな姿・表情なのだ。そんな要求に、未熟な腕とフィルム一眼レフカメラで悶々としていた時、デジタル一眼レフカメラが手の届く価格で登場したのは、たぶんラッキーな事だったのだろう。
しかし、現実はそんなに甘くはない。ある程度の記録メディアを用意すれば、フィルムエンドを気にすることも無い。毎試合後に、カメラ店に現像に行く手間と費用も必要無い。だから望んだような画がドンドン撮れたか、といえば、そうではなかった。もちろん、普及価格といっても現在と比べればまだまだ高価なカメラに投資したのだから、元を取る、という覚悟で挑んだのだが、それにしては結果は思わしくはなかった。設定はどうする? レンズは何が良いのか? 手振れはどう防ぐ? 雨の日は? 何が良い画なのか? 次々と降りかかる落胆と疑問、それでも折れない意志。愚息たちがより高見に上る努力を続けるのと同じように、私も試行錯誤の中にいた2003年だった。
それから丸4年・・・

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我が子のチーム関係者、我が子のチームメイトの保護者の間で、毎試合ごとにサッカー場の片隅でカメラを構える私の姿は当たり前になった頃、私も撮るのが当たり前に感じ、それを苦にしなくなったということは、きっと意気と感じていたからに違いない。サッカーの写真撮影は難解で、動画のビデオカメラで撮っておけば充分じゃないか、という妥協も考えた。でも、あの時愚息が見せた一瞬の表情、あれはベンチに座る指導者も、その後方で応援する保護者達も見えてない、望遠レンズ追っていた私しか見えなかったろう一瞬、アレをどうしても撮って残したかった。それだけの理由でここまでやってきた。トライアンドエラーで積み重ねた山も、少しは高くなってきた。幸い現在は、ブログという書き残し、情報を発信できる術も有る。
そんな訳で、このブログを始めるにあたって、サッカー撮影が私の日常のある程度の部分を占めている以上、このテーマを外すわけにはいかない。これまで私がサッカーを撮ってきて、得たり感じたりしたことを、このカテゴリー「少年サッカーの撮影」でこれから書いて行こうと思う。写真学校で基礎を習ったわけではない素人の私なのだから、偉そうなことを書いても説得力は無いかもしれない。けれど、実は極めて難解だと思うこのサッカー撮影に挑戦して得たものの記録として、そして多くの方がトライしていただく切っ掛けとして、読まれる方の僅かなプラスになれば、それで充分と書き続けていきたい。
「どうやったら撮れますか?」「どのように撮ってますか?」、今となっては尋ねられることも多い。特に決まりがあるわけではないし、プロではないから、クライアントの求める画を撮る必要も無い。自分の好きな選手を、好きなタイミングで、好きな構図で、撮ればいいのだが、そういっては見も蓋も無い。ここでは私なりの撮り方を書いていこうと思うが、それが絶対でも唯一でもない。人それぞれ撮り方はあってよいと思う。ただ、今日の試合は今日しか、今年の大会は今年にしか、撮れない。今しか撮れない写真を、できる限り良い形で残すために、一片のお役にたてればと、書き続けようと思う。

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一番上の写真:フィルム一眼
その他:CANON EOS 10D+SIGMA 100-300mm F4 EX HSM

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