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熱帯魚店の仕入れ その1 [熱帯魚]


私は以前、一時的だが熱帯魚店の共同経営をしたことがある。
もう数年前に閉店してしまった店なので、詳しい経緯は省くが、単なる熱帯魚マニアとしては、ちょっと裏事情を知っていることもある。今回から機会をみて書いていこうと思う。
熱帯魚店は、商品である熱帯魚をどうやって仕入れるか。大きく分けて3つある。一つ目は国内卸業者から仕入れる方法。最も一般的で最も多いケース。近所にそんな卸業者があれば、行って直に見て仕入れてくるが、それができない場合は宅配便などで送ってもらう。今では翌日到着が常識的になってしまったので、それほど珍しくない。また、少しでも安く仕入れるために、全国の卸業者の中から、自分の欲しい魚種で最も安い業者を、インターネットなどで簡単に調べられるようになったのも、この方法が一般化した一因だ。もちろん商取引だから、卸業者と仲良くできれば、多く取引すれば値段も安くしてくれるし、在庫過多品を安く仕入れることもできる。一県一店舗としか取引しない、という卸業者もあるし、月間最低取引額を決めてくる卸業者もある。
二番目は海外の卸業者と直接取引きする方法。熱帯魚は総じて輸入品だ。中間業者を省くことで、同等品を安価で仕入れることができる。この場合はルート開拓も大事だが、開拓したルートを維持することも重要。要は、ある程度の量を定期的に取引しなければならない、ということ。一括仕入れして店舗に分配する、数店舗を持っている大型店などは、こうした仕入れには優位だ。一店舗しかない小型店は、なかなかできる方法ではない。
三番目としては、業者以外から仕入れる方法。自家繁殖や客が不要になった魚の買取である。元々熱帯魚飼育のノウハウや設備は充分なので、繁殖を狙える魚種の場合は、自ら増やして売ることはできる。しかし、マニアと違って損益を考えなければならない。売れるくらいになるまで育てる手間と時間とコストを考えると、仕入れてしまった方が安い、という場合が多い。以前ディスカスがブームになった時は、自家製ディスカスが高値で売買されていたので、この方法もあったが、今のように熱帯魚の単価が全体的に安くなってしまうと、採算が取れない。買取・引取りは、以前からもあったし今でも続いている。大きくなって飼えなくなった、引越しで手放さなくてはならない、飽きてしまった、など理由は様々だが、客から買取ることは、または無料で引き取る、ということは続いている。今では一部の高値で売買される魚種を除いては、無料に近い額での買取が多いのではないだろうか。


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