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安い機材 [カメラ]


安い機材といって、KISS DXを例に出すと、反感を覚える人もいるかもしれないが、ここではご容赦願いたい。
今年の初めにKISS DXを買った。いつものようにサッカー撮影に持ち出してみたのだが、これがダメダメ。ファインダーが見難くて、中学生サッカーでもボールが追えない。AFがスパッと合ってくれないから、待ちが必要。無理にシャッターを切れば、ピンズレ写真のオンパレード。画素数は1D2よりあるが、それだけのことで、3年前に発売された1D2の優位を感じてしまった次第。
そう思うと、これまで自分はカメラの優秀性に頼って撮ってきたのか、とちょっと考えてしまった。弘法は筆を選ばず。技量のある人は、KISS DXでも私が1D2で撮るのと同じように撮れるのか。
そう思うと、ちょっと意地になって、KISS DXでサッカー撮影を続けてみた。で分かったことは、やはり同じようには撮れない。しかし、撮り方を変えることで、KISS DXでも立派にサッカーは撮れる。連写は期待できないから無理に連写せず、1枚1枚を確実に撮っていく。AFは早くないが(あくまで1D2+単焦点と比べて)、ボールや選手の動きを予想しながら、ファインダーでしっかりピントが合ったことを確認してシャッターを切るようにする。そのファインダーは見難いので、AF頼りだが、遠方の被写体はスッパリ諦めて、ファインダーで大きく捉えられる中・近距離の被写体のみに集中する。要は、カメラは写真を撮る道具、道具は工夫次第。
とはいっても、撮り易いのは1D2+大口径単焦点レンズ。それは間違いない。KISS DXで撮れる画は1D2でも撮れる。1D2で撮れる画でKISS DXで撮れない画はある。ではKISS DXはダメかというと、そうではない。工夫次第で試合中のシーンも撮れるし、選手のベンチでの姿などのスナップ的な撮影には重宝するし、サッカー以外での撮影で、そのコンパクトなボディのおかげで、持ち出す機会も多くなっている。今まで80%サッカー撮影だったのが、KISS DXが来てからは、日常のいろんなシーンを切り取ることができて、別の意味で深みにはまりつつある。要は、適材適所。
しかし、そんなことが思えるのも、1D2があって、それを使ってきたからこそ。KISS DXしかなかったら、その欠点のみを見つめ、悩んでいたかもしれない。1D2を使ったから、1D2の良さが分かるようになったから、KISS DXの良さも分かる、KISS DXの欠点を知りつつ使い方を工夫できる、といえば言いすぎだろうか。安い機材は安い理由がある。機能や部材をコストダウンして安い価格を実現している。それを欠点だと言ってしまっては、その機材がかわいそう。でもそれしか持っていないと、「隣の芝は青い」の諺のように、どうしてもマイナス思考になりがち。上位機種を知った上で再度見つめなおすと、なかなかカワイイところも見つけられる。
写真はセンスだ、良い機材を持てば良い写真を撮れる訳ではない。そのとおりだと思う。しかし、プロではない一般人には、最初からそんなセンスや技量が備わっている訳ではない。そのとおりだと思う、と言えるのは、いろんな機材を使ったからではないか。弘法は筆を選ばず。でも、弘法はいろんな筆を使ってきたからこそ、筆を選ばなくてもよくなったのでは・・・
 


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