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熱帯魚店の仕入れ その3 [熱帯魚]

問屋から送られてくる熱帯魚は、どういう形で届くのか、見たことあるだろうか?
電話やFAX、E-mailなどで発注した熱帯魚は、宅配便で翌日届くか、近くの問屋なら営業車で配達してもらう。保温のため発泡スチロールの箱が使われることが多く、冬はその中に簡易カイロが入っていたりする。魚は、中・大型魚の場合は1匹~数匹、小型魚の場合は数百匹が、空気を満たした一つのビニール袋に入ってやってくる(勿論、魚食性の魚は1匹づつ)。そうしたパッキングは、店で魚を買ったときも同じだから、想像できると思うが、違うのはその袋の水。
問屋からやってくる魚は、色の付いた水に入ってやってくる。黄色や水色、薄緑色など、様々である。どうして色が付いているのか。それは薬品などが解かされた水だから。ミネラル類などの魚の体力を回復する薬、病気の発病を押さえる抗生物質や治療薬など。問屋としては、生きた状態で店まで届かなくては、代金を支払ってもらえない。なので、どうしても2~3日は死んでもらっては困るので、こうした処置をしている。問屋でストックしている間でも、死んだら商品にならないので、問屋のストック水槽は、黄色や薄緑の綺麗な色をした水の中で生かされている。
小売店ではもちろん、そんな色の付いた水で飼わないから、問屋からきた水は捨てて、魚のみ自店の水槽に入れる。魚にとって水槽が変わるのは大変な環境変化だ。水温や水の成分も大きく変わるし、そんな薬付けから一般水へ変わるのである。ろくにエサももらっていない魚は、体力の無い小型魚の場合は数日で死んでしまうことも多い。1~2割で済めば良い方。ひどい時は全滅ということもある。比較的体力のある魚でも、病気を発症したり、店の水槽の同居魚に殺されたり、拒食になったり、エサをとれず他界することは多い。
こうした、入荷したての魚は、店の水槽の水がどんなによくても、薬で発病を押さえられているから、自店の水槽に入れたとたん発病することは、よくある。そしてその水槽に前からいた魚にも、当然伝染する。水槽ごと全滅ということは珍しくない。店としては、入荷は避けて通れないが、リスクは高いのである。
 


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