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少年サッカーの撮影 その4 [少年サッカーの撮影]

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まず最初に挙げておきたいのは、しっかりピントの合った画を撮ることだ。凄く当たり前のことだと思うだろうが、実はサッカー撮影では簡単ではない。広いグランド内を動き回るサッカー選手、その動く方向は不規則で一定では無い。その動く速さも一定では無い。動いたり停まったりターンしたり、と一定では無い。つまり撮影者自身と被写体である選手との距離は、1秒以内の短時間の間でも、数センチから数十センチ、数メートルと変化し続ける。その被写体に常にピントを合わせ続けることは、現在の一眼レフタイプのカメラが採用する、優れた位相差検出方式のオートフォーカス(AF)をもってしても簡単ではない。(コンパクトデジカメなどが採用するコントラスト検出式AFでは、更に難しい)
なぜ難しいのか。CANON機で例を挙げれば、AFには2種類用意されている。ONE SHOT AFとAI SERVO AFだ。前者はAF駆動されると測距を開始し、合焦すれば(再測距しなければ)そこでホールドされる。つまりは被写体に対する測距(ピント合わせ)は1度きり。従って、静物撮影などで多く使われる。それに対して後者は、AF駆動している間は測距作業を連続して行うので、被写体が動いて撮影者との距離が常に変わっていく動体撮影に向いている。通常、サッカー撮影では、狙った動く選手に対してピントを合わせ続けてほしいので、後者のAI SERVO AFを使うこととなる。これは直前の被写体の動きを検出しながら一瞬先の合焦点を予想演算する、メーカー独自のアルゴリズムが大きく影響する。しかしそれは、あくまで予想であって、外れることもある。外れたと判断したらまた瞬時に合わせる動作をする。これが1秒以下の極めて短い時間に何回・何十回と繰り返される。ただ、前者のONE SHOT AFは合焦しないと(カメラが合唱したと判断しないと)シャッターが切れないのに対して、後者のAI SERVO AFは、いつでもシャッターが切れる。もちろん連写もできる。ということは、例えば1秒に5コマ撮ったとして、1枚目でジャスピンだとしても、2枚目では僅かにピントを外すこともあり(例えば、選手の肩にピンが来て、顔は僅かにピンずれとか)、3枚目にはまたジャスピン、ということもある。

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また、レンズを振って狙う選手にピントを合わせたつもりでも、実はAFを駆動させるのが早すぎて、背景にピントを合わせてしまい、そのまま連写したらピンずれ写真の量産になってしまった、ということもある。また、狙う選手にしっかりAFフレームを合わせたつもりでも、1枚目ではAF速度が追い付かずピンボケ、3枚目以降になってやっとピントが来たが、その時には既にボールを蹴った後だった、などということもある。AF速度の件はまた別項で述べるとして、AFが一般的になって久しい現在でも、AFは100%完全ではない事は前提の上で撮影を進めるべきだろう。しかしそうは言っても、このAFを利用せずにサッカー撮影するのは、更に難しい。絞って被写界深度を深くして、ONE SHOT AFで撮った方が歩留まりが良い、という人もいるが、選手とボールの動きが遅く小さい小学生サッカーならまだしも、それ以上なら私的には、AI SERVO AFの使い方を工夫した方が効率が良いと思う。

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1枚目:CANON 1D MarkⅡ+EF100-400mm F4.5-5.6 L IS
2枚目:CANON 1D MarkⅡ+EF300mm F2.8 LⅢ+EF1.4xEXTENDER
3枚目:CANON 1D MarkⅡ+EF100-400mm F4.5-5.6 L IS
4&5枚目:CANON 1D MarkⅡ+EF400mm F2.8 LⅡ

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