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熱帯魚店の値付け その3 [熱帯魚]

前回の続きである。ちょっと、値付けの話とは逸れるかもしれないが、ご容赦願いたい。
アフリカンシクリッドにマウスブリーダーが多いことを、知っている人は多いだろう。産卵後、受精卵を口腔内で孵化させ、その後しばらく親魚が口から出したり入れたりしながら、弱い稚魚期の保護育成をする。シクリッドという魚自体が強く丈夫な魚であることもあって、比較的簡単に繁殖を狙える魚種だ。ウチの両親は、私の影響でアーリーから熱帯魚を始めた初心者だが、アーリーの子供を何百匹採っただろうか。勿論、自分では飼えないので、友人知人に配ったものだ。
さて、それは熱帯魚店や養殖業者などにとっては好ましくない。売った魚が購入者の下で増えると、その魚種は売れなくなる。僅かな数なら大勢に影響が無いだろうが、多いと価格の下落を引き起こしかねない。で、なるべくそうならないように、メスは市場に出さないようにしているらしい。誰が? 卸業者ではない。養殖業者らしい。
アーリーは、オスは綺麗なメタリックブルーの体色だが、メスは何ともさえない艶消しグレーである。誰でも一目見ただけで雌雄を判断できる。しかし、幼魚期は体色の差が少なく、区別がしにくい。そこである薬品を投与するらしい。ホルモンを主成分とするらしいが、この薬を飼育水に投与すると、オスは成魚のようなブルーに発色し、メスは発色しない。これで一目瞭然だ。発色したオスのみを選んで、市場に出せばよいのである。残ったメスは、業者の繁殖用にキープされるか、または・・・。
観賞価値のあるのは、色的に綺麗なオスの方。店としてはオスだけで充分商品として成り立つ。メスは色が悪いので、「状態が良くないんじゃないか」と売れ残ったりする。逆にマニアの方々は、オスなど何処ででも手に入るから、メスを探しているほどなのに。
アーリーはそういう方法で、比較的雌雄が分かりやすい魚種だが、難しい魚種もある。たとえばフロントーサ。成魚になれば、額のコブで雌雄が分かるが、幼魚では分かりにくい。このフロントーサは、アフリカンシクリッドの中でも人気があって、高価な魚だ。簡単に子供が採れるのは困る。しかしこれも、市場に出回っているのは、ほとんどオス。では、その見分け方は・・・・。これは分からない。養殖業者のみが知る、シークレット、企業秘密があるのだろう、と思う。
アフリカンシクリッドで、メスを手に入れられたら「ラッキー」と思って、繁殖に挑戦してみよう。
 


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