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少年サッカーの撮影 その15 [少年サッカーの撮影]

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さて、ここまでサッカー撮影の基本的な事を書いてきたつもりだが、ここまでくれば、ちょっとアレンジもしたくなる。
AFフレームは、まずは中央1点を指定して撮ることを書いたが、中央以外のフレームを使って選手の画面配置のバリエーションを工夫することも有効だろう。特に縦で撮る場合、左右よりも上下が長いのだから、中央だと選手の顔にピントを持ってくるのが難しい場合もある。
ちなみにサッカー撮影とは(基本的に)、サッカー選手のプレイ中の写真撮影であり、人物撮影だ。その意味ではポートレートだと言える。その場合、ピントは当然選手の顔を狙うのだが、レンズを振ってAFフレームを選手の顔に合わせることを狙うことは、サッカー撮影の場合は極めて難しい。ファインダー内で選手を大きく捉えることの勧めを書いたが、相手が不規則に動き回る選手だ、その選手の更に顔だけを狙うとなると、難易度は飛躍的に上がり、歩留まりは極端に落ちる。プレイ中のサッカー選手のバストアップの写真、しかも顔にジャスピン、というのは理想であるけれど、それに拘るとフラストレーションが溜る。ここは、選手の上半身、胸あたりにAFフレームを合わせ続けるということを目的とした方が効率的だと思う。

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シャッター速度をある程度以上に上げて撮ることを、まずはお勧めしたが、慣れてくればより低速のシャッター速度でブレを生かした画に挑戦してみることもイイと思う。歩留まりは悪くなるかもしれないが、適度なブレが躍動感を生む。ただし、ブレていればイイ訳ではないことに注意。そこを誤解しないでほしい。
また、斜光の状況などで、逆光での撮影を余儀なくされ、選手の顔が陰で真っ黒、というケースもある。選手の表情が重要だと以前書いたが、その意味ではNG写真だ。しかし、敢えてそんなシーンを撮って、顔ではなく体全体から醸し出す躍動感を狙ってみるのも一手かもしれない。露出を調整して、アンダー目に撮って、シルエット的に撮るということだ。また、後姿だけの写真で、意外にも躍動感を表現できる画があることも。
画面の中にボールを入れることの重要性も書いた。その場合、ボールと選手の配置関係が画の良し悪しに影響するのだが、画にボールが無くても、印象的なシーンもある。喜びを爆発させる笑顔、掲げた拳、泣き崩れる姿、互いに讃え合う握手、など。それら、見る者の感情を揺らすようなシーンはシャッターチャンスに間違いない。ここは同情することなく冷静に、そんなシーンを納めたいところだ。

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我々アマチュアは、趣味でサッカー撮影をしている。結果を求められてはいない。失敗してもよい、とは言わないが、自分の望むように撮ってよい立場だ。プロは目的が有って撮っている。クライアントの求める画を提出しなければならない義務がある。しかし我々には、そんなものは無い。10人のアマチュアには10通りの撮り方が有って当然だと思う。私がここで書いていることは、私の撮り方であり、(最初に書いたように)唯一無二ではない。大いに自分なりの撮り方に挑戦して、失敗しても責を問われない立場を利用すべきだと思う。ましてやデジタルなのだし。
しかし、より多くの経験によって得られるイメージの豊富さ、というものも私は認める。多くの試合で、様々なシチュエーションで、撮ってきた経験が、自らが望むシーンのバリエーションを蓋すことに繋がっている、厳然たる事実も経験している。それはつまり、撮影者自身の「引き出しの多さ」という表現で言われる部分だ。「懐の深さ」かもしれない。趣味というものは、どこまでいっても到達は無いのかもしれないが、プロのサッカー選手になれるかどうかは別として、より強く、上手く、より多くの勝利を望む子達に負けず、我々撮り手もより高見を目指そうではないか。

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1枚目:CANON Kiss DX+EF300mm F2.8 L IS
2枚目:CANON 10D+SIGMA 100-300mm F4 EX HSM
3枚目:CANON 1D MarkⅡ+EF300mm F2.8 LⅢ+EF1.4xEXTENDERⅡ
4枚目:CANON 1D MarkⅡ+EF400mm F2.8 LⅡ
5枚目:CANON 10D+SIGMA 100-300mm F4 EX HSM
6枚目:CANON 1D MarkⅡ+EF400mm F2.8 LⅡ+EF1.4xEXTENDERⅡ

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