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ファースト・タッチ その4 [カメラ]


さて、前日の続き、C.FnⅢ-2(AIサーボ時の被写体追従敏感度)と、C.FnⅢ-4(AIサーボ時の測距点選択特性)の考え方について、現時点の私なりの解釈を書いてみようと思う。
動く被写体を追って、レンズを振っていると、手前に障害物が入ったり横切ったりすることがよくある。それが、小枝だったり、線審だったり、フェンスや電柱だったりするわけだが、従来1D2では、そんな手前を横切る物にピントが持っていかれては困るので、被写体追従敏感度を落とすことで対処していた。
この被写体追従敏感度の調整は、早い⇔遅いの表記なので、早いにするとAF速度が速くなるような気がするが、一概にはそうではない。ピントが合っていない状態から合焦するまでが早くなるわけではない。AI SERVO AFで動体被写体を追っている時は、被写体の動きにあわせてピントを合わせ続けようと、小刻みに演算とレンズ駆動を繰り返している。不意に手前に障害物が入ってくると、急に大きくピントを移動させなければならないが、それを「すぐに反応せよ」とするか「ちょっと待て」とするか、の調整だと思っている。敏感度を落とすことで、この「ちょっと待て」の間を長くし、障害物が通り過ぎる時間を稼ぎ(それでも1秒以下だろうが)、障害物にピントが持っていかれることを防いでいた。(以上は、AI SERVO AFを駆動させている間である。一瞬でも駆動を切り、再合焦すれば話は別)
しかし、今度の1D3では、そんな手前の入ってくる障害物を完全に無視するC.FnⅢ-4が新設された。AI SERVO AFを途切れることなく駆動させ続ける限り、手前に入ってくる障害物は無視し続けてくれるという(まだ実験して検証したわけではないが)。従来の追従敏感度での対処では、手前の障害物が有り続けると、最終的にはその障害物にピントが持っていかれる。これを防ごうとC.FnⅢ-4が新設されたのではないか。
たとえば、枝の上をチョコチョコ移動する小鳥が被写体のシーンを思い浮かべて欲しい。AI SERVO AFで小鳥を追っていると、手前に小枝や木の葉が入ってくる。敏感度を落としていればすぐには障害物にピンは持っていかれないが、小鳥が動かないと次第に障害物にピンが合うようになる。従来では親指AFなどを使って、MFに切り替えたいシーンだ。C.FnⅢ-4で測距連続性優先にしてあると、障害物にピンが持って行かれることなく、小鳥が移動してシャッターチャンスになるまで主被写体を維持してくれる、というわけだ。
これは私の想像だが、従来(1D2)での被写体追従敏感度を落とすことでの対処法は、主被写体が小刻みに不規則に動く場合、主被写体の追従能力に少なからず影響があるのではないだろうか、と思っている。その為、手前に入ってくる障害物に対し、はっきりON-OFFするC.FnⅢ-4を新設したのでは、と疑っている。このC.FnⅢ-4で測距連続性優先にすれば、AI SERVO AFが途切れることなく駆動させ続ける限り、手前に入る障害物は気にしなくても良くなり、被写体追従敏感度が目一杯「早い」にすれば、サッカー撮影では良い結果が出そうだが、さてどうだろうか。

以上は、1D3を手にしてまだ1週間にも満たない状況での話。実験して検証した実例でもない仮定の話だし、メーカーに直接聞いた話でもないので、書くのを躊躇したが、あくまで個人的なブログだし、余談として読んでいただきたい。
それにしても、最近は仕事が忙しくて、カメラを手にする時間が取れない。次に1D3を持ち出せるのは、何時になるのだろう。このことが、今の私の最大の悩みなのだが。
 
上の作例
1D3+EF400mm F2.8 L   焦点距離 400mm
F3.2   SS 1/640   ISO 100   評価測光   露出補正 +-0   AI SERVO AF    JPEG

下の作例
1D3+EF300mm F2.8 L +EF1.4xEXTENDER  焦点距離 420mm
F8.0   SS 1/800   ISO 160   評価測光   露出補正 +-0   AI SERVO AF    JPEG

(今回は2枚とも、ちょっとレタッチしてみました)
  


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