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追従敏感度と測距点選択特性 その3 [カメラ]


 
さて、まだ前回の続きである。
まず、前回の記述で一部間違った点があることを報告したい。前回紹介した写真で、3枚目の写真が「背景にピントが抜けてしまっている」というのは誤り。この一連の写真は、縦位置で中央から一つ上のAFフレーム1点を指定して撮影している。3枚目の写真でいうと、ボールを蹴ろうとしている選手の左手の下、左脇ぐらいのところだ。後側の地面になるが、そこにピントが来ている。つまりは、指定したAFフレームのところに、しっかりピントが来ているというわけで、機械的な不具合とは言えない。領域拡大をしているにも関わらず、被写体追従敏感度を「早い」にすると、これだけシビアだ、ということなのだろう。
さて、1D3になって新設された「測距点選択特性」だが、測距連続性優先にして撮影している。マニュアルによれば、「手前に入った被写体を障害物として無視します」と書かれている。前回紹介した連続写真では、5枚目は確かに手前にゴールポストが入り込んでいるが、ピントは選手に合ったままだ。これだけなら、この機能は充分有効だと言えるが、6枚目には手前の障害物(ゴールポストやネット)にピントを持っていかれてしまっている。機能してないじゃないか、と思うのも分かっていただけるだろうか。
上の写真は、別の日に高校生サッカーを撮ったものだ。3枚ともノートリミング。撮影設定は同じ。AI SERVO AF で、連写モード、被写体追従敏感度は「早い」、縦位置で中央から一つ上のAFフレーム1点を指定、領域拡大をして、測距点選択特性を「測距連続性優先」にしている。見てもらえば分かるように、手前を別の選手が横切っているが、見事にその選手にピントを持っていかれてしまった。こういった、手前を障害物が横切る場合に有効なはずの、新設された「測距点選択特性」なのだが・・・。
こんどは下の写真を見てほしい。これは別の日に高校生サッカーを撮ったものだが、撮影時の設定は同じで、同じくノートリミングだ。選手との距離は違うが、同じようなシーンだ。しかしこの時は、手前を横切る選手にピントを持っていかれてはいない。この時は、測距点選択特性がうまく機能した、ということだろうか。しかし、上の写真と下の写真では1点だけ違う設定がある。それは、被写体追従敏感度が上の写真は5段階のうち一番敏感な「早い」にしてあるが、下の写真では中間の「0」にしてあること。
従来の1D2では、こうした手前を横切る障害物や重なり合う選手に対して、狙ってはいない選手にピンを持っていかれないようにするために、被写体追従敏感度を下げる(「遅い」「やや遅い」にする)という対策で対処してきた。1D3になって、「測距点選択特性」という項目ができたために、ちょっと混乱したが、やはりサッカー撮影では、この敏感度を上げることは得策ではないだろう、というのが現状の私の結論だ。
では、この新設された「AIサーボ時の測距点選択特性」という機能は、無意味で使えないものなのだろうか。
 

 


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