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セカンドインプレッション その4 [カメラ]

前回はピント調整について書いた。1D2の時に、全てのレンズをメーカーでしっかりピント調節してもらったはずなのに、1D3にボディを替えるとバラバラなのには驚いた。ピント調節が微妙なものだということと、ボディが変わることはAFが変わるということ、その影響がこういった結果になったこと、を知らされた。
さてその際に、1本だけ調整に出さなかったレンズがある。それは、EF400mm F2.8 L だ。理由は、大きく重く高価なことで、これを送るとなると、専用に梱包しないと不安だ。それに閉口してしまったことが最大の理由だが、もう一つの理由は、「AFマイクロアジャストメント」を使ってみようと思ったことだ。1D3になって新設されたマイクロアジャストメントは、レンズごとに電気的にピントの調整ができ、それを登録しておくことで、そのレンズを装着すると自動的に補正してくれる機能だ。調整から返ってきたボディに、未調整のヨンニッパを装着してテスト撮影してみると、約20mの距離で数センチの前ピンであることが分かった。実戦で試してみても、同様の結果だったので、このマイクロアジャストメントで調整し、登録してみた。±20ステップで調整できるのだが、1ステップでどのくらい調整されるのか分からないので、調整幅を動かしては試写、また動かしては試写、ということを繰り返して、最終的に+3でジャスピンになった。ちなみに、レンズによって、1ステップでの調整幅も変わるようだから、結局根気よくやってみるしかない。
結果はバッチリ。実戦に持ち出しても、今のところ満足できる結果を残している。この機能があれば、確かにメーカーに送って調整してもらう、という必要は無いのかもしれない。メーカーのSSでの業務煩雑解消にもなるし、デジタルになってピントにシビアになったユーザーにもメリットは大きい。デメリットはコストと、ユーザー側に冷静に、客観的にテスト撮影して、検証できるスキルがあるかどうか、ということだろう。新発売された40Dで、マニュアルも読まずに、またきちんと検証もできずに、初期不良だ、不具合だ、ピンズレだと叫んでいる、メーカーや販売店にクレームを言っている、そんなユーザーを見ると、やはりこのクラスに投入するのは無理だと思うし、混乱を招くだけのような気がする。この機能は1D系のみで充分だと思う。デジタル一眼は、未だ家電製品ではないから。
さて、今回のメーカーに送っての調整で、思わぬ喜びというか、再発見したことは、EF100-400 F4.5-5.6 L ISの見違えるような写りの良さだ。あちこちで、このEF100-400は、AFが遅い、ISの効き具合が一世代前、テレ端の描写がイマイチ眠い、などと言われている。400mmクラスのズームレンズで、これ以上のレンズが無いことも確かで、私も同様の印象を持ちつつも、使い続けてきた。が、今回の調整後の1D3+EF100-400の組み合わせで得られる画は、明らかに以前の私の印象を凌ぐ。もちろん、単焦点にはかなわないけど、ピントの曖昧さが無くなり、開放近くでもしっかり解像した画は、このレンズの存在能力を全てさらけ出してくれているようだ。これが、メーカー調整によるものなのか、1D3のAF能力によるものなのかは、はっきりしない。ただ今後、躊躇なくこのレンズを取り出すことができる、使えるレンズになったことは、私にとって大変うれしいことだ。

下の作例
1D3+EF400mm F2.8 L     焦点距離 400mm
F3.5   SS 1/1000   ISO 200    評価測光   露出補正 + 1/3   AI SERVO AF   JPEG


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