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少年サッカーの撮影 その28 [少年サッカーの撮影]

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この時期、高校サッカー選手権の地方予選が始まっているところも多いと思うが、ウチの地方でも先週から始まった。愚息1号の所属する高校も先日あったので、見に行ってきた。手ぶらで。
今回は写真撮影は無し。理由は、息子から撮影禁止令が出たから。入部して半年の1年生の父兄が、最終学年の3年生の、最後の公式戦に出しゃばって、白いレンズを振り回して目立つのはちょっと困る、ということらしい。私にも反論はできるかもしれないが、息子の立場もよく分かる。で、今回はおとなしく、グランドの片隅で試合観戦に専念することにした。しかし、どうも右手の人差し指がピクピク動く。試合の展開を見ているようで、実はシャッターチャンスを探している自分が、そこにいた。

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ポートレートを撮る人は、モデルとのコミュニケーションが大切だという。それによって、微妙な表情の差が表れるそうだ。表情はモノではない。刻々と変化する心情を表わしているものだから、その通りだと思う。ポートレートでは、撮る方と撮られる方との一対一の関係だが、スポーツ撮影となると、ちょっと違う。撮られる方は、撮られることを目的としていない。撮る方も、観客(父兄)でありながら、周りの多くの観客(父兄)と違った目的を持っている。そういった状況の中で、試合に挑む選手たちの表情を切り撮るためには、それ相応の心配りは必要だろう。
試合の進行やチーム行動の妨げとなるような撮影行為は厳禁である。そんなことは常識、誰でも分かっていることなのだが、夢中になるとつい忘れてしまうような例は、最近は増えてきた。もっと端的な例は、運動会に行けばよく見かける。撮影場所が決められているにもかかわらず、入退場門や生徒席に入り込んでの撮影、後で見ている人を無視した撮影など。そんな親の行為に、実は子供たち(選手たち)は敏感だ。
サッカーを撮っていて、試合中にこっちを見て、ニッコリ笑ってピースサインをする子供を撮りたいわけではないだろう。真摯にボールに向かい、必死のプレーを続ける子供たちの、表情や体全体で表わされる躍動感、屈託の無い喜怒哀楽を撮りたいのではないだろうか。それなら撮影者は、黒子に徹するべきだと思う。妨げとなることは論外。妨げにならなくても、プレー中の選手に、なるべく意識させない撮影者になることを心がけるべきだと思う。確かに、応援している他の父兄とは違った行為をするのだから、目立ってしまうのは避けられないかもしれない。けど、サッカーはチームスポーツ。選手間もそうだが、父兄の間でも良い関係を保つことが、ひいては撮影に影響する。撮影に熱中しすぎて周りを気にしていない人がいる。前に出すぎていないか、後ろの人に迷惑をかけていないか、そういった冷静な態度で挑まないと、自分勝手さが写真に表れる。
どんなに多くのカメラマンがいても、自分のプレーに集中できるのが、一流のアスリートだろうが、少年サッカーでは難しい面もある。ましてカメラマンが自分の親なら、なおさら。主役は、グランド上でボールを相手にプレーする選手たちだということを、まずは前提に撮影に臨もう。そうでないと多分、あなたの望むような画は撮れないと思う。

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1枚目:CANON 1D MarkⅡ+EF300mm F2.8 LⅢ
2&3枚目:CANON 1D MarkⅡ+EF400mm F2.8 LⅡ+EF1.4xEXTENDERⅡ
4枚目:CANON 1D MarkⅡ+EF300mm F2.8 LⅢ+EF1.4xEXTENDERⅡ

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