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紙媒体 その2 [巷の雑感]


 
26年間続いた情報誌「ダカーポ」が休刊されるという。主な原因は、インターネットの普及に伴い、発行部数が半分にまで落ち込んだこと、だそうだ。最近そういった雑誌の休刊・廃刊がよく聞かれる。定額制が当たり前になり、ブロードバンドが普及したインターネットにより、有料の紙媒体は情報源としては苦しい経営を強いられているのかもしれない。
私の寝室、ベットの周りには、いつも読んでいる雑誌がころがっている。時期によって変わるが、それでも常時4~5冊はあって、寝ころんで気ままに見るのが日課のようになっているし、知らず知らずの楽しみの一つにもなっている。毎月買っている雑誌の発行日は覚えているし、その日になればなんの躊躇もなく本屋に行く。朝起きれば、食卓にはいつも新聞が置いてあるし、家内の広告チェックはいつものことだ。こうして考えてみると、紙媒体は昔からいつも身近にあったし、今もある。でもこんなニュースを見ると、確実に減っているのだろう。
もう10年も経てば昔話として語られるかもしれない、と昨日書いたが、10年後に紙媒体が無くなっているのかといえば、そうでもないかもしれない。簡単に書き換えられ、書き加えられるネット情報は、速報性には優れているだろう。紙媒体の情報は、そこに書かれていること以上の情報は得られないが、いつまでも有形の物として残る。そして、無形のネット情報より、そんな有形の情報に価値を見出す私のような人も、10年後にまだいるかもしれない。
インターネットは無料ではない。そんなことは分かっていることだが、どこか意識の隅に追いやられてはいないだろうか。本や雑誌は、得るごとに財布からお金が出ていく。少しでも安く、少しでも節約しようとする意識が、購入の度に起きるかもしれない。定額制が当たり前になったインターネットでは、どうもそんなことを考えてPCの前に座っている人は少ないのではないだろうか。ネットでの企業競争が稀有とまでは言わない。でも、IT関連企業の収益を見ると、どうも消費者のそんな意識の薄さも一因となっているのではないか、と思ってしまう。電子マネーが普及しだしているらしい。有形の紙幣や硬貨に代わって、PCモニターに写る数字で所有額を表すのは、どうも所有感が気薄で、私には合わないようだ。
情報量は限られるが、それでも保存できれば、触って、開いて、懐かしめる、そんな紙媒体の方に温かみを感じるような、私のようなアナログ人間は、少なくなっていくのだろう。こんな話はもう10年も経てば、昔話になってしまうのかもしれないが。


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