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少年サッカーの撮影 その31 [少年サッカーの撮影]

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小学生サッカーだと、15分ハーフとか20分ハーフだが、高校生ともなると試合時間も長く、試合開始当初と試合終了時とでは、大きく光線状況が変わることもある。曇っていたのに晴れてきたり、頭上からの直射だったのが、陽が傾いてきたり。選手の動きを切り撮ることが第一だと思うが、こうした光線状況の変化が試合中にあるのが屋外スポーツ撮影。シャッター速度・絞り・ISOを常に気にしながら撮影に臨まれることは必須だ。
サッカーのように、日中屋外で行われるスポーツの場合、快晴の日差しの強い日は、コントラストが強く付いてしまうことが多いので、その点を考慮してセッティングやポジションを考えよう。何も順光で撮ることが全てではないのだが、逆光だと、ただでさえ日焼けして黒い選手の顔が、真っ黒で誰だか分らない、ということになりがち。そういった趣向の画が欲しいのなら別だが、基本は順光、自分と選手と太陽の位置関係を考えながらポジション取りをしよう。もちろん、午前と午後、前半と後半では撮影ポジションを変えなくてはならない場合もある。
私は撮影にあたって、まずグランド脇に立って自分の影を確認する。曇天などで影が薄い(光のコントラストが付きにくい)場合は、光線方向に対する配慮が、作画に影響する割合は低くなるだろうが、逆の場合は測光モードや露出補正も含めてのセッティングを、試合開始前に煮詰めておきたい。順光でも強烈な西日を浴びた選手は、その鮮やかなユニフォームの影響もあって、意外なオーバーorアンダーになることがある。試合開始後には、選手の動きに集中したいから、試合前にある程度は試写して確認しておきたいところだ。それでも強い逆光状況での撮影を強いられるケースもある。作品撮りなら工夫の余地はあるが、自チーム撮りだと苦しい。こんなとき、レタッチ前提でRAWで撮っておくと、後で助かる場合も多い。上の写真(ノートリミング)がそうだ。

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サッカーグランドは広い。もう一つ考慮すべきは、グランド内で直射日光の当たる場所と、日陰になる場所がある場合だ。上の写真のように、晴天の夕方などでは、グランド上でクッキリ差がつくことがある。サッカーは野球と違って、決まったところを選手やボールが走ってくれる訳ではない。直射日光がガンガン当たる場所でプレーしていたかと思えば、その1秒後には日陰の場所でのプレーになったりする。撮影する側は、レンズを振ればよいことだが、光線状況の変化は大きく、ホワイトバランスはもちろん、シャッター速度や絞りが大きく変わることが予想される。最悪、露出不足でシャッターが切れなくなることもあるかもしれない。ISOを上げて対処したいところだが、途切れないプレーが多いサッカーの場合、オンプレー中に瞬時のISO変更は慣れないと難しい操作。決定的瞬間を取り逃がすことも考えられる。安全策は、日陰でのプレーを考慮して、ISOを予めそれに合わせて上げておくことだが、そうすると日なたでのプレーでは絞りすぎになることは避けられない。

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上の写真は、同じ日に同じ試合で撮った写真(右が14時29分、左が14時33分)。どちらも、1D3+EF300 F2.8 L IS
向かって右は、F2.8  1/1000  ISO250、左は、F4.0  1/1000  ISO100。どちらもシャッター速度優先モードでRAW撮影。

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上の写真
CANON 1D MarkⅡ+EF400mm F2.8 LⅡ
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/800 絞り F5.6 評価測光
露出補正 +2/3  ISO 100  AI SERVO AF  RAW

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少年サッカーの撮影 その30 [少年サッカーの撮影]

サッカー撮影の話からずいぶん時間が経ってしまったようだ。私的な面で、いろんな事が最近あったせいだが、もちろんサッカーは今でも撮り続けている。さて、またサッカー撮影の話題に戻ることにしよう。

静岡県に行くと、本当にうらやましく思う。サッカー人口が多いからだろうか、人々の関心が高いせいだろうか、施設・設備の充実ぶりは他県を大きく上回っていると思う。民間企業であれ、学校であれ、公的機関であれ、その所有者は様々だが、芝生のサッカー専用グランドが至る所で見られる。小学生も中学生も高校生も、レベルの違いはあっても皆、そんな芝の上で思い切ってボールを蹴って、走っている。
我が県ではそんな天然芝のグランドなど、数える程しかなく、それも陸上競技場が殆ど。野球場の方が多いと思う。陸上競技場と併用だと、サッカーで占有できる機会は少ない。最近やっと人工芝グランドが増えつつあるが、青々とした手入れの行き届いた天然芝のグランドにはかなわない。そんな所でサッカーができるなど、少年には夢のような話で、土のグランドか、芝とは思えない草の生えたグランドで、小学生も中学生も高校生も、ボールを蹴って、走っている。
テレビで見るJリーグの試合や日本代表戦では、プロのカメラマンはゴールの左右、コーナー付近に陣取っているのが見られる。プロカメラマンの主たる狙いは、主にはゴールシーン、そしてその前後の選手の動きや表情だろう。その為には最適なポジションと言える。また、試合中は移動することが許されないため(ハーフタイム中は移動できるが)、どうしてもそういった撮影ポジションとなってしまうのだろう。
それに比べて少年サッカーは、多くの試合が学校のグランドで行われているのが現状。一見、プロと同じようなポジションで撮れば、素晴らしい写真が撮れそうな気になるが、そうでもない。サッカーは野球と違って、決まったところを選手が走ってくれる訳ではない。ゴールシーンだけ撮れれば良いのなら、ゴール脇に陣取れば良いだろうが、そんなシーンは一試合中多くはない。我が子を含む自チームを撮るのなら、(これは以前にも書いたが)最適なポジションを求めてドンドン移動して撮影すべきだと思う。実はこれは、アマチュアの試合をアマチュアカメラマンが趣味で撮る、大きな特権だと思っている。そして、移動するのに適しているのは、実は学校のグランドだったりする。陸上競技場などのスタジアムでは、観客としては見易いかもしれないが、撮影する側としてはあまり近づけないし、移動にも立入禁止区域の制限があったりする。学校のグランドは、その点ではルーズなところがあるし、移動しやすく寄れる場合が多い。撮影に夢中になって、選手やチーム、審判、他の観客、大会運営に支障が出るような行為は、厳に慎むのは当然としても、撮影ポジションの随意性は高いと言えるだろう。

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上の写真は、三重県伊賀市上野総合運動公園グランド。女子サッカーLリーグの「伊賀くの一FC」のホームグランドだけあって、綺麗な天然芝だが、ここも陸上トラックがあるので、あまり近づけない。観客席などは見易いのだが、撮影するとなると、1D3+400mmでもキツイ。

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上の写真
CANON 1D MarkⅡ+EF400mm F2.8 LⅡ+EF1.4xEXTENDERⅡ
焦点距離 560mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F4.0 評価測光
露出補正 +2/3  ISO 100  AI SERVO AF  RAW

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もみじ狩り [巷の雑感]


私が小学生の頃の話。連休明けで学校に行くと、もみじ狩りに行ったという友人がいた。もみじ狩りよりリンゴ狩りの方がイイ、いや俺はナシ狩りがイイ、と盛り上がったことがあった。それ以来私は、もみじは食べられるものだと思っていた。
春の桜と同様に秋の紅葉は、多くの日本人の、季節を愛でる心を引きつけている。そしてそれは、特別な場所に行かないと見れないものではなく、日常生活をしている風景の中でも見ることができるところが、人々に季節の移り変わりを知らせる役目にもなっている。我が街の街路樹には銀杏並木が多いのだが、この2,3日で随分黄色くなった。この葉が黄色のじゅうたんになり、そしてそれが無くなると、寒い冬がやってくるのだろう。
紅葉の名所というところも、全国に何か所もあり、それは見事な赤や黄を楽しめるのだが、観光客の多い、ライトアップされた名所より、地元の人しか行かないような、ひっそりとした名所が好きだ。いつもは立ち止まる人もいないそんな処も、「もみじ祭り」というのぼりを立てて、屋台なんか出ていると、何だか観光地化されたようで、ちょっと引いてしまう。秋は澄んだ空気の下、しみじみと味わいたい。
リンゴやナシも良いけれど、もみじもまた満腹になることを、最近になってやっと知った。花火のように瞬時ではないけど、桜や紅葉はうっかりすると、直ぐに居なくなってしまう。そんな長くは続かない、ひと時の美しさに、流れゆく季節を感じられる日本人であることを、嬉しく思う。

1D3+EF24-70mm F2.8 L      焦点距離 24mm
F9.0   SS 1/40   ISO 400    評価測光   露出補正 -1/3   ONE SHOT AF   RAW


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竹中半兵衛 [日々の徒然]


この3連休は好転に恵まれ、絶好の行楽日和だった。で、私はサッカー撮影に全日出動だ。
三日目の今日は、末っ子(小学4年生)の交流試合のために、岐阜県関ヶ原まで行ってきた。正確に言えば、関ヶ原の隣の垂井町にある岩手小学校。主要道路からちょっと入ったところなのに、山がすぐそばまで迫っていて、稲刈りの終わった田畑が一面に広がっているなかにある、小さいながらも立派な小学校だった。
サッカーの試合のために、県内外を問わず、あちこちに行くのだが、試合の合間や待ち時間に、ちょっと辺りを散策すると、珍しいもの、懐かしいものが見つけられて、ミニ旅行気分になることがある。今回も小学校の周りを歩いてみたら、何と小学校のすぐ隣が、あの竹中半兵衛の陣屋跡ということで、資料館や石垣・城門が残されていた。前には立派な銅像も。立て看板には、その生涯が詳しく書かれていた。
ウチの家人に言うと、「誰、それ?」と無知なことを言うが、日本随一の軍師であることは言うまでもない。ここでその偉大な人物像を語ることはしないが、武田信玄の軍師、山本勘助が主人公の大河ドラマ「風林火山」を毎週見ている私としては、書物で慣れ親しんだ人物である。こうした戦国ものの話は、女性には興味無いのかもしれないが、男の子のはその意気揚々とした歴史物語が好まれるようで、私もその一人。学生時代に歴史小説を読みあさった覚えがある。試合開始のホイッスルが鳴るまで、しげしげと見入ってしまった。
関ヶ原といえば、1600年の天下分け目の戦いの行われた場所だし、あたりには旧所・名跡も多いようだ。だが、観光客が団体で訪れる著名な所でもないこうした場所は、探して行かないとなかなか見つからない。こうしたひっそりとした旧跡は、全国至る所に見受けられるのだが、地元の人以外では、そこを探して行く人か、私のように偶然に見つけた人以外は、なかなか訪問客はいないのではないだろうか。そんなこじんまりした旧跡でも、数百年前に確かにそこに居た人に思いを馳せれば、歴史という時の流れを感じられる。たぶんこの方が生きていた時も、あの山もこの川も有っただろうし、形は違えど田畑もこの様にあったのだろう、と。初冬の静かな山間の場所だからこそ、観光客で賑わう場所でないからこそ、いっそうその趣は深い。
秀吉が三顧の礼をもって招いた、名軍師・竹中半兵衛はさて、今の世をどう見ているのだろうか。


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セキュリティソフト [パソコン]


インターネットに接続するPCには必須となってしまったセキュリティソフト。使っていない人は、ほとんどいないだろう。幸い私は今まで、ウィルスの類に感染したことはないのだが、あちこちの友人や本・雑誌の知識、店の店長の勧めもあって、ウィルス対策ソフトはずっと使い続けている。
今PCを買うと、ほとんどのPCに体験版や期間限定版のセキュリティソフトが最初から付いている。その期限が切れそうになると、しつこく、ホントにしつこく、「更新しろ」とアナウンスされる。誰でも無料のうちは、そのソフトを使ってしまう。そして、慣れたころに「更新しろ、有料だけど」と言われると、他のソフトに乗り換えるのも面倒なので、ついつい有料の延長キーなどを購入して、使い続けてしまう。まあそれ自体悪いことでもないし、使用期間を限定して無料で配布するソフト会社の狙いはそこにあるのは分かっているのだが、どんなソフトも使ってみて、慣れないと使いづらいのも事実。それはこのセキュリティソフトも同様で、慣れたものは使いやすい(というか分かりやすい)。もう一つ、この種のソフトは数種出ているが、どれも決定的な違いが見出せないのも、とりあえず慣れたもので済ましてしまう要因かもしれない。
もちろん厳密に比べれば、それらのソフトには違いがあるのだろうが、本来のセキュリティソフトというやつは、黒子に徹して、目立たないところでしっかり仕事をしていてくれて、いざという時に瞬時に働いてくれれば良いもので、目立ってしまうとかえって邪魔なように感じる類のものだ。今出ているメジャーな数種のソフトを、私も比べてみたのだが、本来はバックグラウンドで動くソフトであるため、その差があまり分からなかった。
数年前からS社のノートンをずっと使ってきたのだが(それも最初からPCに入っていたので)、毎年延長していると、「もうこれ以上は延長できません。新規の購入してください」と言われた。しかたなく、他社の最新のパッケージ版を購入して、前のノートンをアンインストールしようとしたが、できない。HPで調べたりしたが分らないので、メーカーに電話で問い合わせて、ある削除ソフトを導入して、やっとアンインストールできた次第。どうしても自分の社のソフトを使い続けさせたいのか、そのやり口にちょっと憤慨して、一気にその社のソフトが嫌いになってしまった。
最近では、1本のソフト購入で、2~3台のPCに使えるものや、1~3年使えるものが出ている。我が家のように、複数台のPCが常時動いている環境では有難い。こうしたものが見られるようになったというのは、一家に一台から一家に数台になってきた証拠だろう。
我が家は現在4台のPCが稼働中。4台まで入れられるセキュリティソフトって、無いんだよね。どこか出してくれないかなあ。


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マイ・レンズ その12 EF400mm F5.6 L [カメラ]


3年半ほど前にもこのレンズを中古で購入した。その時には既に、EF100-400を持っていたのだが、可変焦点距離のズームレンズの利便性を捨ててまでも、画質にこだわった単焦点レンズの画を見てみたかった。思えば、私が最初に手にした単焦点レンズがこれだった。
その後、サンニッパ・ヨンニッパへと深みにはまっていくにつれ、このレンズの出番が激減し、使わないレンズは手元に置かない主義の私は、オークションで手放してしまった。しかし今回、このレンズがまた気になりだし、同じくオークションで中古を手に入れてしまった次第。以前持っていたものとは、製造年がかなり違い、今回のものは新しい。このレンズ、1993年5月発売だから、もう14年以上も製造され続けているが、今回手に入れたものは、以前持っていたものと比べ、印象が良い。デジタル対応コーティングが施された、という噂もあるが、定かではない。
EF100-400のテレ端と比べると、明らかに描写力は上。隅々までしっかり解像してくれるし、Lレンズとしての色のりも持っている。反面、F5.6という明るさのせいか、ボケはあまり期待できない。まあ、サンニッパやヨンニッパと比べることは酷だ。その分、安価で軽量で取り廻ししやすい。AFは、もちろんUSMで無音に近く、EF100-400に比べれば早く、さすが単焦点だが、動体撮影においてその差は驚くほどでもない。付属のフードはスライド式で、引っぱるだけなので面倒がなくて良い。鏡胴は太くはないのだが、長さがあるので、収納する際はバックの大きさを考慮しないと入らない。比較的軽量なので手持ち撮影で使えそうだが、ISが無いので、この焦点距離だと一脚を使いたくなる。三脚座が標準装備なのはそのためだろう。
さて、EF100-400を持っている人にとって、このレンズを追加するメリットは何だろう。利便性を犠牲にして得られた性能向上は、確実に有るが大きくはないと思う。例えば、EF100-400とEF400 F2.8Lの併用は、充分理解できるし、私自身がその恩恵を身にしみて感じている。しかし、EF100-400とこのレンズではどうだろう。思い切ってサンニッパ・ヨンニッパに行った方が良いように思える。ではこのレンズの存在価値は無いのかといえば、そうでもない。EF100-400を持っていても、テレ端しか使わないようなら、いっそこのレンズの方が、得られる画は確実に上だ。そんなズームの利便性がそれほどメリットとならないケース、例えば被写体が遠く、ディテイル描写力が重要で、AFの速さが欲しい、そんな鳥撮りなどでは、存在意義が上がってくるのではないか(私の購入理由も、実はそこにあるのだが)。ただ、比較的軽量な点を生かして、手持ちで振り回すには、ISが無い。シャッター速度に気を付けて使いたいので、簡単にISOを上げられるデジタルでは面白い存在になるかもしれない。
汎用性としては、EF300 F4 L ISの方が上だろう。必要とあればそれに1.4倍テレコンを追加すれば、このレンズの代役を務められるかもしれない。そういう意味では、たしかにニッチな需要なのかもしれない。F5.6がF4.0になればもっと魅力的になるのだが、そうなれば価格は倍以上に上がり、大きく重くなり、レンズのキャラは変わってしまうだろう。モデルチェンジしてISが付くだけで、かなり存在価値が上がるだろうが、それでも需要が飛躍的に上がるとも思えない。ズームレンズ全盛の今では、このレンズの前途は決して明るいとは言えないが、それでもこうしたレンズをカタログに残しておいて、キヤノンの懐の広さを示して欲しい、と切に願っている。

下の作例
1D3+EF400mm F5.6 L      焦点距離 400mm
F6.3   SS 1/1600   ISO 400    評価測光   露出補正 +-0   AI SERVO AF   RAW


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