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区切り [巷の雑感]


今日が終われば、明日は必ずやってくる。日が昇れば、必ず日は沈む。時の流れは留まることなく、そして速くなることも、遅くなることも無く、そしてそれは万民みな同じ。
今日は大晦日、そして明日は元旦。大晦日から元旦への変化は、今までと同じように、僅か一日の違いでしかないのだが、誰が決めたのか、一年の区切りをここに定めたので、この一日の変化が大きな意味を持つようになった。多くの人が、「今年中にやっておこう」と街へ出かけたり、家の中でせわしなく動き回ったりしている。そして明日になれば、「今年こそ」と想いを走らせる。
それでも我々サービス業に従事する者たちは、いつもと同じように、仕事をしながら一日が過ぎていく。いや、いつもと同じではなく、いつも以上に煩雑な仕事のなかで、一年の終わりと始まりを過ごしている。特に感慨をいだく余裕もなく、希望を胸に抱く暇もなく。
一年の節目に、除夜の鐘が鳴る。煩悩多かった今年の行いを振り返り、新年に向って新たな気持ちで臨みなさい、ということだろう。誰が決めたのか分からないが、一年の区切りの意味は、そういうことなのかもしれない、と思う。カウントダウンパーティより除夜の鐘の方に、思いを巡らせてしまうところが、煩悩多き私らしい。
昨日から今日へとまったく同じように、今日から明日へと時は流れる。その間に、区切りを入れたのは人間の所作なのだが、その意義は人それぞれ。職場で、家庭で、街角で、清々しく「あけましておめでとう」と言えるように、今年に区切りをつけたいと思う。
反省すべき一日、大晦日。みなさんに良い年が来ますように。


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