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400mm その4 [カメラ]


さて、EF100-400を使ってサッカーを撮り始めた後に注目したのは、その後2004年に発表された、ニコンAF-S VR 200-400 F4G の存在。これならサッカー撮影にかなりの威力を発揮できるのではないか、と。ニコン機にしておけばよかったかな、と。現物を見たことも触ったこともないのだが、評判から察するに、400mmの撮れるズームレンズとしては、現在最強だと思われる。しかし、その価格(実売80万円ほど)を考えると、おいそれと手を出せるわけでもなく、その予算が出せるなら単焦点+ズームの方が良いという結論に、私は達してしまった。で、EF400 F5.6L、EF300 F2.8 L(旧型を中古購入)、EF400 F2.8L(旧型を中古購入)、EF300 F2.8 L ISに買い替え、と、単焦点レンズは変遷して今に至っているが、やはりズームレンズの利便性は手放せないので、EF100-400はその間ずっと持ち続けているし、今でも現役だ。使う使わないはその時次第だが、撮影には常に持ち出している。
単焦点レンズとズームレンズを同軸上で比較するのは、間違っていると思っている。可変焦点距離の利便性を得るために、ズームレンズが失ったものもあるからだ。だがここで、あえて言及すると、EF100-400の400mm域と、EF400 F5.6Lの画では、後者のほうが緻密でキレが良く、AFも早い。ただし、F値が同じだけあって、ボケは同じようだ。EF100-400でAI SERVOで動体撮影の場合、決まればキリッとした画が得られるが、微妙にピンズレしたような眠い画になることがあって、シビアに見るとヒット率は高くはない。その点、EF400 F5.6Lは、ピンさえくれば、この曖昧さは無く、ヒット率は高い。これがEF400 F2.8Lになると、全ての項目で、一段階以上アップする。30m以上離れた選手の髪の毛の描写までキリッと描き、AFはこれ以上無いストレスフリー。ボケは被写体を美しく浮かび上がらせ、F2.8の明るさはAF精度向上に役立ちながら、光量変化に対応してくれる。ただ、何と言っても大きく、重い。撮影モチベーションが高くないと、サンニッパ+1.4倍でいいか、と弱音が出てしまう。
そう、EF300 F2.8 L IS+EF1.4xEXTENDERも、400mmが撮れる組み合わせだ。元のマスターレンズが名玉と言われるほど性能なので、1.4倍テレコンを組み合わせたとしても、EF400 F5.6L以上の画を見せてくれる。
こうして400mmをいろいろ見てみると、値段・重量・描写の序列はどれも、同じ曲線を描くように思えてならない。このクラスでは。


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400mm その3 [カメラ]


前回リストアップした400mmが撮れるレンズは、全てフルサイズセンサー用で、APS-Cセンサー専用のレンズが一つも無い。ちなみに、300mmに目を移しても、APS-Cセンサー専用は無い(キヤノン用で)。APS-C専用とすることの目的は、センサーサイズの小型化に合わせて、小型化・軽量化・低価格化だろうが、元々大柄なボディのこうした望遠系レンズでは、大した効果が期待できないことと、常に持ち出して常用する人が少ないことが、その理由なのだろう。それより、両方のセンサーに対応して、販売数を稼ぐということの理由だろうか。
望遠レンズは動体撮影に使われることが多い、と書いたが、この場合は超音波モーター(USMやHSM)を使用したレンズが優位であることは間違いないだろう。しかし、400mmでは意外と少ない。最近では、通常モーターのレンズでも、かなりストレス無く動体撮影できるものも出てきているが、大きなレンズを動かす、こうした超望遠系レンズでの動体撮影では、USMやHSM仕様を選ぶのが良いと思う。反して、ISやOSなどの手ぶれ補正機能は使用条件による。概してこうしたレンズは大型で重く、長時間の撮影を手持ちでこなすのは辛いものがある。一脚や三脚を使うことが前提なら、手ぶれ補正機能が絶対の条件にはならないと思うからだ。
私がちょうど4年前に、全ての機材を売却して、一から始めた時、手持ち機材が無いのだから、どのメーカーを選んでもよかった。しかし、結局キヤノンに戻ってきたわけだが、その理由の一つにEF100-400の存在がある。300mmでは足らないことが分かっていたので、どうしても400mmのズームレンズが必要だった。しかも、不規則な動きをするサッカー撮影では、上記の理由で超音波モーターが欲しい。となると、選択肢は2つしかない。EF100-400 USM か、SIGMA50-500 HSM か。それまでピンズレに苦慮していたこと、長く使いたいことを考えると、サードパーティ製レンズは今回はパスしたい。前者を選ぶのは必然と思えた。
このEF100-400の印象は、以前にも書いたことがあるが、シグマレンズを使っていた身としては、Lレンズのコッテリした色のりは新鮮だった。直進式ズームは慣れを必要としたし、AFは思ったより早くはない。焦点距離が長くなるほど難しくなるAF性能(特にズームレンズ)は、300mmから400mmになってもさほど低下を感じなかったこと、300mmと同じような感覚で使えたことは、実質的には性能が上がっているのだろう。もちろん、更なる向上は欲しいのだが、自作できない以上、無いものねだりはできない。


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スキャナー [パソコン]


昨年末、スキャナーが壊れた。EPSON GT-9300UF という機種で、2003年に買った2台目。もう5年近く使っているので、仕方ないか、とも思うのだが、使用頻度を考えると、ちょっと惜しいかな。
昔は、撮り溜めた写真やフィルムをデジタルデータ化しようと、せっせとスキャンしたものだが、デジタルカメラになってからは、そんな用途も無くなってしまった。それでも紙媒体をPCに取り込んだり、デジタル省スペース化を図るのに使っていて、使用頻度はさほどでもなくても使い続けていて、無いとなるとちょっと困る。
私が最初に買ったスキャナーは、機種名はもう忘れてしまったが、10年くらい前。それ以来、性能、つまりは読み取り解像度はドンドン上がってきた。確かに、フィルムスキャンでは、高解像度で読み取ることは意味があったが、それをしないとなると、そんなに高解像度で読み取る能力が必要あるのだろうか、とちょっと疑問に思ってしまう。紙媒体なんかは300dpiもあれば充分ではないか。写真にしても500dpiで充分ではないか、と思ってしまう。高解像度で取れば緻密で綺麗か、といえばそうとも限らず、元々の粗さが目立ったり、紙質の凹凸が影響したりで、良い事ばかりとは限らない。第一、データが大きくなって、それにつれて高画質なら納得だが、そうでないなら意味が無いように思えてしまう。
今後フィルムなどの高解像度で読み取る必要なものが現れない限り、安価な機種でも、現在のスキャナーは性能的には充分だと思う。大体読み取る対象である紙媒体、紙情報だって、今後は少なくなることはあっても、多くなることはあるまい。
そういう意味では、スキャナーの未来は明るいとは言えないが、それでも、使用頻度が少なくても、必要なことが、現在はある。ただ、特に上部にスペースの要るスキャナーは、結構置き場所をとる。収納場所に困ることがあるし、縦置きにして上手く収めたとしても、使う時になって場所を探すようでは、使用が面倒になる。そこで考えられたのが、プリンターとの合体だろう。元々、上部にスペースのあるプリンターと合体させることで、収納・使用時の場所を確保できる。また、プリンターと一体なら、コピー機として簡単に機能できる。誰が考えたか知らないが、名案だと思うし、実際この手の機種が売れているのも納得だ。ただ、単体スキャナーは、近い将来無くなるかもしれない。
そういうわけで、私も壊れたスキャナーを直すこともなく、賞品で貰った複合機(キヤノンMP-970)を便利に使っている。壊れたスキャナーは、破棄予定で物置の中だが、未だに捨てられないでいる。


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400mm その2 [カメラ]


さて、300mmを超えると次は400mm。センサーサイズの違いは別として、焦点距離400mmで撮れるレンズ(キヤノン用)を挙げてみると、現在発売中では以下のようなレンズだ。
 
  ・CANON EF100-400mm F4.5-5.6 L IS USM
  ・CANON EF400mm F5.6 L USM
  ・CANON EF400mm F2.8 L IS USM
  ・CANON EF400mm F4 DO IS USM
  ・SIGMA APO 80-400mm F4.5-5.6 EX DG OS
  ・SIGMA APO 135-400mm F4.5-5.6 DG
  ・SIGMA APO 170-500mm F5-6.3 DG
  ・SIGMA APO 50-500mm F4-6.3 EX DG HSM
  ・SIGMA APO 300-800mm F5.6 EX DG HSM
  ・TAMRON SP AF200-500mm F5-6.3 Di
  ・Tokina AT-X 80-400mm F4.5-5.6 D
 
こうして挙げてみると、意外と多いようであるが、注目はその価格と発売時期だ。
価格差がかなり大きい。定価でみて最安値は、SIGMA APO 135-400mmの78000円、最高値はCANON EF400mm F2.8の1140000円。15倍近い、100万円以上の価格差だ。購入する場合は、現実問題として予算に限りがあるから、モデル数が多くても価格の幅が広いと、おのずと選択肢は少なくなる。400mmが欲しいと思ってカタログを探しても、価格を考えるとあまり選べないのが現状だ。
発売開始時は、サードパーティ製レンズのデジタル対応コーティングの変更を除けば、最も新しいモデルは、TAMRON SP AF200-500mm F5-6.3 Di(2004年7月発売)。逆に最も古いモデルは、15年前の1993年5月発売のCANON EF400mm F5.6 L(公表されていない変更は無視して)。比較的ライフサイクルの長いモデルが多いことに気付く。フィルムからデジタルへ、記録フォーマットの大きな変化は、やはりそれ用にアレンジされたものが好ましい。現在の上記のレンズ、現在発売中のレンズで、デジタル対応を謳っていないレンズは無いが、中古レンズを考えている場合は、なるべく現行製品をお勧めしたいところ。順光での撮影では、さほど差が無くても、逆光での耐性に差が出る場合がある。先日、旧ヨンニッパで強い逆光でサッカー撮影を強いられたことがあったが、強烈なフレアーで、撮影を断念した。現行ヨンニッパでは、そんなフレアーが出ないか、といえば、そんなことはないだろうが、以前に旧サンニッパと現行ISサンニッパを撮り比べた時、点光源や逆光状態でパープルフリンジの出方に差があったことを考えると、このデジタル対応コーティングというのも、条件によっては効果があると思うからだ。


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400mm その1 [カメラ]


一眼レフ用交換レンズ、焦点距離300mmまでは結構豊富にラインナップされている。しかし、それを超えると極端に玉数が少なくなる。需要が少ないからだろうか。
デジタル一眼レフが好評で、普及し、その多くがAPS-Cサイズセンサーを使っている。フィルム換算で1.5倍や1.6倍になるので、交換レンズはどちらかと言えば広角よりのレンズに、メーカーは力を注いでいるように見受けられる。まあ、17mmや18mmはAPS-Cでは25mmや28mmになるので、実質広角とは言えず標準域なので、使用頻度も高く、その焦点距離域を重視するのは当然と言えばそうだが。
振り返って、望遠よりのレンズには新顔が少ないように思う。APS-Cでは、200mmもあれば、実質300mm以上だから現在のレンズラインナップで充分ということだろうか。更に300mmを超えるレンズというのは、実質480mm以上になり、極端に需要が少なくなるので、新レンズ投入が難しいということだろうか。ただその点では、ちょっと疑問を感じざるを得ない。
フィルムからデジタルになって、撮影枚数を気にせず撮れるようになった。コストを気にせず連写できるようになった。だから、今まで躊躇していた被写体や撮影シーンに挑戦する人たちも増えているような気がする。具体的には、スポーツ、飛行機、モータースポーツ、鳥などだ。こうした、近寄れない被写体、動く被写体の場合、連写しても全てが使える写真とならないこともあって、フィルムの場合はコストや撮影枚数を気にして、どうもシャッターを切ることに慎重になってしまいがちだった。それがデジタルになって、かなり解消され、気軽にこの分野に入れるようになったのではないだろうか。某掲示板などを散見するに、フィルム時代より確実に、こうした長焦点分野に挑戦する人たちが増えているように思われる。
ただ、PCで簡単に等倍観賞できるようになると、ブレやピント精度、描写力に厳しい眼を向けるようになる。動体撮影が多いこの望遠分野では、ボディ側のAF性能もさることながら、レンズ側にも高い性能を要求され、意外とフィルム時代では見過ごされてきた部分が、デジタルで顕著な欠点になることも少なくないように思う。それゆえ、リニューアルやモデルチェンジによって、更なる描写力の向上を目指して欲しいのだが、未だどのメーカーも後回しにされている印象がある。それでも、300mmまではまだまし、それを超える焦点域での新モデルというのは、最近では聞いたことがない。確かに、ニコンがVRロクヨンなどを新発売するとアナウンスしたが、これはフルサイズセンサーのFXフォーマットの普及の影響が大きいからかもしれない。


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初詣 [日々の徒然]


ちょっと遅いかもしれないが、きょう初詣に行ってきた。商売の神さまとして名高い、京都の伏見稲荷神社へ。
ここへ初詣に行くようになって、もう何年になるだろうか。私が中学生くらいの頃には、既に行っていたから、30年以上も毎年通っていることになるだろうか。いや、東京に居た時は、行かなかった年もあるから、毎年必ずというわけではないが、ここ20年は毎年行っている。商いを生業としていいる人たちの参拝者が多いので有名なのだが、毎年参拝者数の上位にランキングされる神社だから、有名でもある。そのため、正月三が日は大変混み合う。最初は、元旦の日に必ず行っていたのだが、その混雑ぶりに閉口するようになって、三が日中に行けばいいか、とか、節分までに行けばいいか、と、次第にルーズになってきてた。最近は、子供たちの予定が取りにくくなって、家族全員をブッキングすることが困難なので、何時とは決めず、家族全員で行けるその年の最初の日、というのが通例になってしまった。今年のそれが、今日だった。
伏見稲荷には、裏山に登る参道があることを知っている人も多いと思う。朱の鳥居が数え切れないほど並べられた細い参道なのだが、旅行のパンフレットなどにもよく出てくるので、ご存じの方も多いだろう。普段はひっそりとした裏山も、この時期は多くの参拝者で、この裏山の参道も埋め尽くす。我が家は毎年、七百段以上の階段を上って、この裏山の頂上まで行くのだが、なかなか体力的に大変になってきた。昔、私が学生だった頃は、ここぞとばかりに、他の参拝者を追い抜いて、汗もかかず一気に頂上まで行ったものだが、だんだん足取りがゆっくりになり、吐く息も荒くなった。昔、子供たちが小さい時は、背負ったり、手を引いたりして上ったものだが、今ではその子供たちは、私たち夫婦を置いて、スタコラ上っていく。昔の自分のように。
振り返って考えると、この階段は、そういう意味かもしれない、とも思う。毎年登ることで、次第に落ちていく体力、老いていく自分を、客観的に知らしめること。去年と同じように登れた、去年よりもきつくなった、去年よりも休憩が一回多くなった、そんなことを振り返って、今年は少しは運動しよう、今年は少しは肥満に気をつけよう、今年は少しは健康に気つけよう、と思う。こんなことを思うようになったのは、まだ最近のことなのだが、スタコラ上っていた頃はまったく考えもしなかったので、年をとったものだと思う。
一年に一度、しかも年頭に、こうしてしっかり体力チェックをやらされて、最後まで登り切ると、そこには清々しい京都の街並みが一望できる。既に到着して、私を待っていた子供たちは、「お父さん、遅いぞ」と言う。この子たちとこうして一緒に、もう少しこの風景を見られるように、さて今年も頑張りましょうか。

皆さんのご家庭も、今年も福を招きますように。


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