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富士山 [日々の徒然]

私が東京に住んでいた頃、新幹線で田舎に帰る時、静岡県を通ると必ず「今日は富士山が綺麗に見えるだろうか」と車窓を眺めていたものだった。車で往復するようになっても、雲で覆われていたりすると、ガッカリしたものだ。特に富士山に信仰心がある訳でもないのだが、富士山という山は、何か特別なものがある。そのシルエットの美しさは、他には例を見ないと思うのだが、それは日本人にとってのみなのか、私だけなのか。やはり万民にとって美しい山だと思う。
周りに山が無く、そのシルエットが際立って見えることも、一因かもしれない。孤高の存在なのだ。山々が連なっているなかで一番高いのではなく、一つだけがそびえ立っている点が、雄大さを感じさせるのかもしれない。日本各地に、○×富士という名で呼ばれている山が多くある。そのシルエットも同じように美しいのだが、この本家の富士山が、日本で一番高い山である、ということも一因かもしれない。
孤高の存在だから、360度いろんな角度から見られるし、画になる。そして、見る角度によって微妙にその形が変わる。どの位置から眺めた富士山が一番美しいか、そんな議論もあったそうだ。孤高の存在だから、桜や紅葉、そして雪や雲と組み合わせて、様々な画を作り出せる。多くの写真愛好家が富士山に魅了され、その時々の表情を撮り続けているわけだ。
実は、妻の実家は富士山の麓にある。妻は家の窓から富士山をいつも見ていたそうだ。妻の実家に行くたびに、富士山を拝めるわけだが、今回の富士山は、天候にも恵まれて、本当にきれいだった。そしてそのクッキリとそびえ立つ富士山にカメラを向けている人たちを、たくさん見た。この富士山を美しいと思える心は、日本人固有のアイデンティなのだろうか。

上は、妻の実家の窓から撮った富士山。


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