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永平寺 その2 [日々の徒然]


永平寺は今から約760年前に道元禅師によって開かれた、曹洞宗の大本山で、僧侶の修行の道場であることは、今も昔も変りない。今なお多くの門徒の方々が、毎日の厳しい修練をされていることで有名だ。この時期、雪で埋まった寺院のなかで、キリキリした寒気の中、修行に臨む若い僧侶の姿が見られるはずだが、やはり雪は少なかった。拝観料を支払って、まず最初の建物である、鉄筋コンクリート造りの吉祥閣で、案内係の若い僧侶から参拝の説明と注意事項を受ける。その後は参拝経路を各自歩いて見学するわけだが、その間に多くの修行僧を見たりすれ違ったりする。まさに生きている修行寺だということを目の当たりにできる。ただ、前回も来たことのある私は、何かしら観光地化が進んでいるような印象を持ってしまって、「おごそか(厳か)」「厳しさ」という雰囲気が気薄になったような気がした。

しかし、山門や法堂をはじめとする建物は、さすがに見るからに威厳があって、歴史に打ちのめされた風格を感じさせる。こういった被写体には無為頓着な私も、ついカメラを向けてみたくなる。修行僧の撮影は厳禁だが、建物の撮影はOKだ。これで雪がもっと深ければ、絵葉書のような写真が撮れたかもしれない、と無い物ねだりの気持ちも湧いてきてしまった。
一緒に来ていたウチの子供たちが、無言のまま、寺院内を見学していたところを見ると、この永平寺に来た甲斐があったかな、と思った。子供たちが、何を見て、どう思い、どう感じたか、それは分からないが、普段なかなか見ることができない処へ来て、普段では思いも知らない気持ちや考えを抱いてくれれば、それでよかったのだと思う。


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