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少年サッカーの撮影 その35 [少年サッカーの撮影]

前回、「サッカーをやっている風景」にならないように撮る、ことを書いた。そのためになるべく被写体を大きく撮る、ということは重要だと思う。人間は立っている限り縦に長い被写体だ。これを3対2の長方形で切り撮る場合、なるべく大きく撮ろうと思えば、縦長の長方形、つまり縦位置での撮影の方が適していることは、誰にでも分かる。しかし、縦位置でサッカーを撮るのは、実は言うほど簡単ではない。
試合中のサッカー選手の場合、地面に対して左右に動き場合が多いのだが、横位置での撮影なら、横に余裕があるので狙った被写体を捉えやすく、またロストしにくい。これが縦位置で大きく被写体を撮ろうとすると、左右に余裕が無いので、狙う選手の動きに合わせてレンズを細かく正確に振る必要があり、それは被写体のロストの危険性が増す。ましてや、一定方向に動く訳ではなく、不規則な動きのサッカー選手、縦で、しかもなるべく大きく、などと考えると、練習を積んで慣れないと難しい。もちろんジャスピンでなければ意味が無いから、AF駆動させジャスピンを得るまでの一瞬の間を稼ぐために、ある程度の動きの予測も必要になってくる。
以下に縦での撮影の例をあげてみた。これはある高校生サッカーの試合を撮った一枚(ノートリミング)。
1D3+EF400mm F5.6 L    焦点距離    400mm
F6.3   SS 1/1000   ISO 250    評価測光   露出補正 +1/3   AI SERVO AF  RAW
サッカー 35-1.jpg

撮りたいのはボールを競り合う赤いユニフォームの選手。失敗写真というわけではないが、どうもピリッとしない写真だ。画面全体に占める赤い選手の割合が小さいために、主題である被写体の印象が弱くなってしまった。背景にあたる部分も多く、色彩的にもちょっと目ざわり。これをトリミングしてみたのが下の写真。

サッカー 35-2.jpg

こうすると、何を撮りたかったのか、より明確になると思う。目ざわりな背景もカットされて、目的の選手が浮かび上がって、サッカー写真としては見栄えがする。この2枚の写真を見比べて、後者の方が撮影者の意図がはっきりし、見る人に与える印象が大きく違うことを分かっていただけるだろうか。
では、こうして後でトリミングすればいいじゃないか、という考えもあると思う。トリミングに関しては、私も使っているし、悪いことではないと思う。ただし、画像サイズ(解像度)が落ちることは避けられない。ブログに載せる関係上、リサイズしたが、原画は2592×3888(約1010万画素)、トリミングした画像は1510×2265(約342万画素)、約1/3になってしまった。342万画素でも、A4サイズのプリントくらいなら耐えられるかもしれないが、それ以上では苦しいだろう。

少年サッカー35-3.jpg

少年サッカー35-4.jpg

上の作例
CANON 1D MarkⅢ+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/640 絞り F4.0 評価測光
露出補正 +1  ISO 100  AI SERVO AF  RAW
CANON 1D MarkⅢ+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/800 絞り F3.5 評価測光
露出補正 +2/3  ISO 100  AI SERVO AF  JPEG

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