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少年サッカーの撮影 その39 [少年サッカーの撮影]

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大口径レンズのボケを生かすことで、背景を処理しよう、これは一眼レフカメラでは定番の方法なのだが、これをサッカー撮影でやるとなると、なかなか難しい。
明るい大口径レンズは背景のボケを得やすいのだが、これを使えば必ず背景が思ったようにボケてくれる、というわけではないことは、ご存知のことと思う。ボケ具合は背景までの距離と絞り値によるのだが、ボケを得ようと絞りを開放F値付近にすると、被写界深度が浅くなり、ピント合わせが難しくなる。風景などの静物撮影ならまだしも、常に動いているサッカー選手となると、ピントは極めてシビア。AF撮影99%の私なので、機材のAF性能に頼りっぱなしなのだが、それでも正確に狙った被写体をホールドしないと、なかなか狙ったところにジャスピンが難しい。これで被写界深度が浅くなれば極端な話、横を向いた選手の肩にピントがあって顔はボケてしまった、ということもある。

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話はちょっとそれるが、現在のAFは、人工知能や未来予言機能、撮影者の意思や思考に直結した機能は持っていない。それらは、撮影者が操作するということで実現しなければならない。そこに、撮影者の力量、技術、感性が介在することになり、それがまた面白くも難しく、写真が芸術の範疇に入る一因でもあるのだが、最近のコンパクトデジカメには顔認識機能というものが搭載されるようになったようだ。私はこれを使ったことはないのだが、集合写真や記念写真では、顔がピンボケになることはどうしても避けたいし、それを回避できる機能なら有効なのかもしれない。特にこうした、オートマチックに失敗なく撮れることを重視したカメラではなおさらだろう。ビューファインダーで捉えた画像の中で、どのように「顔」を判断するのか、詳細は知らないが、撮影者の意思をくみ取り、写真を撮るオート化、ひいては芸術作品の自動生産化(そうなれば、もう芸術ではないかもしれないが)に向かう一歩なのかもしれない。

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さて話は戻って、ただでさえ被写界深度の浅い大口径レンズを使って、しかもそれの開放F値付近を使ってのサッカー撮影は、いかに高性能なAFを使っても難しい。どの程度難しいのか、というのは言葉では言い表せないが、小学生から中学生、高校生と年代が上がり、動きの速さ&大きさが上がるほど、加速度的に難しくなることは間違いない。どんな高性能なAFでも、未だ人間の意志や思考速度に直結できるほど、AF速度は速くない。刻一刻と変わるシーンを切り撮るにあたって、この浅い被写界深度と格闘してみるのもまた、サッカー撮影の面白さ(深さ)かもしれない。
ちなみに、被写界深度の計算式を載せたHPを見つけたので、ここで紹介しておきたい。被写界深度とは、センサーサイズ・F値・被写体までの距離・焦点距離によって変わることがよく分かると思う。
http://shinddns.dip.jp/

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1枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F4.0 評価測光
露出補正 +1/3  ISO 100  AI SERVO AF  RAW
2枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/640 絞り F3.5 評価測光
露出補正 +1/2  ISO 100  AI SERVO AF  RAW
3枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F4.5 評価測光
露出補正 +1/3  ISO 100  AI SERVO AF  RAW
4枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/800 絞り F5.0 評価測光
露出補正 +1/3  ISO 100  AI SERVO AF  RAW

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