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少年サッカーの撮影 その40 [少年サッカーの撮影]

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選手と選手が重なり合うことが常であるサッカー撮影で、狙った被写体を外さないために、被写界深度を深くして撮影する、つまりは絞りを絞って撮影する、ということを初心者に勧める人がいる。デジタルになってISOを簡単に上下することができるようになったし、大口径の明るいレンズなら、より絞れるから有利だと。それはそれで間違ってはいないのだが、私的にはお勧めしない。
もちろん私も、常に解放F値付近を使って撮っているわけではないし、僅かに絞ったあたりが最大解像度を感じられることも認識している。しかし、ピントを外さないように、安全マージンを取るために絞る、という動機には賛成しかねる。
私も最初の頃は、そうして絞って撮っていた。しかし、被写界深度内に入っていればジャスピンなのだろうか。簡単に等倍表示のできるデジタルでは、家に帰ってモニターで確認すると、ピンボケではないにしても、ちょっと甘い画に思えることがある。詳細に見ると、極微妙にピンがずれていたりする。何枚かに一枚、狙った所にジャスピンの写真を等倍で見てしまうと、こんな画がもっと欲しい、と思うようになる。常にこんな画を撮っていたい、これを合格点とするなら、被写界深度内に入っていればOKとは言い切れない、逆に絞ることで背景がウルサクなることは弊害ではないか、と欲求は進んでしまう。絞って被写界深度を深くすることは、ピントヒット率の平均打率を上げてくれるかもしれないが、簡単に等倍で見れるデジタルでは、すぐに自信の合格点が高くなりがちで、そうなるとホームラン(ジャスピン)を狙う気持ちが高まり、絞ることのメリット・デメリットを考えると、常に有利な方法とも思えなくなってしまう。

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ピントに関しては、フィルムもデジタルも同じなのだが、デジタルになって自宅のモニターで簡単に等倍表示できることが、そして撮影枚数を気にせず撮れるようになったことで、同じ日の同じようなシーンを複数枚撮って見比べてしまうことが、撮影者自身のジャスピン欲求率をぐんと上げていること、それがホームラン(ジャスピン)要求率の向上の最大要因だと思う。それはカメラ側のAF性能(ボディ・レンズ共に)への要求度も上げ、一段と動体撮影に対する難しさと奥深さ、面白さ・難しさなどの探究心、への刺激にもなっているように思う。
サッカー撮影でも、周辺の状況を入れて撮りたい場合や、背景を作品作りに使いたい場合を除いて、常に動き回る選手を撮る場合は、ポートレート撮影と同じような感覚かもしれない。その場合、絞りすぎることは必ずしも得策ではない。まして、安全マージン拡大のため、というのでは、すぐに飽きてしまうと思う。

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1枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L Ⅱ
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/800 絞り F4.0 評価測光
露出補正 +-0  ISO 100  AI SERVO AF  RAW
1枚目
CANON Kiss DX+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm 絞り優先AE シャッター速度 1/1250 絞り F4.0 評価測光
露出補正 +1/2  ISO 100  AI SERVO AF  RAW
3枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm 絞り優先AE シャッター速度 1/640 絞り F3.2 評価測光
露出補正 +1/3  ISO 640  AI SERVO AF  RAW
4枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L Ⅱ
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F2.8 評価測光
露出補正 +2/3  ISO 200  AI SERVO AF  JPEG

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