SSブログ

AFのピント その5 [カメラ]

ピント 5.JPG

というわけで、キヤノンというメーカーにピント調整にだすと、最も多く使われるであろう状況を想定した環境で、最適になるように調整されるが、これはメーカーとしては当然だと思う。一眼レフカメラというのは、様々なシチュエーションの下で、さまざまなレンズと組み合わされて使われるものだが、よりピント精度を追求するとしても、最大公約数的に考えられた環境下での調整を、まずは前提とする姿勢は、多数のユーザーを抱えるメーカーとしては当たり前なのかもしれない。もしユーザーが、ある特定状況下での使用に限定した調整を望むなら、その旨を申し出て調整してもらうしかないだろうが(全ての要求に対応できるかどうかは分からないが)、それ以外での状況下での使用では、ある程度の妥協や寛容が必要かもしれない。
ちなみにキヤノンの場合、そういったピントの調整はどこのSSでもできる訳ではない。特に大型レンズなどは、調整できるSSも限られてる。私の住んでいるところから最も近いのは名古屋QRセンターなのだが、ここではできず、西日本修理センターに転送されることが分かっているので、私は時間節約の意味もあって、直接大阪の梅田に送ることにしている。
メーカーであるキヤノンでの調整とは、そういったものだということを考慮に入れて、調整に出すなら出すべきだと思うし、それなら調整後の評価も変わってくる場合もある。ただ単純に「調整してください」で出して、直っていない・あのメーカーはダメだ、という評価は早計過ぎると思う。確かに、メーカーであるキヤノンでの調整が、常に100点満点ではないのは、私自身も体験しているのだが、それでは我々ユーザーは、生産者であるキヤノンを信じないで、いったい誰を信じればよいのだろうか。
不安な気持ちや疑いを持ったまま撮影に臨むのは、精神的に集中できないし、良い結果も残さない。メーカーでの検証には及ばないにしても、自分なりに試写して確かめてみる、ということは決して無駄ではないと思う。しかし、ユーザー個人でやる試写には、状況や使用機材によって、誤差が出てしまうのは致し方ないし、何といっても現在のAFは発展途上で100点満点はあり得ないのだから、1mmの狂いもなく毎回ジャスピンというのは望めない。どこかで妥協や撮影者の工夫も必要だと思う。
nice!(0)  コメント(2) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

AFのピント その4 [カメラ]

ピント 4.JPG

AF撮影において、光源の波長の違いによるピントのズレが発生しやすいことは、以前から報告されている。特に、フリッカー現象が起こりやすい蛍光灯下などでの撮影だ。これを補正する機能が搭載されている機種もあるようだが、基本は太陽光線の下での撮影だろう。従って、ピントチェックの試写を行うのなら、太陽光の下で行うのが当然と思う。メーカーも、実際の使用状況では、太陽光下での撮影が多いことから、これを基準としていることは自明。安易にやろうとして、室内で(つまり照明器具の光源の下で)試写する人がいるが、実際の使用状況と異なる条件で試写して検証しても、正確な判断はできないと思う。簡単にやろうとした試写ほど信用できないし、それでメーカーやその機種を愚弄するようなネット上での書き込みを見ることがあるが、それはどうも疑問だ。
同様に、試写する際に撮影距離が短すぎる場合も多いと思う。自分の部屋で、極端な例は自分の机の上で試写する。被写体との距離が数十センチ以下ということも。キヤノンでのピント調整は、使用するレンズの焦点距離の50倍の距離に、カメラ・レンズと正対する形で目標とする被写体を置いて、テスト・調整されるという。50倍とは長すぎるようだが、焦点距離24mmで1200mm(1m20cm)、焦点距離200mmで10000mm(10m)である。これは(マクロレンズを除いては)実際の使用状況に近いのではないだろうか。この点でも、実際の使用状況に近い形で試写・調整しないと意味が無いと思う。
床に置いたメジャーや定規を、斜め上方から試写して、何ミリ後ピンだ、前ピンだ、という人がいる。そういった人は、いつも被写体を斜めに撮っているのだろうか。先ほど書いたように、キヤノンではカメラ・レンズと正対する目標物を被写体として置く。写真を撮る際には、被写体と正対して撮影するのが多いだろうから、これは当然だと思う。私たちが試写する際も、メジャーや定規は画面内に入れるべきだが、それを目標物とはせずに、何かコントラストのある目標物を置いて、なるべくそれと正対する形で撮影する方がよいと思う。
なお、フィルターによる影響も、若干だが有るようだ(某掲示板でのサルパパさんの情報。サルパパさんありがとう)。レンズに入射する光線に影響を与えないプロテクトフィルターは、ほとんど影響ないようだが、UVフィルターなどの光線の波長を変えるようなフィルター使用では、あり得る話だ。そう、こんな微小な変化もピントに影響するのだ。何ミリ後ピンだ、前ピンだ、というのは、言うのは簡単だが、実は重箱の隅をミクロの棒でつついているようで、それを検証することは、非常にセンシティブな作業なのだろう。安易にやった試写に、断定的な評価はどうかと思う時がある。
nice!(0)  コメント(2) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

AFのピント その3 [カメラ]

ピント 3.JPG

カメラやレンズを購入したら、自分で使う前にまずはメーカーにピント調整に出す、そうすればその後は安心して使えるから、という人もいるらしいが、いくら無料だったとしても、それはちょっとモラルに欠けるような気がする。そこで、自分なりに使ってみて、ピントに関して不安を抱いたなら、テスト撮影してみる、ということをお勧めしたい。ただ、その方法には、疑問を感じることも多い。
皆さんご存じのとおり、私は価格コムの掲示板によく出入りしている。約7年前にサッカーを撮り始めたころから、ここで実に多くの情報をいただいて、多くの方々から刺激を頂いて、今日の自分があるということで、恩返しの意味も含めて、自分の分かることは書き加えている次第。ネット上のこの巨大掲示板は、デジタル一眼レフカメラの普及と共に、年々出入りする人も多くなった。その中で、ピントのズレに関しての話題は、以前から有ったのだが、途切れずに今も見かけるし、最近は特に多くなったようにも思える。「以前からピントの甘い画が多いと思っていて、自分なりに試写してみたら、どうも1cmほど後ピンのようです。これは不良品でしょうか? メーカーに調整に出したのですが、どうも治ってないようなのです」というヤツである。
前回書いたブレとズレは別物なので、これを混同しないように、ブレを排除して試写・検証すべきなのだが、意外とそうでないことも多い。まず、三脚を使わずに、手持ち撮影で試写する人(笑い話のようだが、実際にいる)。ブレては試写にならない。それに、ONE SHOT AFは測距は一回。それでフォーカスロックされる。その後撮影者の体や手が本人の気付かない程度に動いたとしても、ピントのズレは起きる。手持ち撮影して、ミリ単位のピントのズレを論じるなど、無茶な話だ。しっかりとした三脚に固定して試写するのが当然。ミラーアップしてレリーズ使って、という方がより確実だが、後述するように太陽光の下で行うのだから、それほどシャッター速度が遅くないはず。それなら、そこまでしなくてもよいかもしれないが、オマケで付いてきたような三脚や軟な雲台は避けるべきと思う。
AFフレーム1点を指定し、そのレンズの開放F値で試写する。なので当然、Avで撮影することになるのだが、どうもこれも知らない人がいる。むやみに絞って、被写界深度を深くして、ミリ単位のピントのズレを論じることはできないと思うのだが。AFフレームを自動選択にして、自分の狙った所にピントが来るかどうかの試写に、どうしてなるのだろうか。笑い話のようだが、これも実際の掲示板で有った話だ。
nice!(0)  コメント(4) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

雨天決行 [巷の雑感]

雨天決行 1.jpg

天気予報は雨のち曇り。降水確率は、午前が90%、午後が60%。そして、試合開始は午前9時から2試合で、お昼には解散の予定。もうこれ以上ないという雨中サッカー撮影が、昨日だった。
雨天用の撮影準備をして会場に出かけたのですが、山沿いということで、一時的にかなり激しく降ることもあり、ホントにやるの?という状態。当然、土のグランドは泥田状態。他チームは様子見だったが、ウチの選手はいつも通りウォーミングアップして、試合開始時には既にずぶ濡れ・ドロまみれ。まあ結果は、走れない・蹴れない・飛ばない状態でも、意気込みの違いからか2試合とも圧勝だったのだが。
しかし、こんな状態でサッカーをさせて、何か良いことでもあるのだろうか、と思ってしまった。確かにサッカーは、雨天でも行うスポーツ。ちょっと雨が降ったからといって中止になるような、お上品なスポーツではない。でも、それは芝(または人工芝)のグランドでの話じゃないか、と。足首まで泥につかる状態では、転ばないように走るのが精一杯。滑って踏ん張りが利かないからターンができず止まれない。軸足が踏ん張れないから蹴れない。水溜りと泥の上ではボールも転がらないから、パスは無理。競り合うと泥しぶきで眼が開けていられない子が続出。こんなグランド状態では、どんな状況でもくじけない精神の鍛練、という以外、技術的に学べるものは少ないように思えるのだが。
振り返って、この状態で試合を決行しなければならなかったのは、日程的に結果を出さなければならなかった大人の事情。予備日もない、サッカー後進県の地方大会では、どうしても今日中に勝ち上がるチームを決めてしまわないと、後の予定に支障が出る。そう、大人が結果を求めるために、子供に無理をさせた、といえば言い過ぎだろうか。サッカーは雨の中でもやるスポーツだ、という言葉は、きちんとした環境を整えられない大人の言い訳のように聞こえてしまうのだが。芝や人工芝のサッカー場なら、もう少しスポーツらしかったと思うのだが、それでも泥の中でボールを蹴ろうとしてもがく子供たちの真摯な姿を見て、ちょっと大人の責任を感じてしまった。
さて撮影の方は、それなりの準備をして、防塵防滴機材のおかげで、特にトラブルも無かったが、山間部のために途中から霧が出てしまってはどうしようもないな、と早目に切り上げてしまった。妻は泥だらけのユニフォームを洗い、私も機材のメンテをして昨日は終了。やっぱり、悪天候でのスポーツ撮りは、プレイも撮影も精神力勝負、かな?
雨天決行 2.JPG

nice!(1)  コメント(6) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

AFのピント その2 [カメラ]

ピント 2.jpg

カメラを構えて被写体を捉える。シャッターを半押ししてAFを作動させる。合焦ランプが点灯して、シャッターを全押して撮影する。これでキチンとピントの合った写真が撮れるはずだ。そうでなければ、カメラが壊れているか、不良なのだ、とユーザーは思うに違いない。合焦ランプが点灯するということは、カメラが「ピントが合いました」と言っているのと同意なのだから(ONE SHOT AFの場合)。
熟練者の方には、それでも撮影者側にピンズレの原因を挙げることはできると思うし、私も撮影者のミスの入り込む余地がゼロではないと思う。ただ今回は、そんな撮影者側の原因は除外して考えることにしたいが、ブレとズレは分けて考えないといけないと思う。というのも、この両者は原因が異なるのに、どちらも同じように甘い画に見えることで、見分けがつきにくいことも多いからだ。
ブレはシャッター速度を上げることで回避できるのだが、ではどの程度上げれば良いのか、を言及するのは難しい。被写体ブレについては、その被写体の動く速さに依るし、手ブレは撮影者の技量にも依る。ただ、以前言われてきた「1/焦点距離」のシャッター速度ならまず大丈夫、という考え方は、今では無理かもしれない。センサーサイズが小さいデジタル一眼では、35ミリ換算で考えないといけないこと、ピントの許容度が極端にシビアな現状では、僅かなブレに対しても寛容ではないこと、高画素化が進んでいること、などがその理由だと思う。
さて、もしカメラが話すことができたとしたら、「ちゃんと被写界深度内に被写体をとらえたから、合焦ランプを付けたのだ」と言うかもしれない。けど撮影者は、「被写界深度内ならOKというわけではない。ピクセル等倍で見たらピントが僅かにずれている。もっと精度を高めてくれ」と言うかもしれない。カメラが工業製品である以上、工作誤差・作動誤差がゼロではなかろうし、さまざまなレンズと組み合わせて性能を発揮しなければならないのだから、なかなか難しいことなのかもしれない。しかし、調整という方法でこの両者の差を、ゼロにはできないにしろ、縮めることはできるようだ。
nice!(1)  コメント(2) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

AFのピント その1 [カメラ]

写真を趣味としている方々には、「被写界深度」については、既にご存知のことと思う。被写界深度とは、ピントが合っているように見える領域のこと。厳密な意味では、ピントが合うところは、カメラからの一定距離の一つの面上(球面上?)にしかないはずだが、その前後に像を結んでいるように見える範囲があり、その範囲のことを被写界深度と呼んでいる。被写界深度は、ピントが厳密に合っている場所の前後に広がるが、その広がりは撮影者から見て手前側よりも奥側のほうが若干広いという。
さてこの被写界深度だが、デジタル一眼の普及に伴い、死語となりつつあるのではないか、と最近思い始めた。「ピントの合って見える領域」の「見える」が変わってきたからだ。フィルム時代では、高倍率のルーペで厳密に観察しないといけなかったピントが、今やPCさえあれば簡単にピクセル等倍で見られるのである。自ずと、撮影者のピントを見る目がシビアになるのも当然だ。そして、被写界深度はピントが合って見える範囲であって、ピントが厳密に合う範囲ではない。この「ピントが合って見える」という点も、見る人によって、その許容度が違うだろうし、モニター鑑賞前提では、被写界深度内に入っていればOK、という人は、以前に比べて減っているのではないだろうか。まして、撮影枚数の制限が無いデジタルでは、フィルム時代より一回の撮影で多くの枚数を撮る。バチピンの写真をその中で発見してしまうと、もうそれ以外はピンボケに見えてしまう。
ピント 1-1.jpg

上の写真は、小学生サッカーのものだが、こうした選手の重なりは常時だ。私の狙ったのは中央の縦縞ユニフォームの選手だが、向ってすぐ右後ろの選手は被写界深度内にあるように見える。しかし、これを拡大してみると、やはり狙った選手との解像度の違いを見てとれる。
ピント 1-2.jpg

勿論、メーカーもその点は先刻承知のはずで、AF性能の向上には努めているのだろうが、様々な技量のユーザーが、様々な条件で、様々な被写体を撮るのだから、どんな場合も狙えば百発百中、というわけにもいかないだろう。それに、市場規模の拡大してる現状では、一部のマニアが使う趣味のものでも無くなってきているので、量販を目指してコストとの戦いもあるのかもしれない。
AF撮影において、ピントのズレが生じた場合、撮影者側に理由があることと、カメラやレンズ側の原因であること、が考えられる。この二つは原因が異なるので、分けて考えなければ、効果的な対処法が見つからないのだが、今回からしばらく、後者について考えてみようかなと思っている。
nice!(1)  コメント(3) 
共通テーマ:趣味・カルチャー