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AFのピント その1 [カメラ]

写真を趣味としている方々には、「被写界深度」については、既にご存知のことと思う。被写界深度とは、ピントが合っているように見える領域のこと。厳密な意味では、ピントが合うところは、カメラからの一定距離の一つの面上(球面上?)にしかないはずだが、その前後に像を結んでいるように見える範囲があり、その範囲のことを被写界深度と呼んでいる。被写界深度は、ピントが厳密に合っている場所の前後に広がるが、その広がりは撮影者から見て手前側よりも奥側のほうが若干広いという。
さてこの被写界深度だが、デジタル一眼の普及に伴い、死語となりつつあるのではないか、と最近思い始めた。「ピントの合って見える領域」の「見える」が変わってきたからだ。フィルム時代では、高倍率のルーペで厳密に観察しないといけなかったピントが、今やPCさえあれば簡単にピクセル等倍で見られるのである。自ずと、撮影者のピントを見る目がシビアになるのも当然だ。そして、被写界深度はピントが合って見える範囲であって、ピントが厳密に合う範囲ではない。この「ピントが合って見える」という点も、見る人によって、その許容度が違うだろうし、モニター鑑賞前提では、被写界深度内に入っていればOK、という人は、以前に比べて減っているのではないだろうか。まして、撮影枚数の制限が無いデジタルでは、フィルム時代より一回の撮影で多くの枚数を撮る。バチピンの写真をその中で発見してしまうと、もうそれ以外はピンボケに見えてしまう。
ピント 1-1.jpg

上の写真は、小学生サッカーのものだが、こうした選手の重なりは常時だ。私の狙ったのは中央の縦縞ユニフォームの選手だが、向ってすぐ右後ろの選手は被写界深度内にあるように見える。しかし、これを拡大してみると、やはり狙った選手との解像度の違いを見てとれる。
ピント 1-2.jpg

勿論、メーカーもその点は先刻承知のはずで、AF性能の向上には努めているのだろうが、様々な技量のユーザーが、様々な条件で、様々な被写体を撮るのだから、どんな場合も狙えば百発百中、というわけにもいかないだろう。それに、市場規模の拡大してる現状では、一部のマニアが使う趣味のものでも無くなってきているので、量販を目指してコストとの戦いもあるのかもしれない。
AF撮影において、ピントのズレが生じた場合、撮影者側に理由があることと、カメラやレンズ側の原因であること、が考えられる。この二つは原因が異なるので、分けて考えなければ、効果的な対処法が見つからないのだが、今回からしばらく、後者について考えてみようかなと思っている。
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