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AFのピント その4 [カメラ]

ピント 4.JPG

AF撮影において、光源の波長の違いによるピントのズレが発生しやすいことは、以前から報告されている。特に、フリッカー現象が起こりやすい蛍光灯下などでの撮影だ。これを補正する機能が搭載されている機種もあるようだが、基本は太陽光線の下での撮影だろう。従って、ピントチェックの試写を行うのなら、太陽光の下で行うのが当然と思う。メーカーも、実際の使用状況では、太陽光下での撮影が多いことから、これを基準としていることは自明。安易にやろうとして、室内で(つまり照明器具の光源の下で)試写する人がいるが、実際の使用状況と異なる条件で試写して検証しても、正確な判断はできないと思う。簡単にやろうとした試写ほど信用できないし、それでメーカーやその機種を愚弄するようなネット上での書き込みを見ることがあるが、それはどうも疑問だ。
同様に、試写する際に撮影距離が短すぎる場合も多いと思う。自分の部屋で、極端な例は自分の机の上で試写する。被写体との距離が数十センチ以下ということも。キヤノンでのピント調整は、使用するレンズの焦点距離の50倍の距離に、カメラ・レンズと正対する形で目標とする被写体を置いて、テスト・調整されるという。50倍とは長すぎるようだが、焦点距離24mmで1200mm(1m20cm)、焦点距離200mmで10000mm(10m)である。これは(マクロレンズを除いては)実際の使用状況に近いのではないだろうか。この点でも、実際の使用状況に近い形で試写・調整しないと意味が無いと思う。
床に置いたメジャーや定規を、斜め上方から試写して、何ミリ後ピンだ、前ピンだ、という人がいる。そういった人は、いつも被写体を斜めに撮っているのだろうか。先ほど書いたように、キヤノンではカメラ・レンズと正対する目標物を被写体として置く。写真を撮る際には、被写体と正対して撮影するのが多いだろうから、これは当然だと思う。私たちが試写する際も、メジャーや定規は画面内に入れるべきだが、それを目標物とはせずに、何かコントラストのある目標物を置いて、なるべくそれと正対する形で撮影する方がよいと思う。
なお、フィルターによる影響も、若干だが有るようだ(某掲示板でのサルパパさんの情報。サルパパさんありがとう)。レンズに入射する光線に影響を与えないプロテクトフィルターは、ほとんど影響ないようだが、UVフィルターなどの光線の波長を変えるようなフィルター使用では、あり得る話だ。そう、こんな微小な変化もピントに影響するのだ。何ミリ後ピンだ、前ピンだ、というのは、言うのは簡単だが、実は重箱の隅をミクロの棒でつついているようで、それを検証することは、非常にセンシティブな作業なのだろう。安易にやった試写に、断定的な評価はどうかと思う時がある。
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