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子供半額 [巷の雑感]

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7月に入り、梅雨が明ければ夏休み。家族持ちのお父さん・お母さんは、夏の計画を立てる時期ではないだろうか。旅行の計画を立てている方も多いかもしれない。
この時期の家族向けの旅行パンフレットを眺めると、「子供料金半額」が当たり前のように目に付く。人数のよって宿泊代金が決まることを考えれば、子供が半額になることは実に大きい。お土産代や交通費が、それでまかなえたりする。しかし、子供だからといって、ベットや布団が無いわけではない。コスト面から考えて、子供を半額にして儲けが出るのだろうか。
宿泊代金に占める最も大きなコストは食事代だろうが、確かに子供は大人より食べる量は少ないかもしれない(例外はあるだろう)。しかし、それは食材のみ。調理にかかるコストや人件費などを考えると、大人の半分とは言えないだろう。そこで、食事代が大人と同じコストがかかるとして計算してみると、
一泊二食10000円(子供は半額)の場合、二食の食事代のコストが半分の5000円だったとすると、
大人2人の場合
  旅行代金総額20000円(食事代10000円)  食事代を引いた粗利 10000円
大人2人子供(半額)1人の場合
  旅行代金総額25000円(食事代15000円)  食事代を引いた粗利 10000円
大人2人子供(半額)2人の場合
  旅行代金総額30000円(食事代20000円)  食事代を引いた粗利 10000円
となる。
子供にかかる食事代が、大人と同じコストがかかったとしても、食事代を引いた粗利は同じというわけだ。もし、子供が大人ほどコストがかからなければ、子供が増えるほどこの粗利は多くなる。子供料金を半額にしても、充分採算は合う計算だ。
もちろん、コスト計算はこんな単純なものではないので、あくまで参考程度なのだが、「子供料金半額」というのは、なかなか上手いプランかもしれない。ポイントは、子供がいて旅行人数が増えても、一家族は一部屋しか占有しないことが、食事代以外のコストの増加を最小限に防いでいる、ということだろうか。子供半額をキャッチフレーズにして、家族客を多く引き込めれば、一部屋当たりの客単価を上げることができるし、客室の稼働率を上げることができる。
しかし、子供は大人に比べて安くて当たり前、とは思い込まない方が良いと思う。たまたまこうした宿泊プランでは有効かもしれないが、他の場合では事情が異なることも多い。
あるペンションのオーナーと話したとき、彼が内緒でこう言っていたのを思い出す。「子供だから安くしろという人がいるけど、とんでもない。部屋を汚したり、手間が掛かるのは、大人よりも子供のほうだ。子供は大人よりも料金を高くしたいほどだ」と。確かにその通りだと思う。子供料金半額は、家族旅行には嬉しいサービスだが、当たり前ではない。
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