SSブログ

AFのピント その7 [カメラ]

ピント 7.jpg

さて、長々とAFのピントについて私見を書いてきたのだが、今回で一区切りとしたい。
現在のAFは100点満点ではない、と以前書いた。現在のデジタル一眼のAFは、人工知能も未来予測機能も撮影者の意思や志向を読み取る機能も無いからだ。機械的な不具合がなくても、カメラを向けて、シャッターを半押ししてAFを駆動させれば、どんな時にも100%ジャスピンの写真が撮れる、というわけではない。ましてや、ジャスピンの基準が辛くなりがちなデジタルでは、尚更のことだ。
動体撮影の場合は特にそうなのだが、AFフレームを動く被写体に合わせ続けることのみに集中して、シャッターを切り続けることが多い。それ自体は間違っていないし、必要なこと。しかし、何気なく被写体をトレースして、ピントはAFに任せっきり。被写体をロストしていないから、たぶんジャスピンの良い写真が撮れただろう、と思っていたが、家のPCで等倍鑑賞してみると、そうではなかった、という経験は誰にでもあるのではないだろうか。
以前、プロカメラマンの方が「ファインダーでしっかりピントが合っていることを自分の眼で確認してからシャッターを切る、ということから始めなさい」と言っているのを聞いたことがある。至極当たり前のことなのだが、動体撮影、しかもサッカー選手などの不規則に動く被写体で、そんなことができるわけない、と思っていた。けど、慣れてきて、それを心がけると、使える写真のヒット率(歩留り)が上がることに気付く。
AF性能はレンズ+ボディのトータル性能だ、と以前書いた。同じボディでも、レンズによってAF速度・レスポンス・精度が異なることがある。そして、同じレンズでも、装着するボディによって、同様の差異を感じることがある。ネット掲示板では、「このレンズはAF速度は速いですか?」という質問も多いが、レンズだけでなくボディの性能も考慮しないといけないと思う。
未だ発展途上で、非常にコストのかかるAFは、最新機種ほど、高級機であるほど、AF性能も良いと、概して言えると思う。よく連写速度の話題が出るが、秒3コマの機種と秒6コマの機種、どちらがAF性能が良いかといえば、当然後者だろう。なぜなら、前者は動体に対して1秒間に3コマ撮れるだけのAF性能に対し、後者はその倍のコマ数を撮れるほど、AFの追従能力・レスポンスを有している、ということを表している。連写枚数はシャッターユニットのメカニカルな性能だけでなく、AFの性能も表している。技量の少ない人ほど、高性能な機種を使うべき、という私の考えの一因は、そこにある。
現在のAFが100点満点でないからこそ、撮影者の意思や工夫が必要なのだろう。頼りすぎることなく、うまく働かせて、付き合っていきたいものだ、と思う。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー