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8耐 [巷の雑感]

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連日の猛暑のなか、サッカー撮影のために隣の鈴鹿市に通っていると、何だがバイクの集団を多く見かける。もちろん暴走族ではない。ああそうだ、この週末は8耐だったんだ、と。
一年に一度、7月の最終日曜日に決勝が行われる、2輪の8時間耐久レース、略して「鈴鹿8耐」。今年で31回目だそうだ。梅雨が明けて、まだ真夏の暑さに体が慣れ親しんでいない時に、灼熱の日差しが焼き尽くすアスファルトの上で行われる耐久レースは、実は見る者にも耐久レースだ。それゆえ、多くのドラマと感動を与えてくれる。国内では珍しい、ライトを点灯しての夜間レースを見れるのも、楽しみの一つ。そしてフィナーレは花火。長く苦しい戦いを終えたライダーたちと観客の感動を、打ち上げられる花火が代弁してくれる。
今年も例年通り、暑い。そして、鈴鹿サーキット稲生駅からサーキットまで歩いて行く人たち、駐車場を目指すバイクや車。そしてそれを案内・誘導・整理する地元の人たち。そう、地元の人たちにとっても祭典なのだ。
全国各地から10万人以上の人たちがやってくる。一年に一度しか来てくれないけど、毎年来てくれる人が多い。他に名物も名所も特に無いここで、全国に「SUZUKA」という土地が知られるようになったのは、実はこのレースとサーキットのおかげ、と地元の多くの人が思っている。だから、渋滞が少なくなるように、安全に、なるべく快適に行き帰りができるように、警察・行政・民間企業を中心に、地元自冶会までも含めて、毎年協議を重ねて、コツコツここまできた。沢山の人たちが来てくれれば、それで良い訳ではない。過去には良くないことも起こった。だから地元の年配の方々も、道案内と整理を兼ねて、街角にたたずむ。
日が傾き、サッカーの試合会場を離れるときは、まだレースの最中。経過や結果はまだ分からないが、途中雷を伴ったスコールが降ったことを考えると(サッカーの試合も一時中断した)、今年も感動的なドラマを生んだのかもしれない。上気した笑顔の波が通り過ぎれば、来年も多くの人がまたやって来てくれるだろう。「ようこそ鈴鹿へ」の旗は、また来年も灼熱の青空にはためく、だろう。
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