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少年サッカーの撮影 その53 [少年サッカーの撮影]

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しかし、焦点距離を伸ばすということは、画角が狭くなるということと同意だ。静物撮影なら問題なくても、また動体撮影で動きが予測できる場合(陸上競技や水泳など)なら何とかなっても、不規則な動きで移動速度もマチマチ、動きの予測も難しいサッカー撮影では、超長焦点距離の狭い画角内に被写体を捉えて追うのは、かなり難易度が高い。その点を考慮して、焦点距離を伸ばすにも、ある程度の妥協点を見出さなくてはならないのだが、さてどの程度だろう。
200mmの画角は約10°、400mmの画角は約5°である(フルサイズで横位置での場合)。数値にすると分かりにくいので、図で表してみると、そしてそれをサッカーグランド場で示してみると、以下のようになる(あくまで概略図なので、正確な縮尺ではないことはご容赦願いたい)。

少年サッカー53-1.jpg

タッチライン上中央でカメラを構えたとしての画角の違いを分かっていただければありがたい。ちなみに向こう側のタッチラインまでの距離(グランドの奥行・短辺)は68mだから、200mmの10°の画角だと、向こう側のタッチライン上を約12mの幅で写せることになり、400mmだとその半分の6mの幅で写せることになる。選手がボールを持って10mドリブルすると(赤い矢印)と、向こう側のタッチライン沿いでは、200mmでは画角内に収まる。つまりはレンズを振らなくても、ファインダー内で右から左端に移動するだけ。それに対して400mmでは、レンズを振らなくては収まらない。それより、選手が撮影者に近い場所でのプレイになれば、長焦点距離の狭い画角のレンズは、大きくレンズを振らなくてはならないことが分かってもらえるだろう。そしてその狙う選手の動きは、一定の速さでも一定の方向でもなく、それは選手を捉える事の難しさ、捉えてもロストする可能性の大きさ、を表している。

少年サッカー53-2.jpg

実際の撮影では、焦点距離を延ばすと、ファインダー上で狙った被写体が大きくなるので、正確なピント合わせという点では有利かもしれない。しかし、それも被写体をしっかり捉えてこそ。このサッカーグランドで不規則に動き回る選手やボールを捉えるには、画角が狭くなるほど加速度的に難しくなること、安易に焦点距離を延ばすことは、撮影を難しくすることにつながることもある、ということを分かっていただきたい。
高画素化され、トリミングで対応できるデジタル写真とはいえ、以前述べたように、被写体を大きく捉えることのメリットは大きい。この点と、狭くなるにつれ難易度の増す画角(焦点距離)で、どう妥協点を見つけるか、撮影者の悩むところだろう。撮影者自身の力量、望む画、機材、撮影ポジション、などによって変わってくると思われるし、縦で撮るか横で撮るか、でも違うだろう。見つけられた自らの妥協点も、一年後にはまた再考を余儀なくされるかもしれない。この点はなかなか悩ましくもあり、実はチャレンジしがいのあるところだ。

少年サッカー53-3.jpg

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1枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F3.2 評価測光
露出補正 +1/3  ISO 160  AI SERVO AF  RAW
2枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F4.5 評価測光
露出補正 +1/3  ISO 200  AI SERVO AF  RAW
3枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F4.0 評価測光
露出補正 +-0  ISO 160  AI SERVO AF  RAW
4枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F4.5 評価測光
露出補正 +2/3  ISO 160  AI SERVO AF  RAW

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