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少年サッカーの撮影 その61 [少年サッカーの撮影]

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ボールを追っていては、なかなか上手く撮れない。それはなぜか。貴方が撮ろうとしているのが、ボールではなく、選手だからだ。
狙った選手がボールを永く保持していてくれる場合は、ボール=選手になる。相手選手からボールを取られまいとキープしている時、ドリブルの時などだ。しかし、そうではなく、ボールを受ける瞬間、ボールを受けても直ぐに蹴ってしまうダイレクトプレー、ディフェンスの選手によく見られるクリアーやゴールキーパーのセーブシーンなど、選手がボールを保持している時間が短い場合は、ボールを追っていては、そうしたプレイは撮れない。また、こうしたプレイが年代が上がるごとに多くなることを考えると(選手自身の判断速度が上がり、フィールド内でのボールスピードが上がると)、小学生サッカーでは撮れていたのに、中学生以上になるととたんに撮るのが難しくなったりする。また、ボールに触る中心選手やMFは撮れても、瞬間的な動きをするFWなどは撮り難く、一試合撮っても撮影枚数の差がかなり出たりする。
AFで撮る場合、レンズを振って、狙った選手をAFフレームで捉えて、シャッター半押しでAF駆動させ(親指AFの場合は親指を押して)、ここぞと言う時にシャッターを切る又は連写する、というのが一連の動作だが、ボールを追っていると、ピントが合った瞬間には、もうその選手からボールは離れている場合が多い。人間(撮影者)の判断速度や反射神経、カメラのシャッタータイムラグもある。ボールを追っていては、決定的な瞬間は撮れない。このことを、AF性能が悪い、レンズやボディをもっと高級機に変えればよい、とか考えてはいけない。キヤノン機では現在最速と思われる1D3とサンニッパ、ヨンニッパの組み合わせでも、こうしたボールを追っているような撮り方では無理だ。

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ではどうすればよいのか。ボールの動きを予想して先回りして構える事。たとえば、高く上がったゴールキックを頭で競り合うシーンを撮ることを想定してみよう。ゴールキーパーが蹴った瞬間、そのボールの弾道を読み、フィールドの22人のなかで誰がそのボールを競るか、瞬時に予想する。そしてその選手にレンズを振り(ここまではファインダーを見ないかファインダーを覗いていない方の眼で確認)、ボールが落ちてくる前にその選手をAFフレームで捉える。ピントが来たと思ったら、間髪を入れずシャッターを切る、または連写(ピントが来ていることを確認したうえでの連写でないと、ピンボケの量産になるので注意)。これが私の一連の動作だ。つまりは、ボールが行きつく先を予想して、そこにAFでピントを既に持ってきていないといけない。もちろん、失敗もあるだろう。最初から上手くできないこともあるだろう。でも、ボールを追いながらも、ボールの先回りができないと、望む画は得られない。

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貴方が狙うのは、ボールを蹴った後の選手ではないだろう。蹴る瞬間、蹴る一瞬前、ボールに触ろうとする瞬間、そういった画が欲しいのではないだろうか。どんなに高価な機材を使っても、ボールをファインダーで追っていては撮れない。広いグランド内で、ボールを追ってそれに絡む選手を撮る。でも狙うのはボールではなく、その先の選手。狙いを定めるためにボールを追い、予想して、先回りする。競技を知り、チームを理解し、試合展開を肌で感じ、選手の動きを予想して撮影するのがフィールドスポーツ撮影だと思う。
ボールを追うのだが、ボールを追っては撮れない。サッカー撮影は、何とも集中力の要るスポーツだ。

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1枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF100-400mm F4.5-5.6 L IS
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/800 絞り F5.6 評価測光
露出補正 +2/3  ISO 200  AI SERVO AF  RAW
2枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/800 絞り F5.0 評価測光
露出補正 +1/3  ISO 100  AI SERVO AF  RAW
3枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F2.8 評価測光
露出補正 +1  ISO 160  AI SERVO AF  RAW
4枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F3.5 評価測光
露出補正 +1/3  ISO 160  AI SERVO AF  RAW
5枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm 絞り優先AE シャッター速度 1/800 絞り F3.5 評価測光
露出補正 +1  ISO 100  AI SERVO AF  RAW

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