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埼玉遠征 後編 [巷の雑感]

少年サッカーの試合は、どこでもできるのだけれど、普段と違った環境で、今までに対戦したことのないようなチームと試合をすることは、スキル獲得やチーム力アップには欠かせない。前回そう書きました。今回はそれについて、もう少し書いてみようと思います。
この遠征で、2日間6試合を行いましたが、一緒に見ていた保護者の方々と話しているいるうちに、つい次のような言葉が出てしまいました。「こういう試合、こういうプレーを地元でやっていたら、イエローカードが3枚くらい出そうですね」と。小学6年生といえども、なかなか当たりが強い。吹っ飛ばされる選手、負傷交代する選手が続出。ボールを持っている時の腕や肘の使い方も、強引に相手選手を抑え込んで巧み。ボールを奪いに来る時も、体をぶつけるのは当然として、ユニフォームを引っ張ったり、首や腕を取って自由を奪うことは当たり前のようにします。審判が見ていない、見えないようなところで、なかなか巧妙な駆け引きを見せてくれます。我が地域でこういう試合が行われたなら、ファールや口頭注意は多く出されたことが容易に想像できます。
ただ私がここで言いたいのは、こうしたプレーを小学生がやることを非難するのではなく、こうした普段とは違う対戦相手、こうした試合を経験することが、実は遠征の大きな目的であり、収穫なのではないか、ということです。遠方から来た我がチームですから、過去の遺恨などがあるはずもなく、対戦相手のこうしたプレーは、たぶんそのチームでは、その地域の試合では、当り前のように行われているのでしょう。サッカーはお上品なスポーツではありません。技術と肉体をぶつけあってボールを奪い合う、闘争心の必要なスポーツです。そう考えると、そのチームは厳しい環境でサッカーを続けているのかもしれないし、我々の地域はまだまだ「甘い!」といわれる環境なのでしょう。サッカーのルールは全国どこでも同じでも、そういった生まれ育つ環境で、違いが出るのは自然なのかもしれません。
サッカー王国と言われる静岡県には、小学生年代ではあまり遠征に行ったことはないのですが、中学生年代ではよく行きました。選手層も厚く、チーム数も多く、技術的にも高い静岡県、しかし結構激しいプレーをするチームも多かったことを思い出します。ボールを扱う技術だけで勝てるような甘いスポーツではない、ということでしょうか。技術だけでなく、体力や駆け引きという分野、小学生年代に、そうした指導を行うのは賛否両論の意見が有ると思います。ただ、そうしたものは、言葉や頭で憶えるのではなく、普段と違う環境で実際に体験して体で覚えるという、遠征でしか得られないものだと思います。確かに、そうして得たものを、自分のホームに帰ってきた時に、そのまま使うのか、噛み砕いて身とするのか、同様の状態になった時の予備知識とするのか、さまざまだと思いますし、それを小学生に求めるのは難しいかもしれませんが。
遠征といっても、同じ県内の日帰り遠征もあれば、今回のように数百キロの移動を伴う遠征もあります。遠方に行くのは、費用も時間も大変ですが、近距離の遠征では得られない何かがあったと思いたい、そう帰路の渋滞の最中に車を運転しながら考えてみた次第です。ただ、審判のジャッジが試合そのものの価値や意義を左右することもあるので、やっぱりこれは全国共通がいいなあ、とは思いますけど。
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