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7D ファーストインプレッション その6 [カメラ]

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1点指定でのAFの速さ・精度についてだが、あくまで私の「感じ」として聞いていただけるのなら、条件が良ければ、1D3と比べて遜色ない性能だと、今のところ思っている。遜色ない性能とは、逆な見方をすれば、1D3を7Dは超えてはいない、とも言える。
私のいつもの被写体、サッカー選手は、一定方向に動くわけでも、一定速度で動くわけでも、次の移動先が予測できるわけでもない。動き、止まり、ターン、を小刻みに予測なく繰り返し、たまに屈んだりジャンプしたりもする。また人間なので動く時は形を変化させる。腕や頭を振って走るし、ナイロン繊維のユニフォームは、光の反射具合が刻一刻と変わったりする。他の選手とぶつかり、重なり合うこともあるし、前後左右に移動すれば、順光・逆光・日なた・日陰などの光線状況も変わるのは当たり前だ。そんな動体に対してピントを合わせ続けるAI SERVO AFだが、1D3はキヤノン機の孤高の存在として、あくまで100点満点を狙いにいく。撮影条件が悪くても、どのレンズと組み合わせても、果敢に100点を狙いにいく。それゆえ、時に失敗して大外しということもあるのだが。7Dもさまざまな条件・状況が良ければ、1D3に近い性能を見せてくれる。むしろ、高画素な分、決まった時の画は、なかなか緻密で見栄えがする。しかし7DのAFは、そうした状況の変化に対してどうも、90点でヨシ、とするところがある、というのは、私の考えすぎだろうか。
さてそこで、前回の記事で載せた、1D3と7Dの比較画像を再度見て欲しい。気がついた方もいるのではないだろうか、AFフレームの大きさが違うことを。見た感じでは、1個のフレームが、7Dの方が1D3よりも確実に大きい。AFフレームは、測距しているセンサーの位置を示しているもので、センサー自体がこうした四角の形をしている訳ではない(ラインセンサーという線の組み合わせ)ことはご存知の方も多いと思う。それにしても、一つのフレームの大きさが違うということは、1点指定のAFで、7Dは1D3よりも広い範囲で測距してピント合わせをしているのではないか、それゆえ、7Dの合焦は1D3のそれよりも幅が出てしまうのではないだろうか、それゆえ、もっと狭い測距範囲の必要性を考えてス、ポットAFというモードを新設したのではないだろうか、という仮説が私の中に湧きあがった。
この点についても、メーカーであるキヤノンお客様相談センターへ、メールにて疑問をぶつけてみた。少々時間はかかったが、本日得た回答は以下のとおり。

測距面積につきましては、EOS 7Dの方が広くなります。詳細な面積数に関しましては、
非公開のためご案内を控えさせて頂きます。

同じ1点のAFフレームを指定して動体を追っていても、画面内で測距している面積は7Dの方が大きいということは、合焦のルーズさが7Dの方が大きい、ということにならないだろうか。そしてそれを解消するには、測距範囲を狭めたスポットAFを使うべき、ということだろうか。
本日メールにて回答してもらった後、今度は電話にて担当男性と、この件で話す機会を得た。その話の中で得られた情報は以下の点だ。

・1点指定AFとスポットAFでは、測距範囲が違うだけで、センサー自体の性能差は無い
・測距範囲を狭めると、意図しない測距情報が入ってくる可能性が少なくなる。
・それゆえ、合焦精度が上がる場合がある。
・しかし、その為には被写体を正確にとらえる撮影者の力量が必要。
・特に動体撮影の場合、正確に動体をトレースできないと、かえってマイナスになることが多い。

CMOSセンサー自体のサイズが1D3より小さいAPS-Cであるにもかかわらず、高画素化した7Dは、ブレやズレが目立ちやすいという話も聞く。モニターでジャスピンと思った画でも、等倍にしてみると、僅かにピンズレしていた、ということが私にも何度かあった。高画素とAF性能の両立は、なかなか難しいのだと思う。それゆえ、今回の7Dは、かなりこの点で頑張ったと思うが、両機のコンセプトの違いが、こんな点にちょっと感じられるような気がする。
ちなみに、お客様相談窓口の担当者から、今度登場する1D4にも、スポットAFが搭載されると聞いた。1フレームの測距面積が7Dより小さい1D4にも、更に測距面積を狭めたモードを搭載するのは、両機の狙うユーザー層の違いを表しているのかもしれない。
ファーストインプレ6-2.jpg
上の作例
7D+EF100-400mm F4.5-5.6 L IS  焦点距離   400mm  シャッター速度優先  任意1点選択
F5.6   SS 1/800   ISO 160   評価測光   露出補正 -1/3   AI SERVO AFⅡ  RAW
 

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