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7D ファーストインプレッション その8 [カメラ]

さて、前回はAF性能について私見を書いたが、ここからはそれ以外の部分について、気付いた点を書いてみようと思う(あくまで私の「感じ」であって、正確なデータに基づいたものではないことは、これまで同様)。
1D3で採用された「被写体追従敏感度」が、7Dでも採用されたことは、動体を撮影目的とする者には嬉しいことだ。もちろん私もこの機能の恩恵を受けている一人。ただ、設定・調整画面が1D3と同じなので、調整幅や効果も同じなのかと思っていたら、どうも7Dのそれは利き具合が弱いような印象がある。そのところを、またキヤノンお客様相談センターにメールにて問い合わせてみたところ、

EOS 7Dの被写体追従敏感度につきましては、EOS 1D MarkIIIと同等
ですが、センサーサイズが異なるため若干の違いがでます。

との回答だった。この「センサーサイズ」というのが、AFセンサーなのかCMOSセンサーなのか分からないし、もう少し詳しく解説してくれると有り難かったのだが、まあこのあたりは、自分自身で実戦を繰り返しながら調整を繰り返さないと分からないところかもしれない。
連写に関してだが、7Dは高速連写が秒8コマ、低速連写が秒3コマと固定されていて、1D3のように任意のコマ数を設定することはできない(秒5コマとか7コマに設定することはできない)。この点は実に口惜しい感じがするが、たぶんコストダウン故のことだと思うので、7Dの価格を考えると仕方ないか。このコマ数は最高速度であって、使用するレンズ、絞り値、シャッター速度、AF設定などで変化する(低下する)ことはご存じのことだと思うが、動体撮影の実戦では、きちんと被写体を追従しながらどれだけ連写できるかが大切であって、表示値が出ればよいわけではないし、そうでない場合も、全てがカメラのせいとは断言できないところもある。その点を考えると、撮影者自身のスキルにも左右されるが、概して条件が良ければ、7Dは秒8コマは出ていると思う。ただ連写速度の実効性というか、条件が悪くなった場合の連写速度の低下は、AF同様やっぱり1D3の方が少なく感じる。ちなみにレリーズタイムラグは、数値は分からないが、1D3の方が7Dよりも少ないと感じる。
1D3にあった「ISOセイフティシフト」が7Dには無い。7Dにも「セイフティシフト」は有るのだが、ISOの可変ができない。その代り、7DではMモードでISO オートを選べるようになった。ただ1D3には、ISO・絞り・シャッター速度の制御範囲を設定できるのに対して、7Dではできない。これらの違いが実戦での撮影にどう影響するのか、しないのか、何ともいいにくい部分だが、概して7DのMモード+ISO AUTOの方が有効な機能と思える。
たとえば、シャッター速度優先(Tv)で1/1000に設定しサッカーを撮っていたとしよう。急に光量不足に陥った時、絞り値を自動的に開けて適正露出を得ようとするのがTvモードなのだが、そのレンズの開放F値でも適正露出を得られない場合、7Dのセイフティシフト(Tv/Av値)をONにしておくと、自動的にシャッター速度を落としてしまう。撮れないよりはマシかもしれないが、ここはISOを上げて対処して欲しいところ。1D3のISOセイフティシフトをONにしておくと、自動的にISOを上げてくれる。ただこの場合、装着レンズの開放F値でも適正露出が得られないとカメラが判断した場合であって、必然的に開放F値での撮影になることと、ISOの制御範囲を設定していても、ISOセイフティシフトが優先して、撮影者の意図しないISO値に跳ね上がる可能性があること、これが注意点だった。装着レンズの開放F値になる前にISOを自動的に上げてくれるようにするには、絞り値の制御範囲を設定しておくことだったが、1D3でこれの設定ステップが荒く、イマイチ使いづらかった。これに対して、7DのMモード+ISO AUTOは、シャッター速度・絞り値を細かく設定でき、かつそれを固定して、ISOを可変することで適正露出を得ようとするので、こちらの方が概して、進歩した有効な機能だと思う(ISOの上限設定はできないが)。
測光方式も従来と変わった。1D3のAF連動スポット測光の要素を組み込み、色情報も加味して露出精度を高めた、新測光システムになったらしいが、私がサッカー撮影で評価測光を使ってみて感じたのは、若干オーバー気味に写る場合がある、ということ。これまでは、屋外晴天でのサッカー撮影では、サッカー選手のナイロン素材のユニフォーム(特に白色)のせいか、アンダー目に写ることが多く(1D2でも1D3でも)、露出補正を若干プラスにすることを私的にはデフォルトにしていたが、7Dではそれではオーバーになることもあった。この点も、キヤノンお客様相談センターに質問してみると、

EOS 7Dは「iFLC測光システム」により、他の機種と異なり、AF時の反射率
や画面の色情報を利用した露出設定を行いますので、撮影結果の露出に
違いが出ることがございます。

との回答を得た。7D以降、この測光システムが採用されるだろうから、従来機とは違った考え方をしなければならないかもしれない。また色に関しても、デフォルトではレタッチ前提の冴えない色の出方の1D3と比べ7Dは、Kissほどではないが、コンシュマー機らしい見栄えのする画を最初から見せてくれる。
ファーストインプレ8-1.jpg

上の作例
7D+EF400mm F2.8 L IS  焦点距離   400mm  シャッター速度優先  任意1点指定
F3.5   SS 1/1000   ISO 160   評価測光   露出補正 ±0   AI SERVO AFⅡ  RAW
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