SSブログ

円高差益? [熱帯魚]

円高差益.jpg

もう今年を振り返る時期になってしまったが、今年は円高が随分進行した年として記憶されるのかもしれない。円高は輸出業に携わる方々は苦労し、逆に輸入に関しては差益を生むのが道理だが、さてどうだろう。
熱帯魚も輸入品だ。円高が進めば差益を生んでいるはず、と思うのだが、どうもそんな良い話をあまり聞かない。直接現地のディーラーと取引している店ならまだしも、輸入業者や問屋が介在すると、そんな僅かな差益などは、末端の店では微々たるものになってしまう。
そして、販売価格に対する仕入れコストの割合が極めて小さい熱帯魚の場合は、特に円高のメリットが受けにくい。たとえば、800円で仕入れて1000円で販売する輸入物品販売の場合、円高で700円で仕入れられたとしよう。そうなると、通常200円の粗利が1.5倍の300円になる。円高還元セールなどをやって、900円で販売しても、実利は通常と同じ。セールでいつもより数が売れれば、それだけ儲かる仕組みだ。熱帯魚の場合、1000円で販売している魚の仕入れ値は、実は1/2~1/3だったりする。つまり、500円~300円くらい。それが円高で一割ほど安く仕入れられたとしても、50~30円得するだけ。円高還元セールなどやって、一割引きで販売したら、通常より粗利は少なくなってしまう。それでも数が売れれば総利益は多くなる計算だが、輸出大国の日本の場合、円高になると概して不況・不景気になる。そうなると、個人所得が減り、こうした趣味のものは売れなくなり、熱帯魚などの生活に必要でないものには、極めて財布の紐は固くなる。
熱帯魚がなぜ、販売価格に対して仕入れ値の割合が低いのか、それは以前このブログでも書いたことがあるが、熱帯魚が生き物だからだ。要するに、死ぬ確率が高いということ。死んでは価値も価格もゼロになってしまう。たとえ1000匹仕入れても、実際に売れるのが半分以下の小魚の場合、仕入れ値の倍以上で売らないと儲けは出ない。丈夫でなかなか死なない種類の魚の場合でも、今度は数が売れないのと、店で維持している時間が長いので、コストがかかることがネック。
そんなわけで、死んで価値がゼロになる、ということが無い物品販売と違って、熱帯魚店は同じ輸入品を扱っている店とはいえ、円高差益の恩恵は、なかなか得られないものだ。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー