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EF100-400は本当にダメか? その1 [カメラ]

私が主に撮っているサッカーでは、選手は常に動いています。被写体と撮影者の距離が常に変わっているので、こうした場合には可変焦点距離のズームレンズが適しているのは間違いないでしょう。ただ、この広いグランドでの撮影となると、300mmではちょっと足らないが、300mmを超える焦点域を持つズームレンズとなると、その数は意外と少ない。6年前に機材をすべて白紙にして再構築する際に、やっぱりキヤノンを選んだのは、EF100-400というレンズの存在が一つの理由でした。月日は流れ、400mmクラスのズームレンズの数はそれほど増えているわけではありませんが、発売から年月の経ったこのレンズ(1998年11月発売開始)の現在の評判は、必ずしも良いものばかりではありませんし、リニューアルを求める声は後を絶たないようです。そこでこのレンズを、私なりにもう一度見直してみようと思います。あくまで私個人の感想や考えであって、きちんと検証したり、メーカーから確実な情報を得た話ではないので、以下はその点を考慮して読んでください。

EF100-400 1-1.jpg

このEF100-400mm F4.5-5.6 L ISのリニューアル求める声が多いのは、デジタル一眼レフユーザーがほとんどの現況で、不満を覚えることが多いからだと思うのだが、その多くは、テレ端の400mmでの画質、AF速度、ISの利き具合、などではないだろうか。そしてそれは、最近に発売された、EF70-200mm F4 LISの緻密でシャープな画と比べて、それと同様な画を望むところから発しているように思える。しかし考えて欲しい。両者は焦点距離が違う。EF70-200のテレ端200mmの画とEF100-400のテレ端400mmの画を比べること自体、アンフェアだと思う。焦点距離が異なれば、実使用では被写体との距離も違うだろうし(介在する空気の影響)、要求される様々な要因も異なってくるはずだ。70-200で実現できたテレ端の画が、簡単に400mmで実現できるとは考えにくい。
では、400mmでの画ということに限定すれば、このEF100-400をはっきり超える画を得られるレンズは、現状存在するだろうか。EF400mm F5.6LやEF400mm F2.8 L ISの画は、間違いなくこのレンズを超えると思うが、単焦点レンズとズームレンズを比較することは(たとえ同焦点距離でも)、やっぱりアンフェアだと思う。ズームレンズではシグマのAPO120-400mm F4.5-5.6 DG OS HSMというレンズが2008年4月にリーズナブルな価格で発売された。私はこのレンズを持っているわけではないのだが、様々なレポートやサンプル画像を見る限り、総合的に見て、肩を並べるところまで来たと思うが、単純なテレ端画像の比較で明確に抜き去っている、とは思っていない。明確に抜き去っていると思われるのは、ニコンのAF-S VR ED200-400mm F4Gのみだが、これは価格差があまりにありすぎるので、両者を比較するのは、やっぱりアンフェアな気がする。
そう考えていくと、EF100-400のテレ端の画が、それほど醜いものでもないような気がしてくる。そして、EF70-200のテレ端の画が素晴らしいからといって、それと同様の画が400mmで、EF100-400がリニューアルされたら得られる、と単純に考えない方が良いかもしれない。もちろん、技術の進歩は著しいし、コストをかければ(つまりは価格が倍以上に跳ね上がっても良ければ)、実現可能かもしれないが。

EF100-400 1-2.jpg
上の作例
1D3+EF100-400mm F4.5-5.6 L IS   焦点距離   160mm  絞り優先AE
F5.6   SS 1/640   ISO 320   評価測光   露出補正 +1/3   AI SERVO AF  RAW
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