SSブログ

最後の大会 [巷の雑感]

最後の大会.jpg

最後の大会が終わりました。次男(小学6年生)にとって、既に公式戦は終わっていたので、あるチーム主催の大会だったのですが、昨日が所属チームで出る最後の大会でした。練習や紅白戦などと違って、優勝を目指して他チームと真剣勝負を繰り広げる姿は、もう見れません。長男の後を追って、幼稚園児から入団したこのチーム、9年間お世話になりました。時にチームメイトは一部変わったりしましたが、最後の3年間は不動のメンバーのまま、ジュニア世代の大会を戦い抜きました。戦績は最上のものではなかったかもしれません。しかし、最後の姿を見に来ていた保護者の方々と語らうと、それでも十分満足できる結果だったように思えます。いつもファインダー越しに見ている私ですが、今回はカメラを手にせず、最初から最後まで肉眼で見続けましたが、子供たちが最後に掛ける意気込みは、しっかり感じられました。そしてこの一年間で、多くの大会をこなし、苦楽を共にしたチームは、長足の進歩を得られたことも感じました。もう一年あれば、と思う気持ちは確かにあります。でも既に、ジュニアのユニフォームが似合わなくなっている子もいることを考えれば、もうここで次のステップへ行かせるのが順当なのでしょう。アイコンタクトでパスを廻す息子とチームメイト達、湧きあがる想いは別にして、十分楽しめた二日間でした。

最後の大会が終わりました。この大会は毎年この時期に行っている、卒団記念大会。公式戦が終わって久しい6年生、もうまもなく卒団する6年生のために、最後に戦う場を与えようと、あるチームが県内外の親しいチームを招いて行われる大会で、我がチームも毎年最後の大会として参加していました。しかしそれも、今年が最後になります。この大会は来年は開催されません。なぜなら、我々を招いてくれたチーム自体が、この大会をもって無くなってしまうからです。部外者の私には、詳しい事情は分かりません。けれど会場のあちこちで、それを惜しむ声が上がるほど、とてもフレンドリーなチームでした。会場準備、駐車場整理、参加者の誘導、清掃・後片付けと、朝早くから保護者の方々が懸命に動いている姿を、これまで何度も目にしました。今回も二日間にわたりトン汁を全チームに振舞ってくれたお母さん方は、閉会式のテントの中で皆、涙でした。最後に胴上げされたチーム代表者の目にも。悔しい、悲しい気持ちは当然あったでしょう。でもそれを包み隠して、この最後の大会をやりおえたチーム・保護者・指導者に対して、参加者から最後に万雷の拍手が起こったのは、当然のことでした。

最後の大会が終わりました。私の次男が、この小学生用の狭いゴールに向かって、4号ボールを蹴ることは、もう無いと思います。あんなに大きく見えたボール、今は軽々と蹴ります。あんなに広く見えたグランド、今は軽々と走り回ります。子供の成長していく姿を、こうして真摯に突き付けられると、嬉しくもあり、悲しくもあります。悲しい? ハイ、子供が我が手の中で大きく重くなっていき、飛び出すまでの時間が、確実に狭まっていることを感じさせられるからです。最後の大会を終えた息子は、より広いゴールを目指し、より広いグランドを走り回ります。それはまだまだ発展途上の息子には、小さくない変化かもしれません。しかし、その後の長い人生からみれば、ちっぽけな節目にすぎなかった、と思えるに違いありません。そうして幾つかの節目を乗り越えながら、サッカーが好きな子供から、サッカー選手になっていくのでしょう。最後の大会を終えた息子とそのチームメイト達には、振り返って懐かしむ表情は皆無です。それは当然のこと。目の前に広がっている未来の方が、遥かに広く、素敵に見えるからです。次の節目に突き当たった時、ひょっとすると僅かに振り返るかもしれませんが、今はただ、前を向いて進んで欲しいと思っています。

最後の大会が終わりました。けれど最後が無ければ、やっぱり次は始まらないのです。

nice!(2)  コメント(9) 
共通テーマ:日記・雑感