前回、サッカーグランドの広さを紹介したが、その68mの奥行(短辺)の僅か一割に近い、7.4mの幅のゴールにボールを入れることを競うのがサッカーだ。同じような大きさのグランドを使うラグビーやアメリカンフットボールのように、短辺のどこでもよいから、そのラインをボールが越えることを目的とするスポーツとは異なり、最終的には短辺中央部にボールを運ぶことを目指す。この点はサッカー撮影の狙いどころの利点と言うべきだろう。


さて、サッカーのテレビ中継などを見ていると、プロカメラマンは四隅のコーナー付近に並んでいる姿をよく見かける。プロが好んで取るポジションだから、そこが最適なところかといえば、私はそうは思わない。Jリーグや日本代表戦などの試合では、試合中のカメラマンの移動や移動しながらの撮影は禁止されている(ハーフタイムには移動できる)。つまり、試合中は移動できないから定点撮影となってしまい、おのずと撮影シーンは限定されてしまう。プロカメラマンは、きちんと目的意識をもって撮影し、撮りたいシーンの優先順位もはっきりしている。なので、最大公約数的に考えて、自らが撮りたいシーンを、最も撮れる確率の高い場所にポジションを取ることは当然だろう。雑誌や報道カメラマンにとって、最も撮りたいシーンとは、第一は主たるチーム(日本代表戦なら日本代表の、Jリーグなら注目されるチーム)のゴールシーンであろうから、こうしたポジション取りをするプロカメラマンが多いのは極めて妥当、故に、主催者側もその意図をくみ、こうした場所にカメラマンスペースを設けている(下の図の黄色い部分)。またこうしたポジションだと、撮ろうとするチームが攻める場合、選手の顔が向く方向でもあり、その表情なども撮りやすい(逆に相手チームの選手は撮り難い)。


もちろん、全てのプロカメラマンがゴールシーンのみを望んでいるわけではないので、そうではない場合もあるのだが、ゴール裏やベンチ前など試合に差し障りのある場所での撮影はできないし、動画のテレビカメラのように、試合の流れを主に撮りたい主旨ではないだろうから、スティル写真の場合は特に、こうした大きな試合では、自ずと撮影ポジションはそうなってしまうのだろう。
しかし、我々アマチュアカメラマンが我が子・我がチームを撮るとなると、どうだろう。





1枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L Ⅱ
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1250 絞り F2.8 評価測光
露出補正 +1  ISO 200  AI SERVO AF  RAW
2枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F3.2 評価測光
露出補正 +2/3  ISO 160  AI SERVO AF  RAW
3枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F6.3 評価測光
露出補正 +2/3  ISO 200  AI SERVO AF  RAW
4枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF300mm F2.8 L IS+EF1.4xEXTENDERⅡ
焦点距離 420mm 絞り先AE シャッター速度 1/1250 絞り F4.5 評価測光
露出補正 +2/3  ISO 100  AI SERVO AF  RAW