スポーツには「シーズン」というのがあると思うのだが、私の撮っているアマチュアサッカーに関しては、シーズンオフというのをあまり聞いたことが無い。年中どこかで大会が行われ、四季の区別なく、カメラを片手に走り回ってきたような気がする。新年の挨拶を交わしたのも、ついこの間、寒さに身を縮めていたのは、つい最近、そう思っていたのに、もう春が始まった。野球やJリーグ、モータースポーツなどは、シーズン開幕を謳っているが、アマチュアサッカーでは新人戦が終わり、夏の大会に向けての強化が行われている時期だろうか。
個人的なことを言わせていただければ、フォトコンテストを一つの糧にしている身として、いつまでも安穏としてばかりはいられない。フォトコンも年中どこかで行われているのだが、スポーツ関係のフォトコンとなると、秋から年末にかけてが多く、締め切りは秋くらいが多い。そうなると、もうボチボチ気合を入れて撮り始めなければ、作品と言えるようなものが得られない。
さてそんなこの時期に、1D3の再リコールの話だ。もう既にご存知の方も多いと思うが、2007年末のAFミラーの不具合修理に続いて、2回目の無償修理のアナウンスがユーザーに送られ、勿論私のところにもやってきた。今回もAFとミラーに関しての不具合が発見されたので、メーカーにて無償修理をする、とのこと。現時点で詳細は分からないが、これまでエラーが出たことも無く、撮影できないようなトラブルにあった事が無い我が愛機も、近い将来この修理に出すことになるとは思うのだが、出す時期の判断を考えねばならないと思っている。修理期間がどのくらいか分からないが(一週間ほどとメーカーは言っているが、意外と早いような情報も)、受付開始当初は混雑が予想されるだろうし、大事な試合に間に合わないのは困る。サブ機のKiss DXで撮るのは、ちょっと勘弁してほしいし。
しかし、発売開始以来2回目とは、ちょっとこの製品の評価が揺らいでいる。このブログでも、基本的な性能は前モデルを上回るが、ちょっと熟成不足か、というようなことを書いたが、「ちょっと」ではなかったかもしれない。キヤノンの過去モデルでこのようなことを私は知らないし、ひょっとするとかなり評価の低い機種として記憶と記録に残るのかも、とさえ思えてくる。とはいっても、現実的には手元にあるのはコレだけだし、いろんな意味で満足できる写真を提供してくれた実績もある。撮影できない、撮影するのが不安になる、撮影意欲を削ぐ、といったことも今まで無かった、なかなか律儀な相棒でもある。評価を下げるのは個々人の勝手だが、道具がないと撮れないのも写真だ。現時点で私に最も合っている機種である、という私的な評価は変わらない。
今回のリコール修理の発表で、1D3の後継機は遠のいた、と言えるのではないだろうか。リコール修理の真っ最中に新機種の発表もないだろうし、そんなことをすれば、旧ユーザーを見捨てるのか、という声も出よう。決して数が多いとはいえない1D系のユーザーにソッポを向かれるというは、この不況の最中の時期に賢明なメーカーが取る手とは思えない。ということは、私の今シーズンの機材構成は現在のまま、ということだ。コイツには、もう少し頑張っていただくことにしよう。
キヤノンの企業環境の悪化は、センサークリーニングの有料化を見ても顕著。それでも、多額の費用をかけてでもユーザーへのサポートのためにリコール修理を行うことは、悪いことではないだろうし、売ったまま放っておかれるより遥かに良いとも見える。苛酷な環境でシビアな眼で使い続けられたプロ用機に対するフィードバックの結果、というと、良く言いすぎだろうが。しかし、デジタル一眼レフカメラも、オリンパスが既に画素数増加競争から降りた、と発言したように、そろそろ熟成度合いを競う段階に来ているのかもしれない。このようなリコール修理が無いほうが良いのは当たり前だが、不具合だ、欠陥品だ、と騒ぎ立てる前に、我々ユーザーも熟成しなければならないのだろう。