真夏の暑い時期には、涼しげに見える魚かもしれない。
東南アジア原産のナマズの仲間で、以前からよく知られるポピュラー種で、しかも安価。見ての通り、全身が透明で、背骨もクッキリ。特に大きくもならず(8cmくらいまで)、性格も温和で、水質にもうるさくない(高水温には弱い面があるが)。なので、小魚との混泳でも問題ないし、ナマズといっても水底付近に隠れて動かなわけではなく、中層付近に定位していたり、ゆっくり動くので、存在感が稀有というわけでもない。雑食性ということだが、小魚用の人工飼料で充分だ。
グラスフィッシュといって、こうした体全体が透明な魚が何種かある。たいていは小型種なので、そういった種のみを集めた水槽を造ると、実に涼しげな印象を与えてくれる。逆に派手な色彩の魚と組み合わせると、存在感が薄くなってしまうかもしれない。なので、小型水槽でもある程度の数は入れてみたい。
基本的には丈夫な魚だが、調子を崩すと、この透明な体が白っぽくなる。透明感が無くなり、真っ白になると他界する。こうした小魚は調子を落とすと立て直すのが難しいので、水温と水質悪化にはやっぱり気をつけよう。