この広いサッカーグランド内で、両チーム合わせて22人の選手が一つのボールを追って走り回るのだから、撮影者自身の移動が可能だとしても、被写体との距離は常に変わる。それを写真で撮ろうとすると、長焦点の望遠レンズで、しかも焦点距離の可変範囲の広いズームレンズが適していることは、自明であろう。計算上では、50-700mmあたりのズームレンズがあればよさそうだが、現実的に製品としてあるものを考慮すれば、50-500mmという焦点距離のレンズ(シグマレンズにある)が、一番適しているかもしれない。しかしレンズ選びは、焦点距離さえ合えば良いという訳ではない。要求される性能は、レンズの明るさやAF性能なども考慮した総合的に論じるべきだし、撮影者の力量、嗜好、目的、使用機材、欲する画などによっても異なってくるだろう。


ご存知のように、私はキヤノンユーザーなので、キヤノンレンズを例に話をすると、現在最も焦点距離の長いズームレンズは、EF100-400mm F4.5-5.6 LIS である。400mmでどの程度の大きさで撮れるか、という例として上の写真の載せてみた(ノートリミング)。ボディは1D3(APS-Hセンサー)なので、フィルム換算520mmなのだが、タッチラインまで5m程という非常に近づけた良い条件のもとで、グランドセンターに立つ選手を撮ったものだ。グランド短辺が68mだから、被写体と撮影者との距離は40m弱ということになる。ちなみに、ゼッケン9番の選手は大学生で、身長は184cmである。
もう少し望遠効果が出るAPS-Cセンサー搭載機なら、さらに大きく被写体を捉えられるはずだし、それならば観客席から等の更に距離があっても、このくらいの画は撮れることになる。逆に、もっと身長の低い小学生なら、横ではなく縦での撮影なら、フルサイズセンサーなら、タッチラインまでこれほど近づけないなら、もっと焦点距離が欲しくなるかもしれない。
なお、あくまで中学生以上の基準グランドでの話で、小学生が使う狭いサッカーグランドではないことを、再度記しておきたい。





1枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F4.0 評価測光
露出補正 +1/3  ISO 160  AI SERVO AF  RAW
3枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/800 絞り F3.5 評価測光
露出補正 +1/2  ISO 200  AI SERVO AF  RAW
4枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F3.2 評価測光
露出補正 +1/2  ISO 160  AI SERVO AF  RAW
5枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/800 絞り F4.0 評価測光
露出補正 +1/3  ISO 200  AI SERVO AF  RAW