一脚の話の途中ですが・・・
リコール修理後の2回目のサッカー撮影を昨日行いましたので、その際の印象をご報告しておきたいと思います。今回は小学生サッカーでしたので、持ち出したのはEF300mm F2.8 L IS です。
AFマイクロアジャストメントを誤設定してしまったために、後ピン写真の大量生産をしてしまったことは、前回のご報告のとおり。今回はこれを全てリセットして撮影に臨みました。その他の設定は同じです。で、結果はというと、バッチリでした。ピントの機械的なズレは感じられません。リコール修理前と同じという訳で、結論として今回の修理の前後で、ピントのズレは出なかったということになりました。
ピントの件が杞憂だったことがはっきりした上で、今回のリコール修理におけるAF関係の変化の印象を書いておきたいと思います。今回の「中央以外の一部のAFフレームを使用したときに、ピントがあまくなることがある」というリコール内容は、私も感じたことはありますが、実は判断が難しい部分だと思います。私の場合は、AI SERVO AFとの組み合わせで、縦位置にして中央より一つ上のAFフレームを使うことが多いのですが、連写中に何枚かに一枚はピントが微妙にズレている写真が出てしまうことが、これまでもありました。それは、修理前の1D3でも1D2を使っていた時もありました。これは、撮影対象がサッカー選手ということで、航空機や鉄道などの固体と違い、動く方向が一定ではなく、またその速度(人の移動速度)も一定ではなく、また被写体自体の形が動く際に変化する(走る選手は体を上下に動かすし、手や頭を振ることもあるし、ユニフォーム等が乱れることもある)し、AFフレームを正確に1点に合わせ続けるのが難しい(フレームを合わせるのが顔になったり胸になったり)ので、ある程度は致し方ないものと思っていました。
この点では、1D2の方が1D3よりも平均的には上(私程度の腕では)だったかもしれませんが、逆にピントがビシッと来た画では1D3の方が精度が上のような気がして、当初の1D3のAFは「基本性能は1D2を凌駕するが、センシティブでピーキーな印象」というのが私の受けた感じでした。この点は何度かのファームアップでマイルドな方向(1D2の感じに近づけた?)になったような気もしていたのですが、今回のリコール修理で、いろいろ物議を呼んだ1D3のAFですが、一応の着地点を見出したのではないかな、というのが私の印象です。昨日、中央以外のAFフレームを使って連写しても、ピントの曖昧なショットが随分少なくなったようで、その事が前述の印象につながったものと思われます。
もちろん、1D3のAFが万能になったという訳でもないですし、人工知能や未来予測機能、撮影者の意志読み取り機能が追加された訳でもないですから、撮影者自身がきちんとセッティングして、それを使いこなす努力を惜しまないことが前提ですが、元々基本性能が高かったAFを、ピーキーだからといってマイルドにするのではなく、ピーキーなまま適応範囲の幅を広げたような感じ、に私は受け取りました。文字で言い表すのはなかなか難しいのですが、ただその変化は絶対的には小さくて、重箱の隅を子細に突くように見た場合です。それも一個人の印象で、しかもサッカー撮影という限られたシチュエーションでの印象ですから、他の方・他の場合では、またもっと撮影回数を重ねたら、見方は変わってくるかもしれません。が、私としてはまずまず満足いく結果だと、現時点で思っています。

上の作例(昨日撮影)
1D3+EF300mm F2.8 L IS   焦点距離   300mm  シャッター速度優先
F4.5   SS 1/800   ISO 100   評価測光   露出補正 +1/3   AI SERVO AF  RAW