卒業 [巷の雑感]
３年間通ったこの校舎、体育館。ここにもう入ることはないかもしれない。熱い、寒いとよく文句を言った制服を着るのも、今日が最後。真夏の炎天下も雪の舞う日も歩いた通学路。もう二度と歩かない、ということは無いだろうけど、それでも・・・。今日は公立高校の卒業式。多くの涙が流された日かもしれない。
小学校の卒業式。６年間もの間慣れ親しんだ学校や先生たちと別れるのは悲しいけれど、多くの友達とはまた同じ中学校で会える。中学校の卒業式。みんなそれぞれの高校に分かれていくのだが、それでも遠くに行く子は少ないので、また街のどこかで会うこともあるかもしれない。高校の卒業式。社会へ出る者、大学へ進学する者、親元を離れ一人の生活に旅立つ者、其々。年代が上がるにつれ、「また会えるよね」という言葉の現実味が薄くなっていく。
過去を振り返ることは、年代が上がるにつれ、より易くなる。それだけ振り返る過去が多く、大きく、重くなっていくからだろう。子供や若者には、これから先の未来の方が多く、大きく、重要なのだから、当然のことだろう。それでも、卒業という節目は必ずやってくるし、それを境に生活や環境が変わってしまうのだから、一瞬でも振り返ること、それを記憶していくことは、悪いことではないと思う。卒業アルバムや後輩からの寄せ書きは、時間と空間を共有した証として、いつまでも残される。
憂えることは、そんな旅立ちの日に、次の将来へのビジョンが未だ確定していない子達がいることだ。一部の推薦入学者を除いては、国公立大学の入学者の発表はまだ無い。大学へ進学する者で、こうした進路が確定していない子にとっては、卒業式を感慨をもって迎えることなど無理かもしれない。中学の卒業式の場合は、公立高校の受験の前にあるので、中学卒業式の日も高校受験に向けて机に向かわなければならない現実。卒業という実感が、受験という現実に押しつぶされていることもある。卒業とは、過ぎてからやっとその意味を知るものなのかもしれない。
人は多くの節目を乗り越えて、成長・成熟していくのだろう。そんな節目の日に、涙を流せる幸せを、後になってでも分かって欲しい。そして今日は素直に、卒業おめでとう、と言いたい。
こんにちわ。
うちの子供たちも今年、中学校と小学校を卒業します。
小学生はそのまま中学にスライドするだけなので何の実感も無いようです。中学生は「卒業」の前に「受験」を控えているため、今はそれどころでは無い雰囲気です。（日程的に言えば、高校入試と合格発表の間に卒業式が入っています。）
・・・受験に向けて、今更じたばたしても仕方が無い。
「お前の解からない問題は出題されるハズがない」
「万が一お前の解からない問題が出題されても他の皆も解かるはずが無い＝その問題では差が付かない」
・・・と、どこまでも脳天気にプラス思考な馬鹿親父だったりしております（笑
by Take_c (2008-03-03 20:26)
Take_cさん、こんにちは。
そうですか、二人同時に卒業なんですね。それは大変。
受験の大変さは、今も昔も変わらないと思いますが、親としてはただ見守るしかないですよね。サッカーのように、正々堂々戦ってくれればイイ、なんて言いたいですが、負けた時のことをどうしても考えてしまうのも、気弱な私です。
by ジュニアユース (2008-03-03 23:19)