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少年サッカーの撮影 その57 [少年サッカーの撮影]

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広いサッカーグランドを、限られた機材でどう撮るかについて、いろいろ書いてきたのだが、今回で一区切りとしたい。前回までに、満足な大きさでグランド内の全てのプレーを撮るのは不可能で、ではどうするか、についていろいろ書いてきた。
それならいっそ、諦める、切り捨てる、全てを撮ろうとしない、という選択肢もあるのではないか、と思う。このシリーズの最初の頃にプロカメラマンについて、ちょっと書いたことがあった。彼らは撮影技術もさることながら、目的意識をしっかり持って撮影に臨んでいる。どんな画が欲しいのか、どんな画が売れるのか、限られた条件の下で、ではどうすればよいのか。彼らは全てのプレーを記録することを目的とはしていない。自らの欲しい画を撮ることを目的としている。
何も我々アマチュアがプロの真似をしたからといって、良い結果に必ず結び付くわけではない。しかし、そうした明確な目的を持って撮る、撮るプレー・撮らないプレーの取捨選択をしながら、撮影に臨むということは、我々アマチュアでも、撮影スタイルの一つの選択肢として持っていてもよいのではないか、と思う。失敗したからといって、撮れなかったといって、それで生活の困ることはないのだから。

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サッカーの試合のテレビ放送、現在のテレビ放送で使うカメラはズームレンズを使っている。そして、メインの1台は必ず、ピッチの長辺(タッチライン)の中央付近に俯瞰で置く。試合全体の流れ、ピッチ内のどの場所でも(たとえ小さくても)撮り逃さないようにするためだ。その上で、前後左右にサブのカメラ(カメラマン)を配置し、各所で繰り広げられる攻防やベンチの様子などを撮るようにしている。私は、もちろんスティルカメラだが、両チームを撮る時は当然、自チームだけの時も多くは、タッチライン沿いにポジションを取ることが多い。それは、どんな試合展開になっても、最大公約数的にその場所なら、対処できると思われるからだ。もちろん、試合展開によっては、ゴールライン沿いに移動することも当然ある。そして、タッチライン沿いで撮影するとして、向こう側のタッチライン沿いの選手やそのプレーは撮らないことにしている。撮っても無駄になることが多いと思うからだし、それならばあっさり切り捨てる。そしてそれならば、そこは捨るのならば、中央より自分に近い部分にスイートスポットを持ってきて、そこに自分の高い集中力を維持するような方が、結果的に良い成果が得られるようなので、そうしている。

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少年サッカーを撮る方の多くが、自らの子・チームを撮っていると思う。私もその一人。1~2試合しか撮影チャンスがなく、その間に選手全員の写真を撮らないといけない、という条件の下では、ズームレンズと足を駆使して、多少のトリミングは前提の上で数多く撮らないといけないし、当初は私もそうしてきた。しかし、そうして撮った、自分的には不満足の写真は、保護者の方などに差しあげられない。なので、最近では、「1~2試合で選手全員のプレー中の写真を撮ることは、現在の私の力量では不可能です。それでは、私に期待されているようなクオリティの写真をお渡しできません」と断っている。最低4~5試合、または半年間で、とかのスパンで、保護者の方々に写真を提供するようにしている。
サッカー選手は試合中に、常に全力疾走している訳ではない。時に歩き、立ち止まり、自らの課せられたポジションで最良の仕事ができるように、力を貯めている時間も多い。そうでなければ、試合終了まで体力が持たない。写真撮影も、欲張って隅々まで何でも撮ろうとせず、自らの目的の画を撮るために、その時のために、イザというときに撮り逃さないために、集中力を温存するという、撮るべき時にしっかり撮るために撮らない時を作る、そんな撮り方の方が、良い結果に結びつくと思っている。

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1枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F2.8 評価測光
露出補正 +1/3  ISO 250  AI SERVO AF  RAW
2枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F3.2 評価測光
露出補正 +2/3  ISO 1600  AI SERVO AF  RAW
3枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F4.0 評価測光
露出補正 +2/3  ISO 160  AI SERVO AF  RAW
4枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/800 絞り F4.5 評価測光
露出補正 +2/3  ISO 160  AI SERVO AF  RAW
5枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F3.2 評価測光
露出補正 +2/3  ISO 200  AI SERVO AF  RAW

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コメント 10

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まーちゃん

私の場合1,2試合で全員撮るために、あえて逆サイドの選手に対しては、記録用レベルで横位置で4,5名の選手を一緒に撮り、その場をしのいでます。

ただ長男が通っているのが部活ではなくクラブチームなので、たいてい土日は試合ですが、ほとんどがトレマッチのため撮る気が薄れますので、ほとんど撮りませんが、それでは撮影技術の向上がないため、昨日、久しぶりに4試合撮りました。
好天過ぎて、目が痛いです。
by まーちゃん (2008-10-19 21:52) 

ジュニアユース

まーちゃんさん、こんにちは。
お子さんはクラブチームに所属なんですね。ウチの愚息もずっとクラブチームで、練習試合も多かったですが、やっぱり撮ってましたね。撮影機会が多いと、中にはハッとする画が意外jに撮れたりすることも。私の場合、撮影意欲は、試合が行われる会場の良さに左右されたりして。


by ジュニアユース (2008-10-20 23:37) 

kuni8686

ジュニアユースさん、こんばんは。
コメントを読ませていただき、目から鱗です。私も今まで(つい先日まで)逆サイドの選手も、とりあえずおさえとこうと、小さい被写体ながらも撮って安心していました。でも後で見ると、おっしゃる通り、感動的な(ベストクオリティ)の写真とは、ほど遠いのです。とりあえず、webアルバムにアップして閲覧できるようにはしていますが、そう言った写真は自分でも「なんだかなぁ」と思ってしまいます。(サッカーをしている風景、的な画になっちゃうんですよね)これからは、マインドを見習って、長いスパンでベストな写真を撮りたいものです。
by kuni8686 (2008-10-21 22:32) 

ジュニアユース

kuni8686さん、こんにちは。
>逆サイドの選手も、とりあえずおさえとこうと
というのは、チーム撮りには悪くないと思うのですが、家に帰って見てみると、削除することが多いです、私の場合。必死に小さい選手にピントを合わせたつもりでも、微妙なズレなんかあって、なかなか使える写真は少ないですよね。それを考えると、人間よりももっと小さい鳥撮りをしている方々は、ホントすごいなあ、と思います。


by ジュニアユース (2008-10-22 23:47) 

RX-78-1

お久しぶりです。21日、22日と長男の小学校のサッカーの試合の応援に行ってきました。しかし準決勝で負けてしまいました。主審の試合終了のホイッスルの瞬間フィールドのイレブン達が泣き崩れ、私達、親も貰い泣きしてしまいました。話は変わりますが1DIIのシャッターが故障してしまい、20Dで撮影しましたが、AF、シャッターのタイムラグとも1D系は全然違いますね。
by RX-78-1 (2008-10-23 08:41) 

ぴんさん

>撮るべき時にしっかり撮るために撮らない時を作る
このメリハリが大事だなと感じます
撮らない時の過ごし方で、写真も変わってくるのだとも思います
by ぴんさん (2008-10-23 21:49) 

Cimarron

いつも興味深く拝見させていただいております。
昨年末から子供のサッカー試合をデジ一で撮影するようになり、ハマッテしまいました。
確かに遠い選手はなかな良い場面が撮れませんが前半、後半で場所が入れ替わるのでそれほど悩んだ経験はございません。
ただし選手交代で後半に出れなかった子は撮れませんが・・・・・・

by Cimarron (2008-10-24 12:22) 

ジュニアユース

みなさん、コメントありがとうございます。

RX-78-1さん、こんにちは。
1D系を使うと後戻りはできない、って言われますが、そういった面は確かにあると思います。特にスポーツ撮りのように、一瞬の勝負の場合、シャッターを含めてレスポンスが重要ですよね。思いのままに撮れる、ということがいかに重要か、他機種を使ってみるとよく分かりますよね。

ぴんさん、こんにちは。
北海道はもう随分寒くなったでしょうね。
以前は選手と一緒のように、汗まみれで撮影していたのに、歳には勝てず、運動不足を痛感しております。がむしゃらに撮っていた頃とは、ちょっと違った最近です。

Cimarronさん、はじめまして。
そうですね、選手交代されると、ああもっと撮っておけば、って後悔することはありますよね。でも最近は、不満足な写真を渡すよりは、数は少なくても満足できる写真を渡す方が良いかな、って開き直っています。


このブログも、以前に比べるとアクセス数の伸びがすごくって、いろんな方に見てもらっているんだなあ、と感謝して、そしてちょっとプレッシャーも感じています。くだらない記事も出てくるとは思いますが、どうか末永くお願いします。


by ジュニアユース (2008-10-24 23:13) 

TAISHO

今日の撮影で
「なるほど~」と思いました。

すごく参考になります。
by TAISHO (2008-11-09 20:49) 

ジュニアユース

TAISHOさん、こんにちは。
私の書いたことで、お役にたてたなら幸いです。各大会も佳境に入っているかと思いますが、お互い頑張りましょうね。


by ジュニアユース (2008-11-10 21:23)