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少年サッカーの撮影 その36 [少年サッカーの撮影]

できるだけ大きく被写体を撮ろう、ということは、ファインダー内で被写体の占める割合を多くしようということと同意で、予測できない不規則な動きをする被写体の場合は、ロストの確率アップとファインダー内の余裕スペースを削ることを意味する。このような場合、以前にも書いたことがあるが、ファインダーで被写体を追う時に両目を開けて、ファインダーを覗いていないほうの眼で全体の流れを読み、シャッターチャンスとみれば、ファインダーの方に集中する、という撮影法が有効だ(左右の眼の意識の切り替え)。ただこれは、慣れないと難しいし、集中力を要することも事実。試合中ずっと続けることはできないかもしれないが、プロカメラマンも使うこの方法、得て損なことはないと思う。
現実問題として、そんな長焦点距離のレンズが用意できないこともあるし、被写体に近づけないこともある。撮影場所を限定され、移動できないこともある。こうしたい、と思ってもできないことは致し方ない。何事にも限度や限界はある。しかし、この条件で、どれが、何が、ベターなのか、を常に考えたり、工夫したりすることは、大切なことだと思う。それは、サッカーをプレーしている選手たちが、どうしたらサッカーが上手くなるのか、どうすれば相手チームに勝つことができるのか、を常に考えてプレーしていることと同意なのだ。

少年サッカー36-1.jpg

私もトリミングは使う。しかし、トリミングはあくまで撮影後の後処理。撮影時には、そんなトリミングのことは考えず、できるだけ大きく被写体を切り撮るつもりでいたい(特別な意図のある場合を除いて)。安易に、後でトリミングすればイイや、と考えて撮影に臨むと、良い結果を得たことが無い。心が楽な方に流されて、努力や工夫をすることを怠けてしまいがちだから。これも、サッカーというスポーツに、真摯に向き合う選手たちと共通するところだ。
狭い画角の望遠レンズを使って、動く被写体に集中するなんて、そんな撮り方をしていたら疲れる、試合を楽しめない、応援できない、そんな保護者カメラマンの声を聞いた。それならいっそ、撮影は辞めた方が良い。二頭を追うものは一頭も得ず。高い機材を使っても、努力せずに良い画が撮れるほど、サッカー撮影は簡単ではない。高価なシューズで単純にボールを蹴っていれば上手くなるほど、サッカーという競技が簡単ではないことと、これも同意。
撮影枚数を気にせず撮れるデジタルカメラを手にいれ、我が子の勇姿を撮ろうと望遠レンズを持ち、寒暖の厳しいサッカー場の傍らに立ったのなら、ぜひとも、その表情や躍動的な姿を印象的な形に残してあげて欲しい。そのために、「サッカーをやっている風景」にならないように、我が子をできる限り大きく、時に選手の手足がはみ出てもイイくらいの気持ちで大きく、その為に縦で大きく、撮ることに挑戦してみてほしい。真剣に、そして懸命にプレーしているその姿、それを撮るのもスポーツ。子供に負けないくらい、カメラや写真と格闘してみるのもよいのではないだろうか。

以下の作例全てノートリミング
少年サッカー36-5.jpg

少年サッカー36-3.jpg

少年サッカー36-4.jpg


1枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/800 絞り F3.5 評価測光
露出補正 +2/3  ISO 100  AI SERVO AF  RAW
2枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/800 絞り F3.5 評価測光
露出補正 +2/3  ISO 100  AI SERVO AF  RAW
3枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF300mm F2.8 L IS+EF1.4xEXTENDER
焦点距離 420mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/800 絞り F6.3 評価測光
露出補正 +2/3  ISO 250  AI SERVO AF  RAW
4枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L Ⅱ
焦点距離 400mm 絞り優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F2.8 評価測光
露出補正 +2/3  ISO 200  AI SERVO AF  JPEG

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